秋空に聳える迫力の穂高、360度の大展望霞沢岳(9月27-28日山行記録(2))
○9月28日(土)晴れ
4時半少し前くらいから周りがごそごそ始める。両側の人がいなくなった(トイレ?)ので、予定より早かったが、このタイミングできまま仙人も起きることに。ザックは前夜のうちに旧棟に移しておいたので、小さなパンをひとつかじってささっと準備。既に何組かの人は出発していった。きまま仙人も5時7分、ヘッデンを点けて出発。薄っすら明るくなってきてはいるが、まだしばらくはヘッデンがあった方がいい。
上高地へ下る分岐を分け、初めは緩やかに登っていく。徐々に傾斜が増し、九十九折に高度を稼いでいく。残念ながら東側、日の出を望める場所が見つからない。日の出こそ見られなかったが、先行する年配の方に追いついたところからは、薄暗い中モルゲンロートに輝く前穂が見えた。神聖な感じで美しい! 凛とした空気感がいい。2人で立ち止まって何枚もシャッターを切った。
モルゲンロートに輝く穂高、厳粛な印象
後方を見ると木々の間から朝日が差し込んできた。ご来光、という感じではなかったものの、朝の神々しさを感じられる朝日だった。年配の方を追い越して先へ。このジャンクションピークへの登り登山道は、部分的に紅葉が始まりつつあった。赤い落ち葉や色づき始めた木々が秋を感じさせてくれる。歩いていると、寒くもなく爽やかないい感じ。改めて季節の移り変わりを感じる。
木々の間から
朝日が昇る
色づく木々
登山道は整備されていて、歩きやすい。もう少し展望があれば、というのは贅沢だろうか。1時間ほどで6時4分、ジャンクションピーク着。南から東側、八ヶ岳や浅間山方面の好展望台だ。今日は期待できそうだ。ここでヘッデンをはずし、薄いウィンドブレーカーを脱ぐ。
JPからの南アルプス、左端甲斐駒の後ろには富士山
JP、気に赤字で「JP」が、左の影はきまま仙人
ここから西へと連なる尾根に入る。もったいないが一旦下る。帰りはここを登り返すのかぁ。樹林帯でコースがなかなか見通せない。さすがに9月末、花はまったくない。飛ばしすぎないように、意識的にマイペースで下る。30分ほど行き、ここが小湿地かな?というところは、ちょっと大きな単なるぬかるみ。ただルートは歩きにくいところはほとんどない。
登り返しになってしばらく行くと、6時48分、赤いペンキで木の幹にP2と書かれたピークに着く。P1はジャンクションピークということなのか? ちょうどベンチのような木があったので、ここでちょっとザックを降ろしておにぎりでエネルギー補給。おにぎりはちょっとパサついていて、喉を通りにくい。
このあとP3,P4,P5と上り下りを繰り返すことになる。このコースがタフなのは、こういう登り返しが多いからだ。しかも帰りも戻ってこなくてはいけない。木々の間から前方に少し高い峰がいくつか見えるが、どれがK1でどれが霞沢岳なのか全くわからない。穂高方面もほとんど見えない。。。ひたすら前へ向かう。
P5を過ぎるとはっきりと前方の峰が確認できる。あれがK1だろう。登山者がいるのが見える。左手南側は崩落地。その先には乗鞍岳と御嶽が見えた。よしっ!
右は乗鞍岳、左奥が御嶽、3000mの両名峰
さらに行くと北側に角度の変わった穂高が望めた。格好いい! 一気に視界が開けたところが多くなり、展望を楽しみながら急登を登る。振り返ると、越えてきた樹林の尾根がよくわかる。けっこう歩いて来たなぁ。さらには昨日歩いた大滝槍見台、さらには大滝山から蝶ヶ岳に続く尾根も一望できる。
右がK1、中央K2、左のピークが霞沢岳
角度の変わった穂高がいい感じ
ナナカマドの実が
秋らしい
崩れやすいガレ場(少しザレ場)の急坂を一気に登りきると、8時17分大展望のK1到着。ここの登りだけはきつい、少し息が上がったか。穂高の展望はむしろ霞沢岳よりもK1の方がいいくらい。眼前に迫力の穂高が広がる。六百山は見下ろす感じ。岳沢や吊尾根もいい感じ。さらに西穂山荘からジャンダルム、奥穂へと続く縦走路もいい角度で見える。あそこを歩いた日も9月のこういう快晴の日だったなぁ。懐かしく思い出す。
岩に赤ペンキで
K1の文字
左が奥穂高山頂、右に吊尾根から前穂
ジャンダルムや岳沢ヒュッテも確認できる
登ってきた方向を見下ろすと、歩いてきた尾根が見渡せる。中央奥、尾根が右に伸びているところがジャンクションピーク。はるか先には八ヶ岳(右)や浅間山(左)が望める。
歩いてきた尾根を振り返る、中央奥がJP
槍ヶ岳は穂高に隠れて見えないが、右手側には表銀座の西岳あたりから大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳、大滝山と続く。穂高の左手側には抜戸岳や笠ヶ岳が連なる。
左.常念岳、右へ蝶槍、蝶ヶ岳と北ア人気の山々が
笠ヶ岳(左)もくっきり、右は抜戸岳
さらには焼岳を見下ろし、その左遠方には白山がくっきり。南西側にはK1よりも高いK2さらにその左奥に、目指す霞沢岳がやっとクリアに確認できた。まだ2つ登らないといけない。。。。
中央がK2、左奥に見えるのが霞沢岳
どうやら乗鞍はK2・霞沢岳に隠れているようで、御嶽がのぞいている。南側には中央アルプ、その左に南アルプスが連なる。さらには八ヶ岳、蓼科山、浅間山、四阿山。北アルプスのいいのは、おおよその見える山々が頭に入っていることだ。地図を見なくてもおおよそわかる。
写真を撮りながら少し長休止。ここで既に霞沢山から戻ってこられた方が一人。さらに小屋できまま仙人の隣だった方が追い越して行かれた。速い! 初めに追い越した高齢の方以来、ここまで誰にも会わない静かな山旅だったのにここからは結構人が多くなる。
ちょっと長くなったので、今日はここまで。続く。。。
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