クリーブランド美術館展
海外美術館の展覧会だが、メインは平安から明治に至る日本美術の里帰り展。以前ならそこまで興味がなかったが、最近日本画も面白くなってきたので、立ち寄ってきた。
展覧会の内容の前に、入口での対応についてひとこと。チケットを買うためにセット券は自販機があるのだが、セット券を買う人はその時はほとんどいない。有人の窓口はひとつだけで、そこそこ長い列。まぁ待つのは多少仕方ないが、役に立たない整理係りばかり数名いるので、販売方法は見直してもらいたい。ただこれだけだとまぁ我慢するが、門から入るときにチケットの確認(もぎりではない)があるのだが、ここでも並ばされた上に係りの要領が悪すぎ。すばらしい絵を見る前に気分最悪。
クリーブランド美術館については、ほとんど前知識がなかったし、もちろん行ったこともない。米国オハイオ州にある美術館で、日本美術・東洋美術のコレクションも充実しているらしい。
で、本展覧会。これという目玉の一品があるわけではない。ただ良品、優品がわかりやすく展示されていた。教科書的ともいえるかな。
構成は4章立てで、
第一章 神・仏・人
第二章 花鳥風月
第三章 山水
終章 物語世界
となっている。
わかりやすいいい絵が多く、特に屏風に印象に残ったものが多い。いくつか挙げてみると、
○二河白道図 鎌倉時代
火と水の二河の間にある細い白道を渡り極楽浄土にたどり着くことができるという浄土信仰をわかりやすく図解したもの。古いもので、少し見辛いが、わかりやすくて面白い。
○地獄太夫図 河鍋暁斎
明治になってからの作品で、さすがに色鮮やか。見栄えのするきれいな1枚だ。何と言ってもあでやかな着物がすごい。
○龍虎図屏風 雪村周継
大胆な構図で、虎は猫のようでかわいく、龍は人間の顔のような感じで、どちらもユーモラスだ。非常にインパクトのある屏風だった。
○燕子花(カキツバタ)図屏風 渡辺始興
いかにも琳派という感じの金地にデザイン化されたカキツバタのあでやかな屏風。カキツバタ下部が書かれておらず、背景、空、地面が金地のベタ。配置も面白い。花葉もデザイン化されたシンプルな書き方が美しい。
○トラとバッファローの戦い アンリ・ルソー
最後に日本画だけでなく、近代西洋絵画の有名どころ4点(モリゾ、モネ、ピカソ、ルソー)も来ていた。ピカソの作品は18歳の時のもののようで、青の時代以前の若い時のもので、なかなか見ない一枚だと思う。やっぱり印象に残るのは、ルソーの「トラとバッファローの戦い」だったかな。
その後、東京国立博物館の常設展や、「博物館に初もうで」という企画展示(午に関するものやおめでたい絵など)を見て回る。トーハクの常設展は初めてではないが、量が多いので1日ではなかなか見きれず、今迄によく見ていなかったところを見て回った。等伯とか浮世絵とかいいものが多いですね。クリーブランド美術館展にあったものと対比してみると面白いものも。
結局4~5時間館内をぶらついた。結構疲れた~
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