画鬼 河鍋暁斎展
きまま仙人が河鍋暁斎の名前を意識するようになったのは、昨年1月に行ったクリーブランド美術館展での地獄太夫の絵を見てから。
日本画や浮世絵に今まで以上に興味を持ってみていると、河鍋暁斎という名前もちらほら見かけるようになった。今回は、そういう意味でも楽しみにしていた展覧会だった。
歌川国芳や狩野派に師事し、美人画、戯画、動物画、人物画、はたまた妖怪と描くものもさまざま。
画風も狩野派らしい日本画、水墨画、浮世絵、洋画風、、、
画題も書き方も本当に多岐に渡っていて、カテゴライズしにくい画家で、暁斎のオリジナリティとは何かが本当につかみにくい。巨大な猫や、幽霊骸骨など奇抜な絵が印象的だが、そういうものばかりではない。
たしかに巨大な猫、蛙を捕まえる猫や、相撲を取る蛙を見る女性の絵などを、まじめな絵に描くなど変わっている絵が多いのはたしか。奇抜な絵、遊び心のある絵はたしかにひとつの特徴だと思う。ただこれらの絵は変わっていて面白いとはいえ、それだけとも。。。
惺々狂斎画帖(三)
蛙を捕まえる猫図
美人観蛙戯図
一方で緻密な細かい絵も多い。地獄大夫の絵など、きまま仙人はこういう絵の方が好きだ。ささっと描かれた絵日記などを見ても、デッサン力というか、絵のうまさを感じる。もっとも下の地獄大夫の絵は、題材的には奇抜だが。。。
暁斎楽画第九号 地獄太夫 がいこつの遊戯ヲゆめに見る図
暁斎絵日記
最後に洋風な絵もひとつ挙げておこう。
河竹黙阿弥『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛の場
こういう引き出しの多い画家も珍しいともいえるので、これもオリジナリティかな。とにかくなかなか簡単には理解させてもらえない奥の深い暁斎展でした。
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