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2014年2月 6日 (木)

草原の風 宮城谷昌光著

宮城谷昌光さんの「草原の風」を読んだ。上中下巻、3巻という長編だが、面白くて一気に読んだ。実に痛快、爽快な作品だった。

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宮城谷さんの作品は「孟嘗君」、「新三河物語」に続いて三作目。宮城谷さんといえば、何といっても中国の歴史もの。一度三国志も読んでみたいとは思っている。今回、「草原の風」が文庫化されたということで、本屋さんに平積みされていたので、手に取った。

中国史というと、「三国志」や「項羽と劉邦」などは読んでいたが、後漢を起こした光武帝・劉秀の話などはまったく知らなかった。劉秀という名前すら知らなかったといっていい。そういう意味ではすごく新鮮。宮城谷さんの創作部分もあるのだろうが、劉秀についていえば、三国志の英雄たちと比べても遜色のない魅力を持っている。大きなストーリは史実に基づいているのだろうが、この時代もとても面白い。ちなみに「柔よく剛を制す」という言葉は劉秀が残したものらしい。

この小説の中の劉秀はものすごくすばらしい人物として描かれている。農事の才があり、自ら率先して働く。偉ぶらず、寛容さがあり(兄の敵も赦すほど)、大胆かつ緻密、、、欠点のかけらもない聖人・徳のある人物となっている。こういう人物だからこそ、後漢を復興できたともいえるが、少々美化されすぎという気がしないでもなかった。だが劉秀という人物をここまで魅力的にすることによって、この作品全体がすがすがしい、気持ちのいい小説に仕上がっていると思う。

面白くて、一気に読んでしまったのだが、実は少々読みづらい。知らない中国人の名前や地名のオンパレード。しかも見たこともないような漢字もあれば、同じ性(たとえば劉)の人がものすごくたくさん出てくる。先を早く読みたくて、読み方を覚えないまま読み進めた人名・地名も。。。久しぶりに出てきた人などは、えっどこで出てきた人?なんてことも。

あといつも思うことだが、中国の歴史ものはとにかくスケールが大きい。日本の戦国時代などでは、兵の数数千~数万といったところだが、中国の場合数十万とか100万のオーダーだ。いつも思うが、よくもまぁこれだけの数の人を動かせるものだ。特に昆陽の戦いで、劉秀が少数(数千)で100万の大軍(実際戦闘兵は40~50万?)を打ち破るところなどは、痛快の極み。

歴史ものと言いながら、超人的なものも自然に組み込まれている。たとえば占いや白衣の老人に行先を教えられるなど。不思議と違和感なく読めた。

下巻に入り、天子になって以降、赤眉を打ち破るところなどは、ややあっけないというか駆け足の感がありますが、作者が本当に書きたかったのはそこまでだったのかなと思ってしまいます。あと、もし兄の劉エンが暗殺されなかったら、とか、信都へたどり着けずに亡くなっていたら、、、と思うと歴史の綾を感じます。

やはり三国志も読まないといかないかな。

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