時計コレクション (92) Longines Chronograph (Cal.13ZN) Part1
久々に、この時計コレクションのコーナーをアップします。本当は100個目記念とか区切りにとっておきたかった1本だが、この時計に散財して以降新しい時計をほとんど購入していないので、そろそろ紹介したい。
ヴィンテージクロノグラフマニアの中でも、別格で人気のあるのが、このロンジン(Longines)のCal.13ZN (とその後継のCal.30CH)の入ったものではないだろうか。きまま仙人もずっと手に入れたいと思っていた一本だ。それだけに1回で終了するのはもったいないので、2回に分けて紹介したいと思う。
Part2はこちら
No.50で紹介した同じロンジンの30CH(13ZNの後継ムーブメント)搭載時計の回でも書いたが、13ZNの程度のいいものは本当に高額だった。一時は100万円をはるかに上回り200万円に手が届くような、、、、もはや手が出ないものと半ば諦めかけていた。が、これは!と思うこの一本を見つけた時に思い切って購入。
購入時はまだアベノミクス前、世の中の景気・株価が今ひとつだったせいか、また円高メリットのせいか、この手の時計も一時より価格が大幅下落。この1本を見つけた時に、今が入手するチャンスかもと思って、思い切って購入した。現状渡しで比較的安価に(もちろん高額だったが、過去の高値を知っているだけに、正直言うとめちゃくちゃ安いと思ってしまった値段だった。)。 ただその後しばらくは自宅の引出内で大事に眠ったまま。。。。今年、ダイワ時計さんにフルオーバーホール、洗浄とスケルトン裏蓋加工をお願いして、やっと完成。素晴らしい出来で、作成してもらったた裏蓋の色合いも、ケースととても合っている。
まずは裏からの写真を見てもらおう。
裏蓋加工後
こちらは洗浄、加工前
元々それなりにきれいではあったが、オーバーホール後は見違えるように美しくなった。裏スケで、その姿をいつでも堪能できるようになったのがうれしい。やはりこれだけの名機、裏スケにして未使用時は飾っておきたいものだ。せっかくなので、ベルトも交換。少し迷ったが、ワインレッドを選んでみた。こちらもなかなか合っていると思うのだが。
きまま仙人がはじめて13ZNに魅せられたのは、同じ時計マニアの方の所有品を見せてもらった時のこと。その金梨地仕上げ(粒金仕上げとも呼んでいる、全く同じなのかどうかは詳細不明)のあまりの美しさに驚愕した。見せてもらった1本も裏スケ加工済。その時から、13ZNを買うのなら、金梨地仕上げのそこそこ程度のいいものを裏スケにして、、、と決めていた。そういう意味では、今回はこの時計との"出会"というものがあったのかもしれない。
まずは時計について簡単に触れておこう。シリアル番号が670万台なので、製造年は1940年代前半(1940-1945)。(いろんなサイトで掲載されているが、ここやここ)を参照。ざっと今から70年前、戦時中に作られた時計ということになる。 18Kイエローゴールドの金無垢ラウンドケースに、珍しい装飾のラグが付いているのが特徴。このラグ結構気に入ってます。
ロンジンのこの頃の金無垢ものは、ベルト装着部がハメ殺しタイプになっているものが多いのですが、この時計はバネ棒式。(初め購入ショップの方も間違えていたくらい。) ケースとムーブのシリアル番号も一致しているし、状態などを見てもベルト、尾錠、風防以外はオリジナルだとみている。
裏蓋はスナップバック。裏蓋内側には、社名とシリアル番号以外にもいくつかの刻印が。まず18k、0.750、女性の横顔のホールマーク(Hallmark)はいずれも18K、75%純度の金であることを示すものだ。あと"MODELE DEPOSE" という刻印があるが、これは「意匠登録」という意味のようだ。わからないのは、一番下の "119"、台形のような形のなかに119と刻印されているもの。これは何を意味するのか? わかる方がいれば、ぜひご教授ください。
文字盤はシルバー地にタキメータ、テレメータ、秒目盛という3重のプリント。インダイヤルは3時位置に30分積算計、9時位置にスモセコという横2つ目。ヴィンテージらしいいいデザインだ。もう少し文字盤の状態がよかったらパーフェクトなのだが、経年変化で文字がうすくなってはいるものの、年代を感じさせる非常に味わい深いものとなっている。針はブルースチールの細めのリーフ針。ゴールドケース、シルバー文字盤ともマッチしていて、上品な感じだ。
ムーブメントはマニアがあこがれる名機13ZN。この機械については、次回ゆっくり書きたい。
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