« 足首に不安も、気持ちよく走れました! | トップページ | 奇想の系譜 辻惟雄著 »

2016年4月 5日 (火)

「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳わたしの国貞」展

週末、Bunkamura ザ・ミュージアムで国芳国貞展を見てきた。思っていた以上にいい作品がたくさんありました。ほんとに面白くて、楽しかったです。

Kuniyoshikunisada_2

 

丁度先月、辻惟雄さんの名著「奇想の系譜」を読んでいたので、急に国吉の実物を見たくて出かけた。他の展覧会に比べると、人もそこまで多くなく(ひょっとしてみんなは花見?)ゆっくり見ることができた。

行ってよかった第一は、展示品の質の高さ。さすがにボストン美術館所蔵品、保存状態がいいのはもちろん、摺が見事なものばかりだった。ぼかしも空摺りも、多くはなかったがキラ摺りも。紺だけでなく、赤とか他の色も鮮やかなものが多かったです。発売当時のもの(初摺り)はきれいだったんだなぁと改めて思います。

奇想の系譜に書かれているような、国芳の妖怪化け物系も面白かったですが、武者絵も素晴らしい。いや奇想どころか王道の人気作家だった部分もよくわかってよかったです。きまま仙人は水滸伝には詳しくないのですが、八犬伝や八百屋お七など場面のわかるものは、より楽しく見れます。リアルでその芝居を観たり、役者を知っていた江戸の人たちの喜びようが垣間見える気がしました。

国貞(二代豊国)の美人画も見事。個人的には顔は(浮世絵の美人画の顔は)それほど好きではないのですが、着物の、着物姿の美しさはすごいと思います。着物の柄など、細かくて繊細。よく版画で彫れるなぁと思います。

特に二幕目の一、三角関係世話物のコーナーにあった3枚つづりの役者絵「七代目市川團十郎の梅野小太郎行氏、二代目岩井粂三郎、三代目坂東三津五郎の鷲尾三郎」(No.40)は空摺り、キラ摺りも入った版で、特に艶やかで細かな着物が本当に素晴らしい。

Kunisada01

となりのNo.41(国貞)も国芳のNo.42もよかったです。わざわざ足を運んで一見の価値ありでした。

「奇想の系譜」の挿絵にも入っていた「鬼若丸と大緋鯉」や「讃岐院眷属をして為朝をすくう図」の鯉や大魚、「相馬の、、、」の髑髏の絵も実物で見ると楽しいですね。大判3枚を並べたサイズ感は本当に迫力があって、インパクトあります。

Kuniyoshi01

Kuniyoshi02

書ききれないですが、他にもいいのがたくさんありました。

江戸後期、風景画の広重、武者絵の国芳、美人画の国貞は伊達じゃないですね。今まで、北斎、広重、歌麿、写楽などは結構見たし、印象にも残っていますが、今回改めて国芳国貞2人良さや個性がわかったような気がします。

 

|

« 足首に不安も、気持ちよく走れました! | トップページ | 奇想の系譜 辻惟雄著 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳わたしの国貞」展:

« 足首に不安も、気持ちよく走れました! | トップページ | 奇想の系譜 辻惟雄著 »