京都小旅行
そんなわけで、土曜日が丸々フリーになった。せっかくの機会なので、京都の行きたかったところを訪れてみることにした。行きたいところは多数あったのだが、今回選んだのは宇治の平等院と、三十三間堂の近くにある養源院。
平等院は改修してきれいになったし、澤田瞳子さんの「満る月の如し 仏師・定朝」を読んで、ぜひ定朝が作った阿弥陀如来をぜひ見たいと思っていた。もちろん学生の時に見ているはずなのだが、まったく記憶にない。
養源院は、最近のマイブーム琳派の影響から、俵屋宗達の杉戸絵、白象図や唐獅子図と宗達唯一の襖絵を生で見たかったから。京都駅までの時間も計算できる場所なので、待ち合わせの時間までの時間調整もしやすいので選んだ。
夜は前乗り組の高校の同級生おっさん2人と3人で京都の夜遊び。ただきまま仙人は医者から2週間酒を止められているので、1人ノンアルコール。いや、残念。ただ思った以上にノンアルコールビールが美味しいのに驚き。
日曜日は恒例になりそうな感じの京都ミニ同窓会。今回は嵯峨野。清涼寺、祇王寺、(工事中のため二尊院はパス、時間的に落柿舎もパス)常寂光寺とまわった。大河内山荘でお抹茶とお菓子で小休止して、昼食は松籟庵のお豆腐料理。昨年と同じ、京都在住のセミプロガイド付き。
あとはそのまま嵐山周辺で宴会へ。もちろんきまま仙人はここでもノンアルコール。
とにかく盛りだくさんの二日間の京都小旅行でした。歳を重ねるごとに、京都の良さがわかってきた感じがすごくします。
いくつか簡単に訪れたところの感想をアップします。
まずは平等院鳳凰堂。何といっても改修してすごくきれいでした。(正直言って、昔の印象はあんまり覚えていない) 丹土の赤は鮮やかで、黄土の黄や装飾金具の金が映えます。屋根上の鳳凰も金ピカ。初代の鳳凰や、雲中供養菩薩像の半数、国宝の梵鐘などは美術館の鳳翔館の方で間近に見られます。
鳳凰堂内は50人づつの予約制。でも今回定朝作の阿弥陀如来を見るのが目的だったので、当然中も見てきました。思っていたほど感動こそありませんでしたが、ふくよかな顔と少し眠そうな目、これが定朝かとしばし見入っていました。中でも面白かったのは、二重の天蓋。今回秘密兵器として、前々からほしかったギャラリースコープを購入して持参。役に立ちました。天蓋の螺鈿の部分など、肉眼だけでは見れないものが確認でき、ちょっとうれしかったかな。
宇治川周辺をぶらっと散歩して、宇治上神社を回って、京阪三条へ。結構時間が押したので、できれば立ち寄ろうと思っていた石峰寺はパス。七条まで電車で戻って養源院へ。
養源院はお勧めです。小さなお寺ではあるのですが、何といっても宗達の杉戸絵、特に白象2体はすごくいい。ダイナミックでデザイン的で、江戸初期の作品とは思えません。松の間も一見の価値あり。現存する宗達の唯一の襖絵があります。松の幹、葉、それに岩と琳派らしい構図、造形です。残念ながら、京狩野を代表する狩野山楽の唐獅子図は、修復のため見れませんでした。その他にも、鴬張りの廊下、血天井、浅井、豊臣、徳川、天皇家と絡むお寺の歴史も面白い。
2日目は約10名の団体さん。嵯峨嵐山から清涼寺へ。きまま仙人、この清涼寺というお寺、ほとんど知りませんでした。春と秋の「霊宝館 特別名宝展」の最終日だったので、せっかくだから見ようということに。光源氏のモデルの一人とされる源融(とおる)似の男前の阿弥陀如来や白象・唐獅子に乗った菩薩像など非常に面白かったです。探幽の花鳥図なんかも。そこまで人気のお寺でもないのに、国宝・重文ずらりです。さすがに京都。
清凉寺境内
そのあとは祇王寺に。きまま仙人、ここも初めてです。苔に新緑(既に終わり?)からの木漏れ日のお庭がいい感じ。もみじなどが多かったので、紅葉もいいだろうなぁという庭でした。草庵の吉野窓(丸い窓で格子が入っている)がまたいい。
祇王寺の苔の庭、奥が草庵
常寂光寺は学生の時以来。そのあと大河内山荘というところへ。ここは俳優大河内伝次郎の別荘とのことで、伝次郎自身がこだわって作った庭や建物とのこと。大河内伝次郎といわれてもきまま仙人世代にはなじみはない。でも山荘自体は、広くて比叡山や京都の展望がいいところもあり、散策するのに本当にいい庭園でした。1,000円はちょっと高いですが、お抹茶とお菓子(この日は鶴屋吉信の最中)が付くので悪くない。
大河内山荘のユニークな建物
あと松籟庵さんについて少しふれておこう。保津川を見下ろす場所にあり、お豆腐料理のランチ。お品書きは、
食前酒(梅酒)、豆腐(雪塩添)
八寸盛り
湯豆腐
揚げ出し豆腐
ご飯、香の物、ちりめん山椒
デザート 豆腐アイス(黒蜜、生八ッ橋添)
お酒がおいしそうだったなぁ。
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