滝と急登の静かな信仰の山、信濃富士有明山(2019年8月24日山行記録(2))
基本的には川の右岸を緩やかに登っていく。道もしっかりついているし、赤いテープが数多く付けられているので心強い。少し草木が張り出しているところはあるが、朝露でズボンが濡れるというほどでもなく、まずまず想定の範囲内。少しぬかるんだところが気になるくらいか。大きなシダが目につく。と、前方かなり先を黒い物体が横切っていった。イノシシだ!
大きなシダが目につく
河原を歩いたり、軽い高巻きをしたり、ちょっとした徒渉があったり、倒木を跨いだり、やや不安そうな木の梯子があったりと変化がある。北アルプスにしては、ややワイルドなままの登山道。時折木漏れ日も射すが、やや曇った感じでむしろ暑すぎず歩きやすい。まだ緩やかだし、汗びっしょりということもない。
沢に沿って登っていく
こんな徒渉が何度もある.完全に整備されてはいないワイルドな登山道
少しずつ標高を上げ、1時間半くらい歩いたところで、木々の間に滝らしいものが見えた。7時13分、妙見滝の直下に出た。空が青く、日が差して水しぶきが輝いている。ここでザックを下ろして小休止。まだ大丈夫かと思ったが、ここで水も補給しておく。妙見滝は高さ30mくらいだろうか、巨岩の岩肌を水しぶきが跳ねるような滝で、なかなか立派な滝だ。
妙見滝、青い空に水しぶきがきらめく
滝の前を渡るように右手に移動し、少しいくと巨岩が川をせき止めているようなチョックストーンがある。登山道はチョックストーンの右手の鎖場を登り、岩と岩の間からチョックストーンの上に出る。最後のところは、急な鎖の岩登りの上に少し水しぶきがかかる。左足の太ももあたりが少し濡れてしまったが、大したことはない。難所ともいえるが、これはこれでなかなか楽しい。
チョックストーン、右側の鎖場を登っていく
チョックストーンの右側を登る、水しぶきがかかる難所だが楽しい
チョックストーンの上部から
しばらくはなだらかな河原を行く。徒渉や巻き、少しぐらつく木のハシゴなどは相変わらず神経を使う。その後一旦沢から離れ、岩のゴロゴロした明るい斜面を登っていく。汗が出てくる。
岩のゴロゴロした斜面
30分ほどで、7時46分 白河滝到着。(時間的に)貯金が大きくできたわけではないが、まずまず想定通りだ。ここも妙見滝と同じように標識などはない。落差も同じくらいだろうか、青い空に良く映える。気持ちのいいところだ。水を飲み、塩飴で塩分も補給しておく。気合を入れなおして、さぁいよいよ急登だ。
白河滝、ここもなかなか迫力のある滝の真下を行く
ここからが本格的な急登の始まり。滝の右手に鎖が付けられている。出だしはやや滑りやすい草の茂った壁のような登りだが、しっかり見れば足場はある。真新しい鎖だったので、腕力も使って登る。ただここを下るのは、かなりいやらしいだろう。まぁ今回は往復コースではないので大丈夫。鎖、ロープはいくつもつながっていて、急登はかなり長い。登山道も今までよりもさらにワイルドに。ここがこのコースの一番の難所だ。標高をぐんぐん上げていく。気が抜けない急登が続く。どこまで続くんだ。。。
白河滝の横ほぼ垂直の鎖、急だがそれほど難しくはない
ただきまま仙人、登りの方がコースタイムを縮められる。道はやや荒れた感じのところもあるが、危険を感じるようなところはない。
やや荒れ気味な道をぐんぐん登る
30分強格闘し、前方に文字の書かれた岩に穴の開いたところが見えた。石門だ。手前には朽ちた祠もある。文字はよく読めない。落書きのようにも見える。落書きだとしたら 悲しい。石門をくぐって、右後ろに戻るように急斜面を登る。ここは少し登りにくい。さらに狭いトラバースを行くとなだらかになって、慰霊のためのものか石仏(石碑?)のようなものがある。
祠のある巨岩の間をくぐっていく
これは落書き? くぐった後のトラバース
慰霊碑? 巨岩を回り込むような鎖場
なだらかなのも束の間で、さらに急登が続く。さすがに1,500mの標高差はただものではない。ここまでくれば稜線は近いはず、ガシガシ登った。最後にもうひとつ笹をかき分けるような急な斜面を登りつめると、稜線に出た。松川と書かれた案内板がある。8時59分、松川からのルートとの合流点 落合だ。
少し心配な木の梯子 最後は笹の急斜面をつめる
苔も美しい 合流点、落合
さすがに少し疲れたのと、軽い空腹感があったので、ここで腰を下ろして小休止。パンでエネルギー補給。今回はゼリー食を2つ持ってきた。ここでひとつ目が空になったので、2つ目をポケットに。このコース直射日光が当たるところが少ないのは救いだが、それでも暑いので真夏は避けた方がいいかもしれない。
今日はここまで。
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