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2014年8月19日 (火)

白馬岳・雪倉岳・朝日岳周回縦走(8月3-5日山行記録(4))

白馬岳・雪倉岳・朝日岳周回縦走山行記録のパート4、今回は朝日小屋からゴールの蓮華温泉まで
パート1:蓮華温泉~小蓮華山
パート2:小蓮華山~雪倉避難小屋
パート3:雪倉避難小屋~朝日小屋

花については、こちらを()。
蓮華温泉についてはこちら

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   朝日岳からの下り、展望、お花畑、雪渓、&光のカーテン

荷物を置いたら、小屋の前のベンチでコーヒー&パンで軽い軽い昼食。分岐で一緒になったテントの方がおられたので、ご一緒させてもらう。結局コーヒーだけでは終わらず、ウィスキーを少し分けていただく。非常に楽しいひと時でした。

朝日小屋で特筆すべきは、夕食のすばらしさ。(朝食も頼んだらよかったかな?) 唯一問題点は、そばアレルギーのきまま仙人の食べられないそばが出たこと。富山名産の魚(たしかカジキとか?)の昆布締め、ホタルイカの沖漬け、おでんの大根なども地元産とか。山小屋の夕食としてはトップレベル。いいとは聞いていましたが、感動の夕食でした。

朝日平は北又側に雪渓がまだ残り、雪解け水で湿ったエリアにはチングルマやハクサンイチゲ、イワイチョウなどがきれいだ。食後まだ明るかったので、しばし散策。北側には富山湾にそそぐ黒部川や遠く能登半島が見える。南東から南にかけては雪倉岳、白馬岳、旭岳と見えているはずなのだが、残念ながらこの日は山頂部は姿を隠したままだった。また朝日神社なる小さな鳥居もある。明日の無事の下山と好天を祈って手を合わせる。

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 朝日平を散策、奥が朝日岳  白馬連山の頂上部はガスの中

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   素晴らしい夕食      富山湾に沈む夕日

夕食後富山湾(能登半島)に沈む夕日を見ようとこころみたが、雲がありよく見れず。沈む瞬間ではないが、雲の切れ間からきれいに見えたタイミングがあったようだが、きまま仙人見逃してしまった。残念!

明日の天気を期待しつつ眠りにつく。午前3時ごろ、激しい雨で目を覚ますも、あとは爆睡 z z z

○8月5日(火)曇り一時晴れ

食料がたくさん残っていたので、小屋の朝食を頼まず、パンで軽く腹ごしらえ。早々に4時58分出発。朝日岳はきれいに見えているが、山頂部は雲がかかっている。白馬岳はやはり見えない。

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   まずは朝日岳を目指してスタート

マイペースながら順調に昨日下った朝日岳を登り返し、5時52分山頂着。展望は昨日とどっこいどっこい。白馬の山頂部はやっぱり雲がかかっているし、はるか下の海岸線は望める。おそらくあのあたりが栂海新道だろうという山々が見えた。

ただ風が少し気になったので、早々に山頂を後にする。少し行くと昨日登ってきたルートと蓮華温泉・栂海新道方面の分岐。蓮華温泉方面に向かう。ここからは広い尾根伝いの比較的緩やかな下りで、視界が開け、高度感のあるいいコース。花も多い。ハクサンイチゲ、チングルマ、イワイチョウ、シナノキンバイ、イワオウギ、ハクサンシャジン、、、もうかなり見慣れた花たちのお花畑が続く。雲の間から朝日がカーテンのように射すのが美しい。少し風が気になるのが玉にキズ。

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   お花畑の広い尾根を下る

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  中央 雪倉岳、重なるように奥に小蓮華山
  右端あたりが白馬岳、やはりガスの中

長栂山のなだらかな山容が見える。さらに行くと日本海を背に雪の残る朝日池も。タカネバラやシロウマアサツキ、タテヤマウツボグサ、ウルップソウ、カライトソウ、ホソバツメクサ、ミネウスユキソウ、タカネナデシコ、、、花をさがしては、写真を撮りながらマイペースで下っていく。

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  吹上のコル手前から、正面の平らな山は長栂山
    蓮華温泉への五輪尾根は右手

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  吹上のコル付近から雪の残る朝日池、奥には富山湾が見える

少しすると何人(何組)かが追い越していく。朝日小屋で朝食を食べてから出発した人たちのようだが、なかなかハイペースだ。どうもバスの時間(多分13時30分発)があるので、早めに下りたいらしい。蓮華温泉の野天風呂もまわりたいからかな。きまま仙人は、追いかけないでむしろゆっくり。

30分ほどで、6時32分吹き上げのコル(千代の吹上)着。名前の通り風が強い。ここが栂海新道との分岐点だ。きまま仙人もいつかは栂海新道を歩いてみたい。このあたりはハクサンシャジンとシモツケソウの赤青のお花畑。いい配色ですねぇ~。カライトソウなども印象的。

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     カラフルなお花畑

ここからさらに下ると大きな雪渓が。なるほど、ここが遅くまでアイゼンが必要なところなのだろう。ただ、この日はアイゼンなしでも全く問題なかった。雪渓を越えて少しいくと湿原があり木道が敷かれている。雪解け水のせせらぎも気持ちいい。木道の周りにはリュウキンカの黄色い花がきれいだ。もちろんハクサンイチゲやチングルマは言うに及ばず。ニッコウキスゲやヒオウギアヤメなども咲いている。しばらくは緩やかな散歩道。

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    大きな雪渓をトラバース   雪解け水がうまい

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  リュウキンカなどがきれいな湿原、しばらく行くと下りに

