最高の天気と展望、懐かしさと想定外の表銀座縦走(8月6-9日山行記録(2))
○8月7日(日)晴れ
早出する人も多いようで、気兼ねなく4時に起床。既に準備を始めている登山者も多い。外に出るとまだまだ満天の星。この季節に冬の星座オリオンが見えました。一度中に戻って、軽くパンを押し込み、再び東側のテラスでご来光を待つ。5時前、雲海から登るきれいな日の出でした。惜しいのは、燕山荘からは、東側にめぼしい山がなく、雲海から登る朝日となる。絵的(写真)には、やや単調だ。
雲海から登る朝日、今日もいい天気になりそう
朝日を受けた裏銀座の山並み、左:水晶、右:野口五郎
ご来光を見終わると、早々に5時14分出発。今日はヒュッテ大槍まで行くので、けっこう長丁場。時間的余裕はあまりない。気合を入れる。西岳まではストック(シングル)を使用。
スタート後は、爽やかな涼しい朝で気持ちがいい。展望も最高だし、快調に歩きはじめる。昨夜狭かったのは間違いないが、寝られなかったということはない。
まずは大天井岳を目指して、右奥は穂高
コマクサはともかく、花はけっして多くない。とはいえ、多くの花を見ることができた。既に盛夏の花というより、晩夏か秋の花に移り始めている感じだ。冬の雪が少なかったからだろうか。西岳までの間にトリカブト、チシマギキョウ、イワツメクサ、ヤマハハコ、コゴメグサ、ハクサンフウロ、ウサギギク、タカネナデシコ、オトギリソウ、ヨツバシオガマなどを見つけることができた。
5時51分蛙岩(げいろいわ)を通過。懐かしい。さらになだらかな起伏を越えていくと、6時13分大下り(の頭)。ザラっとしていて、少し滑りやすいので、慎重に下りていく。大下りといってもそれほどの標高を下るわけではない。(でも下るのはもったいない) 大天井岳が近く、大きくなっていく。もちろん槍ヶ岳も少しづつ近づいていく。表銀座のコースは、この槍を目指して歩いていく感じがすごくいい。
蛙岩と槍ヶ岳 蛙岩
鞍部からゆっくり登り返していく。マイペースを心がけて一歩づつ。ここから大天井岳への長ーい登りが続く。少し早く出たせいか人は多くない。というより、燕山荘宿泊者の多くの人は、燕岳だけで中房温泉からの往復のようだ。(車の人も多そうだからね) 途中小学生の男の子とお父さんの親子連れと休憩のタイミングで抜きつ抜かれつ。同じコースを行く人たちとは、何となく同志のような感覚が芽生えていく。
大天井岳(左)と槍ヶ岳(右)
大天井岳へ縦走路を行く
だんだん大天井岳が近づいてきた
展望も最高だし、登りではあるが、快適な縦走に大満足。6時24分為右衛門吊岩?通過。1時間ほど登っていくと、ん?渋滞? 下りの急なはしごがあり、少し人が詰まっていた。下を見ると喜作のレリーフがあるではないか。7時19分、切通岩到着。
切通岩を見下ろして
切通岩へ下る梯子は渋滞 喜作のレリーフ
まだまだ余裕があったし、この(渋滞の)人たちより先に行っておきたかったので、休憩を入れずに通過。さらに30分ほどで、7時24分大天井岳バイパスルートとの分岐に出る。迷いなく大天井岳へ向かう。
ちょっと人を追い越そうと急いだらザレ場で滑ってバランスを崩す。危ない危ない。。。ひと息入れて、大天荘への登りを行く。前回、ここでメンバーの息が上がったことを思い出す。今日の初めの大きなマイルストーンを間近にして、はやる気持ちを抑えながら着実に登っていく。近くなると大天荘まであとxxxmという標識が100mごとに付けられている。稜線(大天荘のあるところ)は見えているし、距離感はつかみやすい。ひと汗かいて、7時45分 大天荘到着。順調、順調。
大天井ヒュッテへの登り あとxxmの案内が力に
振り返ると歩いてきた稜線
大天井ヒュッテ、奥が山頂
食料もそのまま持っていきたかったので、ザックを背負ったまま休憩を入れずに大天井岳へ。7時53分、2922m 大天井岳(おてんしょうだけ)山頂到着。360度の大展望は本当に素晴らしい。ただ、やはり荷物は必要なもの以外は大天荘の前にデポして来ればよかった。無駄なエネルギーロスをしてしまったかな。
大天井岳からの槍穂連峰、手前の尾根は西岳への縦走路
硫黄尾根の奥に双六、三俣蓮華、中央 鷲羽岳、右に水晶、野口五郎
裏銀座の奥に(中央やや右)立山・剣岳、右に針ノ木岳、後立山の山々
槍が大きく、近くなってきました
東天井、横通、常念岳へと続く稜線
歩いてきた縦走路の奥には後立山連峰
朝食が少なかったこともあるので、きまま仙人ここでザックを下ろして軽い2度目の朝食。バナナに菓子パン、羊羹まで。疲れ切る前にエネルギーを補給しておかないと。山頂には年配の女性が一人。そのうち若者のグループも到着。何れも常念小屋からの往復とのこと。(常念小屋に連泊して、少ない荷物で1日で往復。そういうプランもあるんだ。きまま仙人も大天荘-常念小屋間は歩いたことがない。表銀座から常念、あるいは蝶まで行って下山するルートも有名だが、ここまでくるとやはり槍を選択してしまう。一ノ沢か三俣から常念小屋連泊というプランは、たしかに有りのような気がする。
感覚的には、ここまでが今日の予定の前半1/3。のんびりしている精神的余裕はなく、8時18分行動開始。
つづく
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