梅雨の合間、雲上湿原アヤメ平から水芭蕉咲く尾瀬ヶ原散策(6月13日山行記録(2))
9時36分、竜宮十字路着。さすがにメインルートは観光客であふれている。竜宮十字路付近から池塘越しの至仏山はポスターなどにもなるビュースポット。期待していたが、そこの池塘にミズバショウはまったくなかった。。。ここじゃなかったのかなぁ? 期待してたのに。
空いているベンチがあったので、ザックを下ろして休憩。水分補給に、パン、おにぎりを食べてひと息。ここまでくれば急ぐこともない。人の多さに加えて、期待していた場所にミズバショウがなかったことで、テンションは上がらず。他の花がまだまだなのは想定通りなので、まぁ仕方ないか。至仏、燧ともにきれいに見えているものの、やはり天気がいいのでクリア感は少ない。いい景色なのだが、秋や早朝の尾瀬ヶ原を知っていると、やや物足らなさも。
竜宮十字路付近、人が多い
山ノ鼻に続くメインルート、至仏山がきれい
どこまで散策しようか迷う。取りあえず見晴からヨッピ橋の方を周回してみることにした。その前に竜宮でトイレに立ち寄る。幸いすぐに大の方が使え、何となく朝から中途半端だったお腹がすっきり。
花や水中の生き物を探しながらも、邪魔にならないようにさっさと進む。前面には燧のごつごつ頭がどしっとあり、尾瀬に来たなぁという感じ。陽射しが当たり、少し前まで雪上を歩いていたとは思えない暑さ。焼けそうだ。
とにかくタテヤマリンドウが目につく。リュウキンカもかなり咲いている。ニリンソウがきれいに咲いているところも。チングルマやヒメシャクナゲ、コバイケイソウ、ワタスゲなどはもう一歩かまだまだかな。最盛期はまだまだ先。ニッコウキスゲやオゼホウコネ、ヒツジグサなどは皆無。その他にも、オオタチツボスミレ、ミツバオウレン、下田代のあたりにはミツガシワの白い毛の生えたような花も見つかった。
リュウキンカ ニリンソウ
ミツガシワ オオタチツボスミレ?
ヒメシャクナゲ 木道脇に咲くタテヤマリンドウ
暑さや疲れもあるが、見晴十字路からさらに奥に行こうという気もせず、そのまま温泉分岐、東電小屋、ヨッピ橋へと散策。
見晴の近くにもミズバショウがきれいなところがありました。
右側はミズバショウの群生地
ヨッピ橋はきれいになってましたね。尾瀬ヶ原に限れば、前回来たのは2000年の7月。そりゃぁいろいろ新しくもなる。このあたり、山ノ鼻から見晴へのメインルートに比べると、やや人は少ない。後半は花を探すのにも疲れてきて、知らず知らず早足に。
見晴(下田代)十字路が見えてきた
ヨッピ橋からは直接山ノ鼻方面へのルートを取る。すごくゆっくりなのに道を譲ろうとしない人や迷惑を気にしないで写真を撮る人が多いのにうんざり。途中ちょっと周りを歩ける大きな池塘のところで、水面下を探すと、、、いたいた、まずイモリ(多分)。水面で反射してなかなか写真にはうまく撮れませんでしたが、見つけました。あとオニヤンマかな、大型のトンボのヤゴだと思うのが泳いでいました。この季節、尾瀬ヶ原でカエルの鳴き声のするところが多いのには驚きました。でも、カエルの姿はどこにも発見できず。
おそらく、イモリ
11時33分、牛首分岐(中田代三叉路)着。ここからメインルートに合流するので、さらに人が増える。山ノ鼻方面はほとんど数珠つなぎ。一本入れようかとも思ったが、ベンチも混んでいたのでスルー。
おそらく20人以上の団体さん(服装は観光客)とすれ違う。感じからすると渋滞しているだけではなくて、ワンパーティと思われた。数パーティーに分けてほしいなぁと思いつつすれ違うと、何と中国語が飛び交っている。銀座などだけではなく、尾瀬にも中国人団体ツアーが来るのか! と驚いていたら、何と3人ほど日傘を使っている。狭い木道で混んでいるときの日傘は危ない。注意しようかとも思ったが、止まると渋滞がひどくなるので一瞬躊躇したら、すれ違ってしまっていた。 プチ後悔。
