菱田春草展
HPには「菱田春草(1874-1911)は、日本近代の芸術家のなかで最も重要な人物の一人です。今秋、春草生誕140年を記念し、東京国立近代美術館に100点を超える作品を集めた大回顧展を開催します。」とあり、有名な画家のようだが、きまま仙人はTVを見るまで、名前すらよく知らなかった。
日曜日の午後だったが、驚いたのはすごく人が多かったこと。まさかこんなに人が見に来ているなんて。
チケットを買うのにも並び、重要文化財クラスの絵にも大勢の人が。それでもまぁそれ以外のところは、まずまず普通に見ることはできたかな。
王昭君
同じくHPによると、「線によって精神性を表わそうとした初期、色をぼかして空気を表現しようとしたいわゆる"朦朧体"の時期を経て、背景表現を抑制した装飾的な画風、、、、彼が行なった様々な絵画上の実験、、、」とあり、TVでも同様に紹介されていたが、今までの日本画にない、新たな絵画上の実験を試み、日本画の新しい表現を模索したようだ。
そういう意味では、面白くもあり、一作家の画風としては捉えどころがないようでもあり、何となく失敗?(実験という点では意味があるとは思うが)と思えるような絵もあり、なかなか楽しめた。
落葉
何といっても印象に残ったのはダントツで重要文化財の「黒き猫」だ。群を抜いていいと思った。幹や柏の葉は装飾的な感じで描かれているのに対して、黒猫はリアルに描かれていて、両耳がピンとたち、目が鋭く毛並みのぼかし方がうまい。また、柏の木の幹の曲がり方(構図)もいい。画面として、すごくいい感じがでている。他にも猫の作品が何点かあったが、やっぱりこれが群を抜いていい。
もうひとつ実物で見たかったのが、"朦朧体"といわれる絵。輪郭をはっきりさせなかったり、空や水面をぼかして、空気感や水面の揺らめきを表現している。たしかに面白さの感じる表現法だとは思う。たしかに微妙な?ものもあったが。
あと印象に残ったのは色遣いだ。西洋絵具も使っているということで、オレンジや(コバルト)ブルー、(ビリジアン)グリーンなど、日本画にはあまり使われていない、インパクトのある色が見に残っている。
秋の休日、なかなか楽しい展覧会だった。
あと、近代美術館の常設展示。久しぶりに見たら、展示レイアウトが変わっていましたね。ハイライトなんていうコーナーがあって、企画展に合わせて、年に4回くらい展示品を変えるとのこと。ちょっと新鮮でした。
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