槍穂の大展望から、鷲羽・黒岳2つの百名山と赤牛岳を縦走、読売新道は魅力満点もやっぱり長かった!(8月27-30日山行記録(5))
奥黒部ヒュッテに到着し、まずは小屋前の水場の水をがぶ飲み。冷たくてうまい。ついで顔を洗って、おまけに頭に水をかけて冷やす。気持ちいい。シャツも一度脱いで汗を絞る。受付をしに小屋に入ってひと声かけると、奥から小屋のおじさん(おじいさん)が出てきてくれた。おじさんの話では明日の天気予報は雨とのこと。まだ最後の渡し(17時20分)には余裕で間に合うから平ノ小屋まで行ったらどうかと勧めてくれる。商売っ気のない(親切な?)おじさんだ。(あとで平ノ小屋のおかみさんに聞いたところよくある話らしい。)
取りあえず、小屋前のベンチでカップ麺(リフィル)で昼食を取りながら考えることに。その間、おじさんとこれからのルートの話や今日読売新道を下る人たちのことなどダべりながら。おじいさんの話だと、17時20分の渡し船でも夕食は多分出してもらえるとのこと。"多分"というのが気にはなったが、いつものことのようで信用して大丈夫そうだった。
ここから平ノ渡しまではコースタイムで2時間。けっこうアスレチックな丸木の橋や階段があるらしい。明日本当に雨だとしたら、今日そういう個所を通過しておくのは安心だし、何より明日渡しの時間の制約を受けないので、時間的に余裕ができる。午前中には下山できるから、温泉にゆっくり入れるというのが魅力的。
疲労もなくはないし正直迷ったが、17時20分には時間はたっぷりあるので、出発することに決断。予備食のドライフードもあるので、最悪夕食が出してもらえなくても何とかなる。それに少し休んで昼食を取ると、思っていた以上に元気だ。13時50分、予定を変更して奥黒部ヒュッテを後にした。
まずは橋を渡って川を横切る。越えた先がちょっとわかりにくい? 左右とも道がありそうで、標識がない。地図、コンパスを見て迷いなく北側に。Epix(GPS)を見ても合っているようだ。このあたりは標高1500mくらいまで降りてきれいるので、14時ともなるとかなり暑い。ただ道は(今までに比べると)かなり歩きやすいし、平らなところが多い。
この橋を渡ってルートが続く 大きな上り下りと暑さが辛い
すぐに沢や崖部を越えるための登り下りの丸木でできた階段や切れ落ちたところの橋が連続するようになる。階段や橋自体は思ったよりもしっかりしていたが、踏み外すと大変だ。古いものが朽ち落ちていて、それが見えるのが恐怖心を助長する。
切れ落ちた斜面に架かるスリリングな木橋が続く
左下に朽ちた残骸があるのがわかるだろうか?
雨だといやなルートであることはたしか。今日のうちに通るのは正解のようだ。途中何ヶ所か水の出ている沢がある。結構飲みながら歩いた。冷たくて美味しい。
大きく登り下りして谷を巻く
見ていると頼りない木橋、空中を歩く
しだいに左側の断崖の下は黒部湖となる。湖岸に沿って曲がりくねり、上り下りが多い。思っていたよりもずっとタフな道だ。疲れはあるが不思議と登りは快調だった。ただ汗びっしょり。シャツも帽子も絞れば汗が。
緑色の黒部湖、船着き場はどこなのか見えない
渡しの時間を考えると時間的余裕はたっぷりあるので、ゆっくり慎重に歩いた。しかし思った以上に長い。そんなにペースは遅くないと思ったが、たっぷり2時間近くかかった。やっと渡し場らしい下に降りる階段と関西電力の案内板があったが、平ノ渡しとはどこにも書いていない。取りあえず降りてみたが、標識も時刻表もまったく何もない。おまけにこんなところに船がつけるのかと思うようなところ。心配になって、一度登り返して針ノ木谷側にもう少し行ってみる。と、平ノ渡しと書かれた看板があった。ただ、下る道にはロープが張られ、100メートル先(手前)という案内が。やっぱりさっきのところでよかったんだ。
旧船着き場へ降りるところの案内板、ロープで入れない
再び平ノ渡し場に着いたのが、15時52分。もちろんきまま仙人ひとりだ。約1時間半待ち時間がある。といってもゆっくり座るようなところもない。雨の中ここで待つのは辛そうだ。何とか大きな岩のところに腰を下ろして、最後のキウイでコーヒータイム。ぼんやり緑の湖面を眺めながら船を待った。ちなみにこの渡し場、携帯は通じない。またここからはダムも見えない。けっこう手持無沙汰。
こちらが今の船着き場の案内 船着き場には時刻表も案内も何もない
17時10分を過ぎたころ、やっと渡し船らしい船がこちらに来るのが見えた。ひと安心。何と船の先端から突っ込んでくるように接岸。船の先端から乗り込む。奥黒部ヒュッテのおじいさんの話の通り、平ノ小屋で夕食も出してもらえるようだ。(渡し船の中で確認してくれる。小屋の夕食は6時半からと山小屋としては遅い) ふぅ~。
船の先から乗り込む 夕方の湖面を船で移動、楽しい!
崖の上に平ノ小屋 小屋側はこんな感じ
小屋に着くと杉並の単独男性と同部屋。ひと部屋貸し切り状態のところに割り込んだから少し申し訳なかったかな。この日のお客は登山客が我々2人に、釣り客が3名。何と石鹸もおいてあるし、歯磨き粉もOKらしい。夕食時缶ビールで単独男性と祝杯!6人から8人くらい入れる部屋に2人のみ。広々と使えて快適。この日はお風呂は沸かしてもらえなかったが、お風呂がある日もあるらしい。
ちなみに小屋の人が無線で確認していたが、今日水晶小屋から読売新道をくだった残りの5名も、全員無事奥黒部ヒュッテに着いたらしい。
明日は雨でもまぁ何とでもなるコースのはず。くつろいで充実した今日のロングトレイルを想いながら眠りにつく。。。
続く。。。
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