時計コレクション (番外58) 家康公の時計(久能山東照宮博物館”洋時計”)
中の機械はレプリカやパネルの写真だけだったので、正直これかぁという感じ。写真では何度も見たことがあったので。
でも状態は非常によく、やっと実物を見ることができて、来た甲斐はあった。せっかくなので、少しこの時計について紹介しておこう。詳しくはこちらを見てください。
慶長16年(1611年)スペイン国王フェリペ3世から海難救助のお礼として徳川家康に贈られた、日本に現存する最古の機械式時計だ。刻銘に1581年にスペインマドリッドでハンス・デ・エバロという時計師が制作したと、出自も明確であり、400年以上前の洋時計だ。当時の日本は不定時法なので、家康は実際には時計として使用しておらず、部品も99%オリジナルという、デッドストックに近いものだ。作られたスペインをはじめ、ヨーロッパにも、部品までこれだけオリジナルなものはそうそうないだろう。(通常時計はメンテナンス時に多少は部品交換される) しかも革製のケースまで残っている。
針は一針(長針のみ)で、本体は真鍮金メッキ。時打付で、上部のドーム部は透かし彫りの中にベルがあるのだろう。本体には凱旋門のような城砦が線彫りされているが、彫刻としては普通かなという感じだった。
平成24年に、イギリス大英博物館時計部門の責任者が調査し、ハンス・デ・エバロが制作した時計の中でも、極めて傑作とコメントしたとか。
現在は重要文化財だが、きまま仙人は国宝でもいいと思うくらいだ。
| 固定リンク
コメント