春を背負って(映画)
思った以上に雨が降っていたので、出かけるつもりだったが、パス。おなかの調子もまだまだ不安だし。
で、「春を背負って」を見てきた。映像もきれいで、十分楽しめたが、ストーリー的には地味な展開の映画だったなぁ。
原作は笹本稜平さんの同名小説。春に読んでいたものだ。「剣岳 点の記」の木村大作監督が映画化するというので、山の映像も楽しみだったので、ぜひ見たいと思っていた。
小説巻末の特別対談(木村監督と作者の笹本さん)に載っていたが、山小屋の場所が奥秩父から北アルプスの立山連峰に変更。景色の美しさとより厳しい自然の中の方が内容がいきるということらしい。山屋としては大満足だ。立山・剣や後立山の峰々、槍穂連峰、笠など名山を背景に見せてくれる。妙高や火打など頸木の山々が映っていることも。もちろん富士山も使われていた。長いレンズを使って撮っているところは、後ろの山が大きく映っているので、なかなか楽しい。
背景に山が映っているところでは、思わずどこの山かとかロケ地はどこだろうと考えてしまう。菫小屋として撮影に使った避難小屋の記憶は全くなかったが、おおよその場所がわかっているだけに、山の同定も難しくはない。
ストーリーはもともと短編で構成されているので、大きな盛り上がりがあるわけではないのだが、ほのぼのとした話が進む。映画では愛ちゃん(女性従業員、小説では美由紀)が父親の時から働いていたことや、ゴロさんが冬場はホームレスではないなど、場所以外の設定も展開もかなり変えている。とはいえ、原作の設定も不自然なところもなくはないので、むしろ自然に見ることができた。
俳優陣も好演だったと思う。ゴロさん(豊川悦司)の大阪弁がやや違和感あったが。ひとついうとすれば、あの天気なら倒れたゴロさんを運ぶのにヘリ使えよ、と思ってしまったが。。。その分感動薄くなるんですよね。
ストーリーに盛り上がりが少ないので、お勧めと絶賛する映画ではないが、山好きには映像を見に行くだけでも楽しいだろう。
| 固定リンク
コメント