ポンピドゥー・センター傑作展
きまま仙人、実はパリのポンピドゥー(文化)センターに行ったことがある。今回調べなおしたら1989年だったので、27年も前。まだ20代だ。。。
イタリア出張(最初の年は約3か月)の帰りに2日ほどパリで休暇をもらって、ルーブル、オルセー、ピカソ美術館、そしてこのポンピドゥー文化センターの近代美術館とアート三昧だった。サクレ・クール寺院からモンマルトル、テアトル(テルトル)広場は歩きましたが、凱旋門もエッフェル塔もほとんどタクシーから眺めただけ。懐かしく思い出しました。
探してみると、ありました。27年前に買って帰った図録(英語版)。今回のポスターにあるピカソの「ミューズ」もちゃんと載っています。今回も覚えている作品も結構ありました。
27年前の図録、右下にPompidouとある
左上がピカソの「ミューズ」
さて、本題に戻ろう。今回の展示会、1906年から1977年まで、各年その年に制作された作品を1点ずつ、年代順に並べてある。しかも同じ作家は1回(1点)のみ。作品の他、作家の写真と作家の言葉、あと全作品(作家?)に短い解説が添えられている。あと映像(長いのは20数分)とかもあり、けっこう見るのに時間がかかった。
正直名前も知らない作家も多かった。もちろんピカソ、マティスはもちろん、フジタ、シャガール、レジェ、ローランサン、ブラック、ヴラマンク、デュシャン、マッソン、ビュフェ、ジャコメッティ、、、建築家のコルビジェや写真家のマン・レイなどそうそうたる名前が並ぶ。
キュービズム、フォービズム、シュールレアリズム、ヌーボーレアリズム、抽象絵画、彫刻、工芸デザイン、映像、、、と内容も多種多様。ひとりの作家の作品が1点ずつなので、正直作家の意図や作風はわかりにくい。一方で、多様な作品を年代順に並べると、時代の流れ、価値観の変遷、美術の進化のようなものは感じられるのが面白い。戦争について、いや反戦という芸術家たちの声も。
1945年だけは、音楽が流れているだけで、作品の展示がなかった。第二次世界大戦終戦の年。作品がないというのも印象深かった。
それに、久しぶりに混んでなくて、普通に見て回れる展覧会で、ゆっくり芸術に浸ることができたのがよかったかな。
久々に27年も前の古い図録をゆっくり眺めてみよう。
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コメント
こんにちは。
私もポンピドゥー・センター傑作展を見てきましたので、楽しくブログを拝見しました。今回は20世紀美術を制作年代順に配列されていて、作品はそれぞれ個性的で、そのうえ傑作ぞろいで、アートの様々な表現を楽しめました。120世紀美術を、○○派という画家のグループが定着して発展を溶けていったわけではなく、フォービズム、キュビズム、抽象芸術などいろいろな表現が挑戦され模索され、美術界は百花繚乱で混とんとしていた中で、たくさんの芸術家が様々な表現で自らの美意識を主張し合うっているのを肌で感じ、私も元気をもらいました。
今回ポンピドゥー・センター傑作展を見て、個々の作品の魅力を整理するとともに、20世紀美術の多様な表現の意味とその芸術の本質について考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
投稿: dezire | 2016年9月 8日 (木) 12時49分