時計コレクション (番外52) セイコーミュージアム
今、企画展の“セイコーの腕時計100年”も開催中ということもあり、ずっと行きたいと思っていた東向島にあるセイコーミュージアムに行ってきた。時間が無くて、資料室が見れなかったのは残念だが、無料のミュージアムながら、貴重なものや懐かしいものをいろいろ見ることができた。
このセイコーミュージアム(昔はセイコー時計資料館)は無料なのだが、完全予約制ということで、なかなか機会を作れずにいた。今回は急に思い立って、企画展もあるということで時計友を誘うこともなく、1人で予約。ミュージアムの方が説明についてくれるということなので、複数グループで一緒かと思いきや、マンツーマンで説明していただいた。いや~感謝感謝です。ちなみに借り物の1点を除いて、写真撮影も可能です。そうそうセイコーミュージアムということで、久しぶりにクラウンクロノ(ワンプッシュクロノ)をしていきました。
内容はセイコーの時計が中心かと思いきや、特に前半はセイコー以外の時計もたくさん。和時計のコレクションなどは、思っていた以上に素晴らしい。後半はさすがにセイコーの時計中心。セイコーの歴史を創業者の服部金太郎氏から振り返れる構成になっている。
企画展の“セイコーの腕時計100年”は国産初の腕時計ローレルの100周年にあたるからのようで、ローレルを中心にニューシャテル天文台のクロノメータコンテストの結果などが展示されている。どこからが常設で、どこからが企画展なのかよく覚えていませんが。クロノメータコンテストの結果はとても面白い。上位にある名前は、オメガやゼニス、ロンジンなど。きまま仙人も好きなブランドが並びます。
100周年のローレル、右は構成部品
コンテストの
結果
印象に残ったものをいくつか挙げてみよう。初めにあるのは、中国清朝時代の二面日時計から。今年北京の故宮博物院で見てきたものとほぼ同じ。(手動でしたが)ライトを切り替えることで、影の位置が変わっていくところも見れます。
夏冬で使う面の違う日時計 機械式以前の時計
その他初期のころのものとしては、香時計や線香時計、ランプ時計など。イギリスの塔時計などは、時打ちを実演してもらえました。もちろん時計好きのきまま仙人にとっては、既に知っている話も多かったですが、それでも興味深い話を親切に説明していただきました。
線香時計 油の量で測るランプ時計
懐中時計は欧州製で、七宝がきれいなものが何点かありました。点数は多くはなかったですが、見る価値のあるものがありました。鉄道時計は有名どころ米国製のHAMILTONやELGINなど。
ユニークだったのは、1870年ころのフランスのブロンズ人形不思議時計とかかれたミステリークロック。時計本体は台座の中なのに、振り子はブロンズ像が手に持っていて、どこから動力が伝わっているかわからないもの。実はよく見るとブロンズ像自体が左右に動いているんですね。面白い。
ユニークな
ミステリーウォッチ
2階にあがると、創業者服部金太郎氏と創業に関するコーナー。興味深かったのは、関東大震災の時に火事で預かっていた時計(懐中)が融けてしまったもの。ちょっとアートのよう。この時、伝票等の記録もなくなってしまっていたので、お客さんの預けていたという申告のみで、全員に新しい時計を進呈したらしい。いや立派!
関東大震災時に解けた時計 精工舎時代からの柱時計
そのあとは精工舎時代の八角やダルマの掛け時計など。精工舎の丸に四角を重ねてSの入ったマークは、ゼンマイを巻く穴の形から作られたなんていうプチ薀蓄も教えてもらいました。
和時計のコーナーもある。展示されているものだけでもかなりの数。国立科学博物館より見ごたえあるかも。実際に大名時計の1台は動かせていましたし、時打ちやアラームも聞かせてもらえました。特にミニチュアかと思うような小さなものが珍しかったです。手頃な値段だったら欲しいくらい。印籠時計や、根付などの日時計、江戸時代の万歩計(もちろん機械式)も珍しい。
和時計たち 日時計や万歩計
腕時計の時代になると、きまま仙人も知っているものが並びます。グランドセイコーやマーベル、クラウン、、、カウンタークロノも当然ありました。ものによっては当時の値段が記載されているのがいいですね。レディースのユニバースの値段が何とグランドセイコーとほぼ同じ。同じモデルではないので、一概に比較できませんが、祖母の時計はやはり高級品でした。(たしかにWG製なんです。) うちはそんな裕福な家ではなかったはずだし、どういう経緯で入手したものなのか謎のままです。このあたりレディースということもあり、写真を撮っていませんでした。ちょっと残念。クオーツの製造過程とかも面白かったですよ。
クオーツの製造過程
最後はオリンピックなどの競技の計測。時計と連動したスターティングブロックや、水泳の計測用のパネルなどもありました。
できれば今度は見れなかった資料室をゆっくり見たいなぁ。
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