平安密教の聖地のハシゴ、信仰の山の雪山ハイク(1月4日山行記録)
計画していたのは比良山系武奈ヶ岳。が、国道367号線は雪があり、少し凍った感じ。雪もぱらぱらと降っていた。車を停められるところに停めて、急遽再検討。この雪だと明日は新雪の稜線歩き。予報は悪くないが、風はやや強そう。
寒い雪山には慣れていないことや、正月諸々の疲れもあったので、割とあっさり武奈ヶ岳をギブアップ。急いでいろいろ検討したが、結局そこから近い比叡山(大比叡)に登ることにした。武奈ヶ岳は、また来年以降に取っておこう。2日の高野町石道に続いて平安密教の聖地のハシゴだ。
ケーブル坂本駅から少し離れた無料駐車場に車を停める。ここでもみぞれ交じりの雪が降っていてとにかく寒い。震えながら眠りについた。。。
○1月4日(木)曇り一時晴れ、一時雪
天気が悪かったら登らずに帰ろうかとも考えていたので、朝もすっきりしない感じにいつもよりゆっくり。車の屋根やボンネットには薄っすらと雪も積もっている。エンジンをかけて暖かくして二度寝。
7時半をまわった頃だったか、気付くと青空が出てきたので、急いで準備を始めた。8時34分。駐車場を出発。比叡山は比良山系のエアリアの外側で、地図はガイドブックのみ。比叡山高校の前を通り、日吉神社の入口付近の階段が登山口のようだ。駐車場からは5分ほど。念のためジョギングをしていた人に道を確認してから、いざ出発。
本坂入口、ここが登山道の入口
ぱらぱらと雪が落ちてくるのは、降っているからではなく、木々に積もった雪が風で落ちてきているよう。気にはならない。昨夜の雪は薄っすらと積もっているが、問題なし。むしろもう少し雪道を歩きたい気分。今回タイツは履いたが、雪山用のアウターではなく、秋用くらいのウェアにした。手袋もニットのもの。(ザックに雪山用の手袋も持参)
しばらくコンクリートの坂道を行くと、琵琶湖が望めるところがあった。まだまだ標高は低いが気持ちのいい眺めだ。が、このルート林間を行くので、その後の展望は良くない。ただその分風もないので、歩きはじめると寒さはまったくなく快適だった。空気の冷えた感じが心地いい。
琵琶湖が望めた、標高の割には高度感がある
少し行くと地道の緩やかな登山道になる。登山道には少し雪があるが、歩きにくいわけではない。後ろから比叡山高校の運動部らしき生徒たちが何人も足早に追い越していく。賑やかで微笑ましい。特に登山の格好でもなく、野球部の人たちはユニフォームにスパイクだった。彼らは延暦寺根本中道あたりまでだろうが、装備は安心して良さそうだ。
雪はあるが、歩きやすい
一時間くらい登ると、慈覚大師御廟というのがあり、このあたりから登山道は完全に雪で覆われる。ただ滑りやすい感じはなく、歩きやすい。ひと登りすると、法然堂、大書院とあり、9時50分 根本中堂に到着。まぁ慣れた人なら朝飯前の散歩だろう。根本中堂は改修工事中。観光客は多くはないものケーブルや車で来た人たちが何人もいる。延暦寺に来るのは大学生の時以来だ。
慈覚大師御廟、ここから先の道は真っ白
改修中の根本中堂
観光をするつもりもなかったので、まずは頂上大比叡を目指す。山頂を示す案内標識がないので、地図で確認、さらに売店に入って道を聞く。少しコンクリートの道を登り、阿弥陀堂、東塔へ。山頂へは、この東塔の裏側から登山道がある。ここだけしっかり案内標識があった。
東塔と阿弥陀堂
境内の通るところは除雪していたが、ここからは完全な雪道となる。深いところで30cmくらいだろうか。傾斜も少し急になるが、階段状になっているので、アイゼンは不要。できれば軽アイゼンでもアイゼンを付けて歩きたかったのだが。
前を見ると木漏れ日にキラキラと光るものが、ダイヤモンドダストだ。少しだが樹氷も楽しめる。写真を撮りながら30分弱、楽しい雪山ハイクだった。高野山では路肩に少し雪が残っている程度だったので、少し満足。
展望はないが、久々の雪山歩きが楽しい
木漏れ日にダイヤモンドダストが輝く(写真で見えるかな?)
アイゼンは不要だが、深い雪上歩きが楽しい
ここまでくると樹氷も綺麗
山頂付近にはテレビ中継施設があり、その奥の少し高くなったところが、848.1m比叡山の最高峰大比叡だ。10時30分、無事登頂。山頂には小さな手書きの山頂標識と三角点がある。木々に囲まれ展望は全くない。全く休んでいなかったので、サーモスの暑いお茶を飲み、バナナに小さなアンパンをひとつ。
三角点のある大比叡(848.1m)山頂
東塔からの往復の間に、登山者数組とすれ違った。服装からして観光客ではなさそうなので、そこそこ登っている人もあるようだ。
下山後知ったことだが、比叡山は京都側にもうひとつのピーク四明岳(838m)を持つ双耳峰のようだ。学生時代京都に住んでいたが、京都側から見るとひとつのピークしかないように見えるので、まったく知らなかった。ガイドブックにも観光案内のパンフレットにもまったく記載なし。わずかな距離のようだから頂上を踏んでおいてもよかったような気もする。
時間もあるし、横川までは少し遠いが西塔も行ってみようと戒壇院まで戻って西塔へ向かう。途中拝観の料金所のようなところがあり、料金を見ていたら「登山者の方はいいですよ。」と言って通してくれた。ラッキー。
山王院からちょっと滑りやすい長い階段を下り、浄土院(伝教大師御廟)を覗き、常行堂・法華堂の回廊をくぐっていく。冬の閑静なお寺の雰囲気を楽しみながらゆっくりと歩いて行くと、11時26分、西塔の釈迦堂に到着。ここでも手を合わせただけで早々に戻る。やはり登山の格好で観光は居心地がよくない。登山靴を脱ぐのも面倒なので、ほとんど中を見ることもなく、中を覗いて外から手を合わせただけ。
滑りやすい長い階段 西塔の中心、釈迦堂
帰路は、ケーブルの延暦寺駅の前を通り無動寺坂を下る。こちらの方が参道らしく、整備もされていた。雪がなくなってからは快適な下山道。ケーブル駅の前からは、綺麗に琵琶湖や近江の街が見下ろせる。
鳥居の奥がケーブル駅 整備された参道
落ち葉を踏みしめて歩くようなところは特に気持ちいい。明王堂をすぎ、辨天堂や紀貫之墳墓への分岐を分け、快適にくだる。
明王堂 残雪の残る落ち葉の道を下る
登ってくる人は少なく、数組だけだった。1時間ほどで13時10分舗装道(無動寺入口)に出た。駐車場はここからすぐだ。
チェーンゲートを超えると、舗装道はすぐ近くだ
13時14分、無事駐車場に戻る。4時間40分の快適な雪山ハイクでした。
おしまい。
| 固定リンク
コメント