紅葉と展望に大満足、越後三山最高峰中ノ岳から丹後山周回(10月10-11日山行記録(2))
風が少し強くて肌寒い。すぐにウールの山シャツを着こむ。山頂はまさに360度の大展望。北に越後駒ヶ岳、北西に八海山と越後三山が鎮座する。東側には鋭いピークを持つ荒沢岳。やはり格好いい。おととし暑い中登ったことが思い出される。南東に双耳峰の燧ヶ岳、その右手前は平ヶ岳か。会津駒や至仏山も見えているはずなのだが、同定できない。周回コースの兎岳から丹後山への稜線も一望。兎岳から荒沢岳に続く稜線もよく見える。荒沢岳へ続く山々が紅葉でいい色だ。巻機山や武尊山、守門岳なども見えていたはずなのだが。
ここまでエアリアのコースタイムは約8時間15分。実際の所要時間が4時間35分(休憩込)。いくら天候等の条件が良かったとはいえ、他の単独登山者2名も同じくらいのペースで来ているので、(少なくとも他のエリアと比較して)ちょっと甘すぎる設定といわざるを得ない。事前にネットでの情報収集もしていたので、想定の範囲内だったが、編集あるいは監修の方は考え直してもらいたいものだ。
2名の登山者の方は、やはり往復日帰りとのことで、ひと足早く下山された。きまま仙人は、頂上独り占めの中、大展望を堪能しながら小キジですっきり。見えている主要な山は登っている。残っている八海山も登らねば。。。低く見えるが、ギザギザピークは登頂欲をそそられる。
ここから丹後山の避難小屋までのコースタイムは4時間半。足に疲労感はあったが、体力的にもまだ余裕はある。コースタイムが甘いことを考えれば、多少バテてもアクシデントがなければ4時間あれば着くだろう。明日は雨の可能性が高いので、12時までに山頂を出発できるのなら今日のうちに丹後山まで行こうと考えていた。オプションのひとつとして考えていたプランだ。決してその場で安易に決めたのではない。11時7分、ゆっくりと丹後山へ向かう。
少し座り込んだことと、今日ほとんどなかった下りということで、ちょっとバランスが悪い。慎重に下り始めた。池ノ段で登りルートと分かれ、兎岳の方へ向かう。ここからは一気に静かな山旅になった。
池ノ段付近から、これから歩く丹後山への稜線
ルートは、思っていた以上に整備されている。多少枝が出っ張ったところや、少し濡れていて滑りやすい岩や根はあるが、危険と思えるような箇所はない。素晴らしいのは展望がいいことだ。アルプスの3000m級と比較しても遜色のない素晴らしい稜線歩きだ。風が気持ちいいが、少し強いのが気になる。帽子を留めておくクリップを装着。
前方から単独男性が来たので、しばし立ち話。中ノ岳-丹後山間では初めて人に会う。逆回りの人かと思いきや、荒沢岳からだという。しかもこのあと下山してしまう予定らしい。時間的には大丈夫だと思うが、かなりの健脚だ。ルートの情報交換をして分かれる。
中央兎岳、その奥には燧ヶ岳と平ヶ岳
左の尾根は荒沢岳へ、右の尾根は丹後山から巻機山へ
思っていた以上に下りが長く感じる。下りの方が気を遣う。最低鞍部を過ぎると、小さなアップダウンが続く。ひとつひとつは大したことはない。が、ボディブローのようにじわりじわり効いてくる。徐々にひざに疲労が、、、、少し不安に。ただ視界が良く、歩いている位置がおおよそ把握できるのがいい。
ずいぶん下った、振り返ると中ノ岳が大きい
荒沢岳から広がる山肌の紅葉が実に素晴らしい。谷には雪渓も残っているようだ。写真にはなかなか綺麗に収まってくれないのが残念。進行方向には燧の双耳峰が印象的。
紅葉の谷には雪渓も、左奥は荒沢岳
草紅葉も美しい
展望だけでなく、紅葉も楽しい稜線
奥が兎岳、その手前が小兎岳
小兎岳の登りで、また前からの登山者とすれ違う。彼も荒沢岳からとのこと。今日は中ノ岳の避難小屋泊の予定らしい。荒沢からの二人以外は、まったく人に合わない静かな稜線歩きだった。日程的に明日はもう少し人が増えるのだろう。
12時46分、小兎岳通過。標識はない。眼前に兎岳がどーんと構えている。よし、登り返すぞ! 兎岳(1926m)は、丹後山までは最高地点となるので、気合が入る。ここは思ったよりも下りが少なくてほっとする。一気に登り返して、荒沢岳への分岐を過ぎると、13時10分 1926m 兎岳山頂着。風がものすごく強い。
兎岳は笹に覆われた山頂部で、視界を邪魔するものがなく、展望が本当に素晴らしい。中ノ岳を中央に越後三山そろい踏み。左に八海山、右手に駒ヶ岳。荒沢岳も近いし、何といっても荒沢岳に続く稜線が魅力的だ。
兎岳山頂から、越後三山そろい踏み
遠く荒沢岳に続く稜線、いつかは歩いてみたい
丹後山方面に目をやると、これから歩いていくルートが確認でき、大水上山の先なだらかに稜線が続き、丹後山らしきところも確認できる。左手には燧や平ヶ岳、右奥には巻機山なども。至仏山や武尊山はどれだろう? 山が多すぎて簡単に同定できない。
中央付近が丹後山、右奥には遠く巻機山
左奥には燧ヶ岳、その手前には平ヶ岳
ただ、このとき強風がものすごかった。展望がいい分、逆に吹きざらしだ。汗が冷えるので、ウィンドブレーカーを着こむ。立っているのも踏ん張らないといけない感じ。時間的には余裕が出てきたし、もう少しのんびりしたかったが、、、風を避けたかったので、写真を撮って早々に移動。
ちなみに標識に「よく来たね」という手書きのものも掛かっていたのだが、兎岳だけあって可愛いウサギのイラスト付き。なごみます。
少し下って大水上山に登り返す。不思議なくらい登りは快調。むしろ下りの方がひざが辛かったくらい。山頂付近に着いた時に人の声が。。。13時43分、1831m大水上山着。山頂には2人の登山者がいた。しばらく人に会っていなかったので、ほっとする。さらに2名やってきて、ちょっと賑やかに。今日丹後山避難小屋に泊って、明日中ノ岳に行く予定の人たちらしい。時間があるのでここまで来たようだ。見える山の確認などで盛り上がる。小屋の水が使える(まだ十分ある)ことを聞いてひと安心。大水上山からも尾根が出ていて藤原岳などに続いている。が、地図上に登山道は記されていない。
大水上山からはなだらかな散歩道。の~んびり景色を見ながら歩いた。途中、利根川水源という碑がある。利根川はこの山から流れ出しているのか、少しだけ感動的。
大水上山山頂、後ろは中ノ岳 利根川水源の碑
大水上山からはなだらかな散歩道
紅葉の藤原山への尾根
14時22分、平らな山頂に丹後山の山頂標識がある。見るとすぐ先に可愛い小屋が。今日のねぐらだ。
14時23分、順調すぎるくらいのペースで丹後山避難小屋着。中ノ岳からは休憩込で3時間16分。やっぱりコースタイムは少し甘い? 明日は下山のみ。ここまで来れば、雨でも何とかなるだろう。気持的には余裕ができた。
今日はここまで。その3に続く。
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