槍穂の大展望台、好天の燕岳~常念岳~蝶ヶ岳、猛暑の強行縦走山行記録(1)(7月14-16日山行記録)
今回は、中房温泉~燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳~上高地への北アルプスメジャー入門コース。通常なら3泊4日の行程を2泊3日で踏破。メンバーの力量を考えると、やっぱり少し厳しかったかな。
先にコースとコースタイムを記載しておきます。
13日(金) 竹橋23:00=
14日(土) 5:20中房温泉6:04-8:22合戦小屋8:45-燕山荘9:52-燕岳10:35-11:02燕山荘11:40-大下りの頭12:31-切通岩13:52-14:36大天荘15:33-大天井岳15:39-15:56大天荘
15日(日) 大天荘4:45-常念乗越7:18-9:00常念岳9:18-2512mピーク10:46-2592mピーク11:25-蝶槍12:57-横尾分岐13:14-13:38蝶ヶ岳ヒュッテ
16日(月) 蝶ヶ岳ヒュッテ6:38-6:40蝶ヶ岳7:02-長塀山7:41-9:28徳沢10:10-明神10:56-11:37小梨の湯14:58-15:18上高地B.T.16:30=22:00新宿
燕山荘前からの燕岳、北アルプスの女王とも言われる
Part2 14日(土) 燕山荘-大天荘
Part3 15日(日) 大天荘-常念岳
Part4 15日(日) 常念岳-蝶ヶ岳ヒュッテ
Part5 16日(月) 蝶ヶ岳ヒュッテ-燕山荘
今回の3連休の山行は、例の同級生オヤジ5人組での企画。初北アルプスの初級者メンバーが2名(K君、M君)。当初は槍ヶ岳という話もあったが、さすがに無理をせずに危険のない入門コースを選択。はじめは中房温泉から燕岳に登り、燕山荘に一泊。翌日表銀座の縦走路から常念山脈に入り常念岳に登って、常念小屋でもう一泊。最終日は一ノ谷へ下山という計画。
が、が、が、予定が狂ったのが燕山荘がいっぱいで予約を断られたこと。(後で見ると直前までWeb予約は△だったので、これは燕山荘グループの陰謀か?) ともかく初日は大天荘まで行程を伸ばして宿泊するはめに。
そうすると二日目が常念小屋というのは、ちと短い。結果的にはそういう計画もありだったかなと思うが、欲を出して二日目は蝶ヶ岳まで行くことにした。そして三日目は上高地に下山。という訳で、通常なら3泊4日の行程を2泊3日で行くことにしてしまったわけだ。このため結果的に、かなり厳しい山行になってしまった。
もうひとつの想定外は暑さ。いや猛暑。3日ともこの上ない好天に恵まれたが、代わりにすごく暑かった。水分も一人約3L持ったくらい。本当に熱中症になりそうな暑さだった。7月だから当たり前だろうと言われそうだが、ここはきまま仙人もちょっと甘く見すぎだったか。きまま仙人は(下界でも)実は暑さに弱い。
全員事前に荷物を極力減らして金曜(13日)夜竹橋に集合。毎日アルペン号へと乗り込んだ。荷物を減らした効果はあり、きまま仙人でも水3L込みで14キロ強。後のメンバーは10キロ~12,3キロという軽さだった。ツエルトやコンロなど、一部のきまま仙人の共同装備を軽い人に分配しようかとも思ったが、きまま仙人も許容範囲だったので、そのままでGo.初日は合戦尾根の登りだったし、きまま仙人が担いだ方が安心かなと。
眠れるか心配だったが、心地よい揺れにうとうとと、、、
○7月14日(土)晴れ
予定より少し早く、5時20分頃中房温泉に到着。すでに登山口には大勢の人。運よくテーブルが空いたので、軽く朝食を取って、準備をして6時4分いざ出発。トイレが混んでいた分、少し時間がかかったかな。
スタートは中房温泉、1462m
いつものように先頭はN君、今回は3連休の人気コースで人も多いし、1日の行程が長いのでトリにはきまま仙人が入った。あとは多少流動的ではあったが、N君のあとにM君、K君と北アルプス初めての2人が続き、うしろにT君、仙人という並び。
合戦尾根の登りはバカ登りというだけあって単調。何度か歩いているきまま仙人は別に変らないが、他の4人には3大バカ登りと聞いていても、急登だと感じたかもしれない。(ちなみに北ア三大急登は、諸説あるが他にブナ立尾根と早月尾根) 人が多い分、ペースは速くはなりすぎない。ペースの速い登山者には道を譲り、マイペースで登っていく。いやN君の朝の入りはちと速め。ザックが思いの外軽いからかな? まずまずいいペースで登っていく。早朝だからまだいいが、風がほとんどないので既に暑い。
