虚空の旅人 上橋菜穂子著(感想)
主人公はバルサではなくチャグム。帝の名代として、チャグムがサンガル王国の新王即位ノ儀に出席し、大活躍するという痛快な一作。
この作品も、物語としては独立している。が、ここでサンガル王国やロタ王国の人とチャグムに関係ができていることが、実はそれ以降、特に「天と地の守り人」につながる重要な伏線となっている。そういう意味では、TVドラマがストーリーをいろいろ変えているのは、ひとつの要素として、この「虚空の旅人」を飛ばしたからではないだろうか?
シュガや敵方の呪術師が出てくるので、もちろんファンタジーではあるのだが、チャグムが主人公だけに、(たとえば夢の守り人などと比べ、)過度なファンタジー設定がなく、非常に読みやすく面白かった。
特にサンガル王国のサルーナ姫(次女)が非常にいい。きまま仙人の大好きなキャラクターだ。(これ以降のシリーズにほとんど登場しなかったのが、非常に残念なくらいだ。)
さて、いよいよ「天と地の守り人」全三巻に入ります。
| 固定リンク
コメント