最高の天気と展望、懐かしさと想定外の表銀座縦走(8月6-9日山行記録(5))
表銀座山行(8月6日~9日)の3日目。槍ヶ岳登頂後から。
8月8日(月) ヒュッテ大槍5:36-槍ヶ岳山荘6:17-槍ヶ岳6:37-槍ヶ岳山荘7:14-大喰岳7:45-中岳8:19-天狗原分岐9:03-天狗池10:37-槍沢ルート合流11:42-大曲り12:40-13:55槍沢ロッジ(泊)
Part1(1日目 中迫温泉~燕山荘)はここ
Part2(2日目 燕山荘~大天井岳)はここ
Part3(2日目 大天井岳~ヒュッテ大槍)はここ
Part4(3日目 ヒュッテ大槍~槍ヶ岳)はここ
Part6(4日目 槍沢ロッヂ~上高地)はここ
中岳付近からの槍ヶ岳、最高の展望!
天狗池に映る逆さ槍、この景色が見たかった
ここから3,000mの稜線散歩のスタート。7時14分、槍ヶ岳山荘を出発。と、ヒュッテ大槍で一緒だった親子連れも。聞くと、彼らもキレット越えのようです。みんなタフですねぇ。とはいえ、槍沢や天狗原へ下ると、上高地までの林道歩きがかったるいのもまた事実。
槍ヶ岳山荘をあとに
大喰岳への登り
ストックを出してゆっくり下り始める。きまま仙人がキレットを歩いたのは2004年だから12年前。大喰岳・中岳はその時以来です。ゆっくり登り返して7時45分、大喰岳(3101m)着。最高の天気、最高の展望で快適です。槍の形が変わっていくのが楽しい。どこから見ても槍はいいですねぇ。
大喰岳付近からの槍ヶ岳
大喰岳付近からの中岳方面
昨日はつりそうになった足も、ひと晩寝て疲労回復。心臓ともに快調。苦も無く登り返して、8時19分、3つ目の3000m峰 中岳(3084m)着。南岳やその奥の奥穂も近づいてきます。チングルマは既に綿毛。ミヤマリンドウやハクサンフウロ、ウサギギク、アオノツガザクラなどが見れました。
中岳を越えると南岳に登る緩やかな稜線が
鞍部付近から中岳、槍ヶ岳を振り返る
9時3分、天狗原の分岐まで気持ちいい稜線歩きでした。この日は、前日に比べると少し風があって、むしろそれが心地いいくらいでした。
天狗原分岐
分岐でしばし小休止。パンでエネルギー補給。それに急下降になるので、靴の紐をきつく締め直し。(したはずだったんですが、、、) ちょうど親子連れが後からきたので、手を振ってお別れ。稜線が名残惜しくて少しゆっくり。
9時15分、いよいよ下山開始。順調にいけば、槍沢ロッヂに泊まらず、一気に上高地まで降りてもいいかも。何ていう余裕というか、気も緩みも。
この天狗原から南岳付近への直登ルート、危険な感じではありませんが、なかなかの急下降。慎重に一歩づつ下っていく。梯子、鎖もあり、高度感があって、見晴らしもよく、いいコースだ。ただ、ここを登るのはなかなかタフだと思われる。かなり下っていくと大きな岩がごろごろしている岩場になってくる。天狗池はまだ見えない。
滑りやすい、かなり急な下り、鎖や梯子もある
槍沢上部のすり鉢状の地形は迫力
急下降を振り返って見上げる
かなり下りてきて、気を使う場所が終わったということで、ちょっと気を抜いてしまったか? ここで事故を起こしてしまう。何ということはない岩と岩の間と軽く飛ぶような、大股で越えるようにしたとき、、、ギクッ!
このあたりでやっちゃいましたT_T;
GWに四国でやった左足首を、また捻ってしまった。平らなところに倒れ込むようにしてしばらく痛みに耐える。恐る恐る触ってみるが、押すと痛い。歩けるだろうか? まずは冷静に。。。ゆっくり立ち上がってみると、痛いのは痛いが、まったく歩けないわけではなさそう。とにかく天狗池まで行こう。今回の山行、3つ目最大の誤算がこの捻挫のアクシデント。情けない。
南岳へ登るルート、登る人はヘルメット持参
天狗平付近から槍を見上げる
取りあえずダブルストックにして、手を使えるところは手も使いながらゆっくりゆっくり降りて行った。10時37分、天狗池到着。逆さ槍が池の水面に映り、絶好の条件、この上ない天気だ。が、ケガをしている分、心から楽しむ余裕がない。周りには槍沢ルートからピストンで立ち寄った人たちか、楽しそうに盛り上がっている。
天狗池に逆さ槍がくっきり、絵葉書のような好条件
きまま仙人はここで、予定通り小休止。まずは残っていた最後のキウイで元気を出す。とにかく槍沢のコースまで行けば、あとは大した道ではない。槍沢ロッヂまでとして、あと3~4キロくらいか。時間がかかってもいいから、とにかく降りよう。靴ひもを再度固く締め直す。意を決して、10時52分再び下山開始。
しばらく歩いていくと、痛みが麻痺していくような感じになる。痛いのだが歩ける。が、ここからは精神的に長かった。また暑かった。さらに誤算がもうひとつ。途中でマークを見落としたのか、正しいルートを外れてしまう。誤算4つ目だ。足のケガに気を取られてケアレスになったとしかいいようがない。槍沢ルートが遠目に見えていただけに、行けると思ってしまったところもある。岩の斜面を横切らないといけないところを、少し下ってしまった。先で合流できそうだったので、引き返さずにそのまま強引に並行して進み、岩のごろごろした沢を少し登り返して、11時42分槍沢ルートに合流。時間のロス以上に、こういうのはメンタルにダメージがあるなぁ。
槍沢を横切るようにして下山ルートに合流
槍沢ルートに無事合流したことで、気持ちの上ではひと安心。だが、むしろここからの方がさらし者のようで辛かった。多くの下山の登山者が追い越していくし、おそらくきまま仙人が足を引きずっている(痛めている)ことは後ろから見れば容易にわかるだろう。大した距離でもないし、さほど歩きにくい道でもない。それでもすごく長く感じた。特にキャンプ場から(0.9キロという標識あり)槍沢ロッヂまでは本当に長く感じた。
槍沢の下りは暑かった
13時55分、ほうほうのていで槍沢ロッヂ到着。当然ここでの宿泊以外に選択の余地はなかった。計画上は、南岳小屋か槍沢ロッヂに泊まる予定だったので、計画通りといえば計画通りだ。何はともあれ、まだこのくらいの時間に着けて良かったとしなければ。
やっと、槍沢ロッヂ到着
槍沢ロッヂに泊まるのも本当に久しぶり。期待外れだったのは、水が冷たくないこと。以前は水場の水が、もっと冷たくて美味しかった気がするのだが? 水のおいしさに水温は大きいと思う。
槍沢ロッヂにはお風呂がある。さすがに捻挫した足を温めるのはまずいだろうと思い、湯船には入らず左足首を避けて身体にお湯をかけて、汗だけ流した。それでもさっぱり。
夕食後は、明日の回復を祈って早々に眠りにつく。
つづく
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