狩野元信展
もちろん狩野派の中でも、永徳、探幽らにひけを取らない重要な一人。狩野派の基礎を築いた2代であることは知っていた。が、考えてみると今まで狩野派の絵師は全員、まとまってこれだけ見る機会がなかったように思う。
きまま仙人にとっては、元信だけに限らず狩野派の絵、あるいは大和絵や琳派などとの関連、しいては若冲らとの類似点まで、幅広く理解できるような展覧会だったように思う。
まず、勉強になったのは真体、行体、草体という画体。なかなか知識ではわかっていても、ピンと来ていない点もあったのがよく理解できたと思う。また和漢融合によって、それ以降の日本の絵画を大きく方向づけたこともわかった。
若冲も初期に狩野派で学んでいるが、元信らの孔雀や花、特に羽などを見ていると、若冲の鶏や花も全く独自のものではないこともわかる。そう琳派も。もちろん方向性は大きく違うのだが。
個々の絵に関しては省略するが、大仙院の四季花鳥図などは見ごたえがあった。細部描写は感動もの。
ひとつ複製画があった。(おそらく四季花鳥図屏風) 書かれた当時はこんなに色鮮やかだったのかと思うと、今の絵からの印象だけでは測れないものがある。金雲も使い方や文様的な波など、まさに大和絵か琳派かと思った。
いままでどちらかというと琳派や浮世絵などの方が興味あったけど、もう少し狩野派も勉強したいなと思わせる展覧会だった。
そんなに混んでなかったし、お勧めです。
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