展望の帝釈山、山頂湿原の田代山、手軽に登れる奥日光の名山(8月15日山行記録(2))
湿原に別れを告げて帝釈山へ。一旦100mほど下る。そこからは樹林帯を小さな起伏をいくつか越えていく。このあたりからすれ違う登山者が増えてきた。馬坂峠の方から登ってきた人だろう。馬坂峠の方が標高が高いので、よりコースタイムが短い。
展望がない樹林帯をしばらく進む。少しずつ登っている感じ。苔むした感じのところがいい。樹林の間から帝釈山がかすかに望める。
木々の間から帝釈山が見える
田代山から一旦下る 苔の感じがいい
斜度が急になってくると、いよいよ帝釈山の登りだ。標高差が小さいので気分的に楽。大きな岩が出てきたら、最後は少し手も使って急登を頑張ると、9時6分、2060m帝釈山の山頂に出た。
展望のいい帝釈山山頂、三角点もある
山頂は広くはないが、ほぼ360度の展望が広がる。尾瀬や日光の山々が一望。山頂には既に単独行の男性が2人。見える山々の同定をしているところだった。きまま仙人も加わって、教えてもらう。日光の山々が近いが山頂部は雲の中。さっきは女峰山がみえていたのに。燧岳も会津駒も山頂部に雲がかかっていた。至仏山はどこなのかもわからないくらい。天気も良く、展望もいいのにちょっと惜しい。逆に考えると、山頂で雲がかかっていないのはここくらい。いい選択だったのかも。
気が付くと、奥白根はきれいに山頂まで見えていた。会津駒もまずまず。
奥白根山山頂はくっきり見えた
燧ヶ岳(右)山頂はガス、左奥が至仏山
馬坂峠をはさんで台倉高山方面
ザックを下ろしてゆっくりする。陽射しはまだまだ強いが、風もあり気持ちがいい。ぼんやり景色を眺めながら、パンなどでエネルギー補給。さすがにこのくらいのコースタイム、標高差だと楽ちんという感じはする。
しばらくゆっくりして雲が晴れるのを待ったが、燧岳や女峰山、男体山の山頂を望めることはなかった。至仏山は確認できず。
9時47分、下山にうつる。登ってきた道の往復だ。正面に見えるのが田代山と思われる。
田代山、左手に大きな崩落地がある
順調に1時間弱で10時40分、田代山の湿原(弘法大師堂)に戻る。ここまでくれば、あとは下るだけ。湿原端のベンチに座って小休止&エネルギー補給。思っていたより多くの登山者がいる。家族連れも。おそらく田代山までの人も多いのだろう。
木道が一本なので、一方通行も頷ける
なだらかな会津駒が印象的
花を見ながら、一方通行の木道をゆっくり散歩。帝釈山への分岐付近が、一番花がきれいだ。キンコウカ、イワショウブ。よく見るとモウセンゴケがたくさん。あと少ないがウサギギクやトキソウ、チングルマの種子を見つけた。
イワショウブ ウサギギク
食虫植物モウセンゴケ
少し下ると11時14分小田代。ここで気持ちのいい湿原ともお別れだ。
小田代、ここで湿原ともお別れ
11時1分、湿原をあとに。あとは一気に下った。階段状のところが多いので、下りは比較的に歩きやすい。
ダケカンバの樹林帯を下る
登山口の手前で、せっかくなので水場に立ち寄る。冷たくて美味しい。顔を洗って頭にもかけてすっきり。
水場 キバナニガナ
11時54分、無事登山口到着。さすがに今回は余裕。ちなみにこの時間から登り始める人もいたくらい。
帰路は迷わず北側、西那須野IC方面に。途中湯の花温泉で汗を流す。初め弘法の湯に行ったが、駐車場もなく通り過ぎてしまう。引き返して、弘法の湯近くの売店前に車を停めて、売店のおばさんに聞いてみた。湯の花温泉には4か所共同浴場があり、200円ですべては入れるらしい。(チケットはこの売店で購入)
まずは弘法の湯で汗を流す。ちょっと熱めで、日焼けした顔が少しヒリッとする。石鹸、シャンプー(浴場にはない)を持ってこなかったのは失敗だったが、いいお湯で、さっぱりできた。他も泉質は同じ、駐車場はないとのことだったので、弘法の湯だけで切り上げた。
湯の花温泉、弘法の湯
帝釈山は二百名山とはいえ、あまり知名度のない山だが、田代山とセットで見ると、非常にいい山だ。むしろ田代山がいい。アプローチが車でないと難しいし、未舗装道なのが理由のひとつか。ただ、だからこそ自然が守られているともいえる。
急遽決めた山行だったが、いい山旅だった。
おしまい
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