整備された登山道、日射しの当たるところも
6時33分、順調に第一ベンチ通過。6時53分、第二ベンチで初めて小休止を取る。水分補給だけですぐに出発。花はまったくといっていいくらい咲いていない。黙々と登っていく。7時20分、第三ベンチでも小休止。第三ベンチを過ぎたあたりから、振り返ると木々の間に八ヶ岳らしき山姿が。。。
7時53分、富士見ベンチで小休止。富士見ベンチからは、名前の通り富士山がその姿をはっきり見せてくれていた。やや雲もあるが、八ヶ岳もちゃんと確認できる。富士山の右手には南アルプス北部も姿を見せている。いい感じだ。稜線からの大展望が早くも楽しみ。
最初に見えるのは八ヶ岳
富士見ベンチからは富士山と南ア北部も見える
さらに30分ほど登り続ける。登山道脇にはゴゼンタチバナとマイズルソウがちらほら。左手上部に大天井岳に続く稜線が近づいてくる。今日はあの山頂直下の小屋まで行くのだ。よく見ると大天荘が見えているではないか。でもまだまだ先は長い。
雲海の上には富士山と南アルプス、右手高いのが北岳
8時22分、合戦小屋に到着。ここまでは想定よりもずっといいペース。お約束の名物スイカタイム。2切れ(800円×2)を細かく切ってもらいみんなでほおばる。悔しいけどここで食べるスイカは本当にうまい。今回小屋の外の屋台のようなところではなく、小屋の中で販売していた。以前の口うるさい女性ではなく、アルバイトかな? 若い(かわいい)女性が対応してくれた。こんなところも徐々に変わっていくんですね。しまったスイカの写真を撮り忘れた。
合戦小屋、ここでスイカタイム! かわいい?鬼のマークが特徴
ここでミニトマトを少し提供。今回フルーツ以外にミニトマトをワンパック持ってきた。やはり水分のある食べ物は大好評。少々重いがみんなの元気の足しにはなったか。このあともポイントポイントで、少しずつ分け合った。
ここで日焼け対策もして、稜線への登りに気合を入れ直す。今回きまま仙人は、帽子に取つける耳や首筋を隠す日除けを持参。格好はともかく、これは機能的にはなかなかいいです。あとはサングラスと日焼け止め。
今回初めて使う日焼け防止グッズ、格好悪いのがなぁ。。。
少し登ると、槍の穂先が見えてくる。何度この道を登っても、槍の穂先が見えてくるとテンションが上がる。これから歩く大天井から常念へと続く稜線から頭を出すように。少しずつ気分が盛り上がっていく。登山道は花崗岩質に変わっていき、木々の背が低くなり、視界が広がっていく。ただ日が当たると暑い。。。
花崗岩の斜面を登っていく、険しくはない
表銀座の稜線の上に槍穂連峰がせり上がってくる
登山道脇には、花も少しずつ見られるようになってくる。チングルマやアオノツガザクラ、ハクサンフウロなどが。
チングルマ コイワカガミ
アオノツガザクラ ハクサンフウロ
それほど多くはないが。探しながら歩くのが楽しい。他の4人は花を見る余裕は無し? 黙々と登っている。
ナナカマド キバナシャクナゲ
振り返ると登ってきた尾根の奥には有明山の頭が雲の上に覗いている。有明山はいつも黒い、という印象がある。
振り返ると、登ってきた尾根の先には有明山の頭
前方上には燕山荘が見えてきた。あと少しだ。右手前方には燕岳の岩峰群が燕岳に来たことを感じさせてくれる。槍の穂先だけだったものが、だんだん槍穂連峰がその姿を現していくのがいい。
木々の背が低くなり、尾根はもうすぐ
燕山荘が見えてきた、あとひと踏ん張り
登るにつれ穂高に続く3000mの稜線がせり上がっていく。今はもう前穂まではっきり見えている。右手には針ノ木岳や後立山連峰の鹿島槍も。ひとつひとつが、歓迎してくれているようで実にうれしい。
右奥の双耳峰が鹿島槍、左は蓮華岳、中央奥に旭岳が見える
9時52分、順調に燕山荘に到着。裏銀座の山々が一気に目に飛び込んでくる。
燕山荘、ここで泊まるのなら生ビールなのだが、、、
畦地梅太郎のモニュメントの奥に燕岳
今日はここまで、つづく
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コメント
素晴らしいblogです。もう2年過ぎましたが、記憶が蘇りました。
投稿: N君 | 2020年7月23日 (木) 17時25分
ありがとう。早くまた山に行けるようになるといいですね。
投稿: きまま仙人 | 2020年7月23日 (木) 19時04分