滝と急登の静かな信仰の山、信濃富士有明山(2019年8月24日山行記録(3))
落合からはコースを南西に変え、尾根を行く。とはいえ、小さな、しかもそこそこ急なアップダウンの連続。稜線に出たからといって楽にはならない。ただ、時折風が抜けるのと、安曇野方面の麓の景色が望める。八ヶ岳や浅間あたりが見えて良さそうなのだが、よくわからない。雲がなければ、富士山も見えるはずなのだが。今日は晴れてはいるが雲も多い。
安曇野を見下ろす、右側のなだらかなピークが美ヶ原か?
カニの横ばいといわれる鎖場がある。ただ、右側にしっかりステップが切ってあるので問題なし。9時27分 祠を通過。しだいに日の当たるところが増え、暑くなってくる。GPSの標高を見ながら、山頂が近づいてきていることを確認する。
途中にも祠がある ???
落合から1時間を越え、急登にあえぎながら上を見ると、キラッと光る銀の鳥居が見えた。うれしかったぁ~
あそこが北岳の山頂だ。もうひと頑張りして、10時20分 有明山社の奥社のある北岳(2268m)山頂着。他の登山者は見当たらず、きまま仙人だけのようだ。
北岳にある松川町の祠 三角点と読めない山頂標柱
有明山の山頂には北岳・中岳・南岳(峰)の三つのピークがある。一番高い北岳には松川町の有明山社の奥社が、中岳と南岳には安曇野の有明山神社の奥社がある。なかなか複雑だ。北岳には避雷針を兼ねた銀の鳥居があり、インパクト大。光って麓から見えることもあるらしい。日陰に入ってバナナでエネルギー補給。と、裏参道から男性が一名、そのあと女性二名の三名のパーティーが到着。しばし歓談。男性は大町在住で、ガイドもされているらしい(この日はプライベート)。いろいろ教えていただいた。
ザックを背負って南岳に行ってみる。(空身でもよかったかもしれない。) 奥社の右手裏側から登山道が続いている。すぐに三角点(二等)と棒状の標識がある。きっとここが有明山の山頂(2268m)なのだろう。標識の文字は薄くなっていてよく読めない。
鐘のある中岳の祠(左)と南岳の祠(右)、これらは安曇野の奥社
鎖の張られたスリリングな巨岩を横切り、10分弱で中岳。ここにも祠がある。写真だけ撮ってまずは南岳へと向かう。中岳より南側は明らかに整備の差があり、少し通りにくい。木々が張り出していて引っ掛かったり、少し荒れたところがあったり。10時58分、南岳山頂(2248m)到着。木々の間から燕岳や表銀座の稜線が見えるが、展望はそれほど良くない。登山道はここで行き止まり。
南岳へは、ちょっとスリリングな岩場や木の橋も
南岳から、東天井岳(右)と横通岳(左)か?
雲の中に大天井岳のピークが見えた
燕岳、雲でよく見えない
少し休憩した後、中岳まで戻る。3人組も休憩(お昼?)していた。再び歓談。中岳からは西側の展望がいい。展望テラスのような岩がある。あいにく雲がかかりピークが見辛かったが、燕岳、大天井岳、横通岳の稜線が見える。いい景色だ。あと中岳の祠には鐘もある。
中岳の展望スポットから、残念ながら主要なピークは雲の中
11時26分、中岳を後に下山に向かう。時間的にも少し余裕が出てきたので、温泉にも入れそうだ。表参道と比べると標高差も小さい(約800m)ので、気分的にも少し楽。
途中空身の若者とすれ違う。北岳まで戻るともう一人。話をすると、二人も表参道から登ってきたらしい。きまま仙人の少し後だったようだ。北岳からは北西への尾根を行く。道は整備されていて歩きやすい。さらに男性二人組とすれ違う。この日きまま仙人が山中であったのはこの7人(3人組、2人組、2人組)のみ。本当に静かな山歩きだった。きっと燕岳は大勢の人なんだろうな。
すぐに樹林帯に入り、直射日光はそれほど気にはならないもののやはり暑い。しばらくは緩やか目に進む。11時57分、八合目の石標があった。これ以降も合目の石標があったようだが、きまま仙人はほとんど気が付かなかった。八合目から、裏参道も急坂になる。少し行って、迷ったがストックを1本使用。やはり下りはストックがあった方が安全だ。かなり疲労感も出てきたので、意識的にマイペースを心がける。
八合目の石標
樹林帯をグングン下る。急な鎖場などもある。滑りやすいところもあるが、表参道に比べると整備がしっかりされている印象だ。時々緩やかな部分はあるものの、急坂は続く。意外だったのは登り返しが案外多いこと。ボディブローのように効いてくる。既に7時間以上歩いているわけだから、疲れも出てきて当たり前。
1時間ほど歩いたところで、一本入れる。ジュースが残っていたのでそれを飲んで、おにぎりに菓子。木に腰を下ろして少し長めのブレイク。この休憩は効果的だった、かなり回復。既に稜線はかなり上。
このあたりから明らかに傾斜は緩やかになってきた。歩きやすい。ペースも上がる。沢の音も聞こえるようになってきた。が、GPSを見るとまだまだすぐには着きそうにない。13時41分、やっと中房温泉(三段の滝)との分岐着。おそらく中房温泉は混んでいるので、プラン通り有明荘側へ。ほどなく13時51分、有明荘裏の駐車場の奥にある登山口に出た。ふぅ~いい山行だった。
中房温泉との分岐 有明荘裏の登山口
登山口には悪天のため、表参道は荒れているので絶対下山しないようにと書かれていた。荒れていたとは思わないが、あのコースは下るのはかなり危険なコースだと思う。表参道は絶対登りに使うべきだ。ぶらっと歩いて13時56分、有明荘着。山荘前のベンチでちょっと休憩&パンを食べて小休止。財布を出してゆっくりと有明荘の受付へ。念のため次のバスを確認したところ、何と14時3分(中房温泉14時ちょうど発)いうのがあった。チェックミスだった。急いでいれば十分乗れたのに。。。
諦めて予定通り、中房温泉16時15分(有明荘18分)のバスにして、ゆっくり温泉(有明荘 700円)へ。ゆっくり浸かった後、座敷で少し横にさせてもらう。約2時間の~んびり。いいお湯&休養でした。
16時10分過ぎにバス停で待っていると、山頂で一緒だった3人組の方と再会。彼らの車を見送ったと思ったら、車が急に止まって、、、何と乗っていきますか?と声をかけていただいた。お言葉に甘えて有明山神社まで便乗させてもらう。大感謝です。こういうところは山は本当にいいですね。もしこのブログを見つけていただいたら、ぜひご連絡ください。またどこかの山でご一緒しましょう。
ちなみに急ぐ必要もなかったので、ザックを車に置いて有明山神社を参拝。なかなか由緒ある神社らしい落ち着いた境内でした。神社を参拝したことで、有明山をより一層味わえたような気がします。
有明山は、なかなかタフな山でしたが、登りごたえのあるいい山でした。やはり中房からの往復ではなく、表参道から登ってこの山をより知ることができたように思います。達成感があります。沢を詰めるコースに見ごたえのある妙見滝・白河滝。チョックストーンのところや、白河滝後の急登の鎖場も、終わってみれば印象に残る楽しいコースだと思います。もう少し標高差が小さいといいかな。
番外編に続く。
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