チューリヒ美術館展 印象派からシュルレアリスムまで
もう2週間近く前になるが、国立新美術館にチューリヒ美術館展に行ってきた。(ひとつめの)台風前、芸術の秋という感じで、少し高尚な?文化的気分を味わってきた。
チューリヒ美術館は行ったこともないし、来る作品の作家名も有名どころ(モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、ダリ、クレー、、、)がずらり。これは絵画好きとしては、行かないわけにはいかない。で、土曜日早々に見にいってきた。朝一で少し並んで入ったが、人が多いなぁと思ったのはモネの部屋までで、あとは普通に余裕をもって見ることができた。
有名画家の作品が数点ずつ来ているので、ある意味教科書的に、以下のような多くの小部屋に分かれて展示されていた。新たな発見や、面白味という点には欠けるが、これだけのばらばらな名品群。きまま仙人は見やすい構成だったと思う。構成は以下のように、作家単独の「巨匠の部屋」と「時代の部屋」が混在する。
1.セガンティーニ
2.モネ
3.ポスト印象派
4.ホドラー
5.ナビ派
6.ムンク
7.表現主義
8.ココシュカ
9.フォーヴィズムとキュビズム
10.クレー
11.抽象絵画
12.シャガール
13.シュルレアリスム
14.ジャコメッティ
目玉のひとつは、モネの大きな睡蓮 "睡蓮の池、夕暮れ"。初めの部屋でセガンティーニの2点を見た後、正面に縦2m、幅6mの迫力ある画面が飛び込んでくる。ただ、、、きまま仙人の第一印象は、ぼやけた睡蓮の池だなぁ~。もちろん、モネの意図もわかるし、揺らめく夕暮れの水面を見事に表現していることを否定するつもりもない。人には見に行く価値ありというだろう。でも、どちらかというときまま仙人としては、好きな睡蓮かそうでない睡蓮かと聞かれたら、そうでない方にはいっちゃうかな。 モネは「国会議事堂、日没」などの方がいい感じだった。
モネ "睡蓮の池、夕暮れ"
ポスト印象派はゴッホ、セザンヌ、ゴーギャン、ルソーと、コメントはいらないだろう。こういう感じで展開していく。
ゴッホ "サント=マリーの白い小屋"
セザンヌ "サント=ヴィクトワール山"
「巨匠の部屋」で少し特徴的だったのが、ホドラーとココシュカ。どちらも名前は知っていたが、正直あまりよく知らない画家だ。ホドラーの水彩画的な淡い色合いの絵は印象に残った。"真実、第二ヴァージョン"は独特の緊張感というか不気味さのようなものがあり、風景画はシンプルでやさしい。特にスイスの風景画は山屋にとっては、それだけで興味が湧く。西洋美術館で今やっているホドラー展も行ってみたくなった。
ホドラー "真実、第二ヴァージョン"
一方ココシュカはゴチャットした印象で荒々しいタッチ。パッと見は難解。でもたしかにそこに面白味がある。
こういろんな名画が並ぶと、クレーやシャガールはやっぱりいい。安心して見れるし、リズムがあったり、ロマンを感じたり、色彩に面白さがあったり。眉間にしわを寄せてみる必要がなく、とにかく疲れないで楽しく見られる。
クレー "スーパーチェス"
シャガール "婚礼の光"
抽象絵画やシュールも各作家の作品を1,2点テンポよく展示してくれているので見やすい。カンディンスキーだ、モンドリアンだ、レジェだ、、、またダリだ、キリコだ、ミロだ、、、という間に進んでいく。何か自分の知識を確認しているだけ、テストというか復習のような感じもしなくはなかったが。
カンディンスキー "黒い色斑"
驚きはなくても、これだけの作品群、普通に楽しめるように展示してくれているのが何よりよかった。秋の一日、心に充実感が感じられ、何とも気持ちが豊かになる一日になった。
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