「Kawaii 日本美術」展 山種美術館
Kawaii(かわいい)という展覧会のタイトルと内容がマッチしていたかは疑問ですが、いい感じで楽しめました。もっとも「樹花鳥獣図屏風」を見に行ったようなものなのですが、、、
残念だったのは、この美術館所蔵で有名な速水御舟の「炎」は展示されていなかったこと。ちょっと残念。
本展覧会は、
第1章 描かれた子供 -人物の中のKawaii
第2章 生きもの大集合 -動物の中のKawaii
第3章 小さい・ほのぼの・ユーモラス -Kawaiiってなに?
という構成
正直「Kawaii」が前面にでた作品選定とはいえないものも。ただひとつひとつは見応えのあるものが結構ありました。
まずは、お目当て伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」。左隻が鳳凰を中心とした鳥づくし。右隻が白象を中心とした動物づくし。桝目書きという独特の書き方で、銭湯の富士山ではないが、タイルで作った絵のような感じ。まず色がカラフル、ビビッドなのが驚き。その上動物、鳥たちがごちゃごちゃなくらいたくさんいて、おそらく虎やヒョウ、象なども見たことがないのだろう。どこか変で、なんとなくユーモラス。とにかくインパクトのある絵でした。この絵で若冲が何をしたかったのかなどは、全く計り知れませんが、強烈な印象を残してくれます。
後印象に残ったのは、川端龍子の「百子図」。象の周りにじゃれるように大勢の子供が戯れています。丸画面というのもありますが、
あとは竹内栖鳳などはもっと見てみたいと思いました。デザイン的な感性が面白いと感じたのと、何といっても横山大観と並ぶ巨匠、西洋の技法を取り入れた先駆者としても興味あります。
竹内栖鳳 「みゝずく」
その他、上村松園や奥村土牛、大観など、ゆったりと見れました。
あと図録がいいと思いました。A5サイズのちょっと小さいもので1,000円(消費税を入れて1,050円請求されたときはちょっと騙されたと思いましたが!)。最近の展覧会の図録は立派できれいなのはいいのですが、2,500円前後もして、ちょっと買いづらい。また大きくて電車の車内とかで見るには見づらいし、家でも保管場所に困る。また、退屈なページが多すぎる。その点、コンパクトで軽い解説のみに終始してあるのはいいと思った。きまま仙人は職場の机に月替わりで飾るのに、よくポストカードを買う。ポストカードが100円から150円することを考えれば安い。また、今回の展覧会は前後期で一部の絵が入れ替わる。今回みられなかった前期の絵も収録されている点はお得感もある。
最近日本画をもっと見たいと思うようになった。クリーブランド美術館展などもよかったが、肩ひじ張らずふらっと見ることができる展覧会だったと思う。
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