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2014年3月26日 (水)

時計コレクション (91) MOERIS製 ニエロ象嵌の懐中時計(Moeris10型)

今日はアンティークウォッチ市でゲットした、象嵌がきれいなMOERIS(モリス または モーリス)の小さな懐中時計を紹介したい。女の子と奮発してフランス料理のコースを食べに行ったくらいの散在だったが、思った以上に興味深いものを入手できたと思う。

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何といっても特徴は黒金(といっていいのだと思う(ニエロ(Niello)、黒七宝))の象嵌(象眼)だが、こちらはあとで触れることにして、まずはMOERISというブランドから。

ネットで改めて調べたところ、MOERISは1893年にMoeri&Jeanneretという(前身の)会社としてスイスに設立され、最終的には1970年にTISSOT(ティソ)に合併吸収されたようだ。ストップウォッチやクロノグラフも作っていたとのこと。服部時計店でもモリスの時計が売られていたよう(当時のカタログに記載があるとのこと)で、セイコーやシチズンにムーブメントのパーツを供給していた時期もあるらしい。当時はかなり知名度のあるブランドだったようだ。

実際セイコーにはモリス型と呼ばれる腕時計用ムーブメントがある。トンボ本によると、1923年(大正12年)に先行試作されたセイコーの「グローリー9型」とモリス9型は非常によく似ており、本機のムーブメント(大きさからするとモリス10型or10 1/2?)とも基本的に同じだ。日本の時計にも影響を与えたムーブメントと言ってもいいのではないかと思われる。実際にサイズ的にもベルトさえ付けられれば腕時計サイズだ。

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中蓋には1906年のミラノ万国博の記載とメダル刻印があり、出展または何らかの受賞があったことを示しているのだろう。裏蓋の花装飾の感じはアール・ヌーボーっぽい。それらの情報と購入店の店主の見立てなどを考慮すると、1910年から20年くらい、おそらく1910年代前半の大正時代の製品ではないかと思われる。明治末期という可能性もあるにはあるが、きまま仙人は大正初期の物ではないかと考える。
おおよそ100年前の懐中時計、まさにアンティークウォッチだ。きまま仙人の時計コレクションの中でも最も古い機械式時計になるかもしれない。

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このムーブは、5振動/秒(18,000振動/時)、15石、耐震機構なし、チラネジテンプ、当然手巻。普通にリューズを一段引き上げて時刻合わせを行うタイプ。受け板にはコート・ド・ジュネーブがされているので、けっして廉価品ではないだろう。むしろ象嵌を含めて高級品の部類だったと思われる。ムーブにもMOERISの刻印がある。状態もまずまずで、精度も十分出ている。ちなみに販売店で昨年11月にオーバーホールされている。

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さて、いよいよ外観について。約30mmのケース径(クラウン、リング除く)と、懐中時計としては非常に小さくてかわいい。大きさ的には腕時計と変わらない。ダブルサンクの琺瑯(ポーセリン)文字盤(内側の円とインダイヤルが段があって下がっている。)で、100年経っていても非常にきれいだ。ひび割れもない。黒のブレゲ文字がアンティークらしい。針はスペードっぽいブルースチールだが、オリジナルかどうかまでは不明。ただ類似の針が付いたモリスの懐中時計の写真は見つかったので、オリジナルの可能性が高いと思われる。シンプルでいい顔だ。

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ケースは片蓋(オープンフェイス)だが、文字盤側も簡単に開く。メダルが刻印された中蓋があることは先に述べた。中蓋内側に0.900と横になったライオンマーク?があるので、90%の銀無垢ケースだ。もうひとつホールマークらしい刻印とシリアルナンバーらしきものがあるのだが、こちらはまだ解明できていない。

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裏蓋にはきれいなニエロの象嵌が施されており、何の花だろう? ローズゴールドに輝く花2輪が美しい。シルバー、ローズゴールドの2色なので、とても華やかさがある。背景は黒金でいい色に仕上げられている。

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少し傷(ニエロの欠け)があるのは惜しいが、目立つほどではなく、程度や装飾を考えると非常に安いと思ってついつい買ってしまった。

なかなか懐中時計を実際に使うことはないが、ちょっと持ち歩いてみたい気にさせるかわいい時計だ。この手の品物の相場には疎いが、とても楽しめる買い物だったと思う。

懐中時計は、腕時計に比べると、やや割安感がある。リピーターがひとつ欲しいなぁ。。。なんて病気の虫が頭をもたげそうで怖い。

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