木道のあるところも多く、道は整備されている。五輪山を巻き、五輪尾根に進むと急な下りとなる。途中雪倉がきれいに見える水場がある。ベンチもあり小休止。コップが置いてあるので、飲んでみた。冷たくてすっごく美味しい。下ばかり見がちだが、時々振り返って雪倉や朝日を見上げる。1時間ほどで五輪の森という標識通過。

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   振り返って見る朝日岳      雪倉岳

さらにぐんぐん下ると目の前になだらかな高原が広がる。ここが五輪高原か。雲が無くて遠望が望めたらなぁと思う。木道や階段状のところを下っていくと8時2分、花園のベンチのところに着く。気持ちのいい休憩ポイントだ。ザックを降ろして小休止。バナナでエネルギー補給。ここはワタスゲが印象的。他にはワレモコウやカライトソウ、キンコウカなどが目に付く。

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    なだらかな五輪高原

ここから先の下りは長くて暑い。カモシカ坂の急坂をぐんぐん下る。このコース、体力的には今回のきまま仙人の回り方(蓮華温泉⇒白馬岳⇒朝日岳⇒蓮華温泉)の方が楽だと思う。逆回りは特に初日が長い。そして、ここからきまま仙人の想定外の苦戦が始まる。花園で既に標高は1750mほど。日が射すこともあり、下るにつれて暑さが増していく。さらに3日目に入り、疲労も溜まってきている。荷物は軽くなってきているとはいえ、依然重い。あっ、谷を挟んだところに建物が見える。蓮華温泉だ。大きく下ってから、あそこまで登り返すんだ。。。
まだまだゴールは近くはない。

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  木道を下る、谷を挟んで蓮華温泉も見えた

樹林帯に入ると、暑くてだんだん頭がぼーっとした感じが。やばい。。。たまに小さな登り返しもあるし、手を使うような急な下りもある。下りといえど、侮れない。沢でタオルを濡らして頭を冷やす。身体中汗びっしょり。このあたりからは目新しい花もなくなり、楽しみも少なくなる。まさに修行。ただアサギマダラが少し元気をくれた。

9時18分、何とか白高地沢のつり橋着。平らな岩に寝転がって休憩。かなりばててきていたこともあり、時間的には余裕があるので少し長めに(30分近くも)休憩して体力回復?

白高地沢を渡ってからも長い。小さなアップダウンを繰り返しながら下る。樹林帯で、ルートが曲がりくねっているので、どこを歩いているのかが把握しにくい。距離が長く感じる。途中何度も立ち止まって休みを入れつつ、ひたすら進む。10時半瀬戸川のつり橋(標高約1170m)に出た。いよいよここから最後の300mの登り返しだ。ここからはもう暑くてばてばて。少し登っては立ち止まり、また少し登っては立ち止まり。途中木道のところでザックを降ろして座り込む。何組かに追い越されていくが、なかなか動けない。木道を登っていくと徐々になだらかに。最後は一気に視界が開け、11時35分兵馬の平着。追い抜いて行ったグループがベンチで休んでいるが、きまま仙人景色を見る余裕もあまりなし。

兵馬の平は比較的背の高い植物の多い湿原。シモツケソウのピンクの花やギボウシなどが目立つ。さらに登るとアヤメ平。名前の通りヒオウギアヤメも咲く。こちらはこじんまりとした湿原。名前のわからないきれいなピンク色の小さな花が。何だろう? 帰宅後調べたら、イワアカバナのようだ。

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   瀬戸川の橋、ここから登り返し   兵馬の平の湿原

さらに登ると建物が見えてきた。どうやらキャンプ場。脇を通り抜けるとキャンプ場入口に飛び出す。実質ここが登山口で、ここから先は林道だ。最後の林道は緩やかな登りでかったるい。ふらふらになりながら、12時25分、蓮華温泉に到着。ふぅ~無事踏破したことに安堵。頭から水をかぶってしばらくひっくり返った。もちろん蓮華温泉(この日は内湯のみ)で3日間の汗を流して帰宅の途につきました。

今回天気予報には裏切られ、期待した展望も見られず、爽やかな北アの稜線歩きとはいきませんでした。それでも残雪が多かったせいか、この時期にしてはまだまだ花も多く、数えきれない種類の花に会うことができました。秘湯蓮華温泉も堪能でき充実の山旅となりました。

暑さに弱いのはもともとですが、最近心臓バクバクが前よりもひどくなったような気がする。気を付けないと。。。

おしまい。

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コメント

ブログ拝見しました。朝日小屋のベンチで一緒になった小野口と申します。
花の写真、沢山撮られてますね。綺麗です。

僕はあれから栂海新道~親不知と歩きましたが、
標高が下がったラスト2時間が肉体的、精神的にきつかったので、ゴールした時の満足度はかなり高かったです。

栂海山荘では親不知~上高地を目指す単独女性や(最終目的地は太平洋!!)、30年掛けてコツコツ太平洋から歩き繋いで、明日目的を達成する単独男性等、面白い方と出会いました。

後、例の韓国人グループ、親不知から入山したらしいのですが、地図を持たず、観光ホテルでコピーしてもらったと聞きました。
全くありえない話です。

身体が動く限り、これからもクライミングや山登りは続けて行きたいと思います。
また何処かでお会い出来たら楽しいですね。

投稿: 小野口 | 2014年8月24日 (日) 13時05分

小野口さま
コメントありがとうございます。&朝日小屋では楽しいひと時ありがとうございました。

やはり栂海新道は大変そうですが、面白そうですね。きまま仙人もぜひトライしてみたいと思います。

またどこかでお会いしたいものですね。
たまにはこのブログも覗いてみてください。

投稿: きまま仙人 | 2014年8月24日 (日) 21時15分

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