中央アルプス北部、静かな森歩き経ヶ岳(9月20日山行記録(2))
七合目は小ピークになっている。だがここも木々で展望はない。ここは左の尾根にも獣道があり、標識も方向に関しては明確ではなかったので、小休止して地図を確認。やはり明瞭な登山道の右側ルートで問題なさそう。少し行くと赤いテープがあり、ひと安心。
三角点のある七合目
ガスは残るものの上には青空
少し緩やかに下るがほんのわずか。登り返して明るくなったと思ったら8時50分、八合目の小ピーク着。ここはコース中唯一といっていい開けた場所。本来なら中央アルプスが見えるらしいのだが、この日はガスでほとんど何も見えず。わずかに隣の黒沢山が望めた。天気予報ではこんなはずではなかったのに。
コース中唯一といっていい開けた八合目
ガスの中に黒沢山
展望はないが日が射してきて明るい。アザミやトリカブト、アキノキリンソウ、オヤマリンドウ、シモツケソウ、ノコンギクなどが咲いている。花は期待していなかったので、ちょっと得した気分。また紅葉というにはまだまだだが、秋の気配を感じられる色合いに変化しつつある。オレンジや赤に色付きはじめた木々を愛でながら歩くのが楽しい。ゆっくり楽しみながら歩を進める。だが再び森の中へ。
色付きはじめた木々を見ながら開けた道を行く
何種類かの赤い実も楽しい。ゴゼンタチバナやナナカマドなどはすぐにわかるのだが、イチゴのような実は何だろう? ヘビイチゴではないので、ヒメコウゾウかフユイチゴかノイチゴか? 同じものは山頂付近にもあった。それ以外にもよくわからない赤い実はいくつかありました。
シモツケソウ ホタルブクロ
ゴゼンタチバナ ??イチゴ?
山頂が近づくと、傾斜はなだらかになる。黒沢山への分岐を分け、さらに緩やかに林間を進む。気分的に余裕も出始める。10時19分、奥ノ院跡の九合目通過。ちょっした石仏がある。右手にルートを変えて少し下るが、ここも大した下りではない。
九合目の石仏
笹が生い茂る登山道を進み、色付きはじめた落葉松が目に留まるようになると、9時38分樹林の中2,296m経ヶ岳山頂着。
展望はない経ヶ岳山頂
経ヶ岳の山頂は、天気が良くても展望はない。長い距離歩いてきても、あまりご褒美のない山ではある。標識の他にユニークな石仏が迎えてくれる。小さなモヤイ像というかモジリアーニの女性のような像だ。となりの石柱には「経嶽天御中主神」と刻まれていて、山岳信仰の山であることがわかる。あたりはガスで少し白っぽく、いっそう幻想的な山頂であった。
ユニークな石仏?
きまま仙人が山頂についてほどなく、単独の男性が一人到着。しばし雑談。この方は写真を撮って早々に下山していった。きまま仙人は、せっかくなのでザックを下ろして、バナナ、パンでエネルギー補給。汗が少し冷えるが、風もないのでウインドブレーカーなどを出さなくても大丈夫。ナナカマドの赤い実や色付きはじめた落葉松などを見ながら静かな山頂を楽しむ。
落葉松も色付いて、、、
10時ちょうどに下山開始。往復コースは状況がわかっている分安心。時間的にも余裕があったので、マイペースで。
緩やかな笹の道を下山
下山時は何組かとすれ違ったが、それでも静かな山旅だった。シルバーウィークで、みんなアルプスに行っているのか? はたまた経ヶ岳はマイナーなので、いつも人が少ないのか?
九合目の小さな登りを一気に登り、花を見ながら下る。ゴゼンタチバナも赤い実をつけている。帰路はほとんど登り返しがないので、気分的にも楽。10時33分、八合目まで戻る。少し待ってみたが、なかなかガスが晴れそうな感じはない。わずかに黒沢山だろうか、近くのピークが望めたが、ついに中央アルプスの主峰たちは、その姿を見せてはくれなかった。
秋の花アザミ ノコンギク
ここからはひたすら下る。七合目、六合目と快調にスルーし、11時21分五合目着。ここでザックを下ろして小休止。レーションを口に入れエネルギー補修。そこからはほとんどノンストップ(けっして飛ばしたわけではない。)で、羽広観音まで。数組、(登山者ではない)観光客と思われる人もいた。羽広観音に無事下山できたことを感謝してお参りする。他も散策してみようかとも思ったが、結局パス。12時31分、無事スタートの考古資料館前の駐車場に戻った。
黄葉のイタヤカエデ?
駐車場は下界の暑さ。ガスもどこに行ったの?という好天。山の天気は難しい。駐車場からは、箕輪あたりか、街並みが見渡せる。今日一番の展望だった。
車で移動してすぐ近くの羽広温泉 みはらしの湯(600円)で汗を流す。休憩室から南アルプス南部が一望できるいい施設だ。ただ、入笠山あたりは山頂までくっきり見えていたが、鋸岳や甲斐駒、仙丈の山頂はやはり雲の中だった。
時間もあったので、ここでネットで明日登る予定の安平路山の情報収集。えっ?林道を車が通れない? 鎖をはずして通ることはできるようだが、ヤマレコなどで今年通ったという記録を見てみると、同乗者が押したとか、1か所落ちそうで怖かったとか、、、単独でなので、無理はしたくない。林道を歩くとするとコースタイムで4,5時間はかかりそう。ん~想定外のアクシデントだ。今回はパスしよう。
とりあえず、もうひとつ考えていた南アルプス最南端ともいえる池口岳に登ることに。ゆっくりしている余裕もなくなったので、早々に温泉をあとにした。
おしまい、池口岳山行記録に続く
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