基本のーんびり前の人について歩いていたが、あんまりかったるいグループは、前から人が来ないのを見て一気抜き。小川にかかる橋のあたりでは、川沿いにミズバショウがたくさん咲いている。絵的にはミズバショウはここが一番きれいだった。ちなみにプチうんちくをひとつ。ミズバショウの花は、中央のトウモロコシみたいなところにある小さく黄色いたくさんあるやつ。花だと思われている白い部分はガク(萼)。
小川のあたりにもミズバショウ 池塘と至仏山が合う
逆さ燧のビュースポットでは、当然1枚シャッターを切る。。。水面がもう少しフラットだったらなぁ。風が強かったわけではないが、水面が細かく揺れていて、きれいに逆さ燧が見えることはなかった。それでも、景色としてはグレートなビュースポットだ。
水面が波打って、少し惜しい逆さ燧
12時3分、山ノ鼻着。ものすごい人の数。案内所をのぞいてみたが、パンフは無料なものの、協力金を50円程度お願いしますとのこと。まぁパンフも作るコストがかかるから、お金を取るのは悪くないが、逆にお金を払うくらいなら山屋がわざわざ持って帰利たくなるようなものはなかった。
ひとつユニークだったのは、案内所の庇にイワツバメが巣を作っていた。誰でも覗けるように望遠鏡が設置されていた。せっかくなので覗いてみる。こういうのはなかなか見る機会がないのでうれしいですね。
山ノ鼻から鳩待峠までが、最後の、そして今日一番の登りとなる。ほとんど数珠つなぎ状態なので、普通に前の人について登る。このエリア、ちょっと今まで見なかった花が見られた。まずはシラネアオイ。大きな花がいくつも咲いていた。あとシロバナ・クロバナ両方のエンレイソウ、オオバキスミレ、サンカヨウどれも道端に可憐に咲いている。
シラネアオイ オオバキスミレ サンカヨウ
途中からばてたのだろうか、遅い人が増えてくる。また時間的に前からくる(鳩待峠から尾瀬ヶ原に向かう)人は多少少なくなって来た。心臓の調子も問題なさそうだったので、後半は観光客ごぼう抜き状態。前から人が来る間はゆっくり前の人について呼吸を整え、空いたところで小走りに一気抜き。もちろん危険のない範囲で。山屋ではない観光客の人たちなので、先に行ってもらうという発想がないのだろう。褒められたことではないが、これもやむなしか。
尾瀬ヶ原に出てから、明らかな登山者風の人たちか、向こうから声をかけてきた人以外には挨拶をしていなかった。多すぎて切りがないからだ。ちょっと続けて挨拶をすると、いわいる「こんにちは地獄」になる。このあたりは、久々に「こんにちは地獄」を味わった。
後半一気にペースを上げ、12時49分鳩待峠に戻った。ふぅ~満足。暑かったので、名物の花豆アイスを食べてみたいと思ったが、列ができていた。並んでまで買う気にもなれず、そのままバスのチケットを購入。早々に乗り込んだ。バスの中では例によってうつらうつら。。。
片品温泉あたりまで戻ろうかとも思ったが、駐車場近くの尾瀬ぷらり館 戸倉の湯へ。ところが聞いてみたところかなり混んでいるという。で、紹介してもらった同じ戸倉温泉の玉城屋さん(700円)へ。戸倉の湯と比べて200円高いだけだが、最初きまま仙人が入った時には貸し切り状態で、の~んびりできた。ただ惜しいのは露天風呂がないこと。やっぱり洗い場で並んだりはしたくないので仕方ないか。
今回ピークらしいピークは登っていない。山登りではなく、いわば山歩き、散策。しかし距離的には20キロを優に超え、なかなか歩きごたえはあった。天気にも恵まれ、ミズバショウをはじめとする花々に、至仏・燧の眺望、雪上歩きと、とても楽しい梅雨の合間の山旅になった。
おしまい
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