奥秩父の秘峰、静かな山旅 和名倉山(白石山)(7月6日山行記録(2))
東仙波手前からは再びきまま仙人の方が前に。(昭島の方は時々立ち止まって無線交信されていた。) 東仙波で登山道は左手に曲がり、もったいないことに一度下る。風もあるので、ここからストックを使用。一旦下って登り返すと、展望のいいダケカンバの尾根を行く。ここは風が一番強く、風向きによっては呼吸がしにくいくらい。帽子が飛ぶのであわてて帽子止めを使用。いい場所なのだが、特に往路は風が強くて、写真を撮るのもそこそこに先を急いだ。後で確認したが、雲取山も甲武信岳もガスの中。
ダケカンバの尾根
吹上ノ頭?などいくつか(3つくらい)小ピークを越えて八百平へと進んでいく。天気がよくて風が無ければ気持ちのいい稜線歩きだ。高度感のあるようなところもあって楽しい。ダケカンバ、笹原、コメツガなどの針葉樹と植生が変わるのも変化がある。時々西から北や東側が望めるところもあるが、この日は残念だった。晴れていれば浅間山や遠く北アルプスも望めるようだ。
気持ちいい
稜線歩き
東仙波あたりから和名倉山山頂までは、テープによるマーキングはしっかりつけられている。が、標識類は相変わらずほとんどない。岩峰や展望のいいところは快適だが、樹林帯の中は距離が長く感じる。花もほとんど咲いていない。東仙波-川又分岐間は、走ろうと思えば走れるところはそこそこある。
順調に進み8時41分川又分岐着。東仙波-川又分岐間のエアリアのコースタイムは1時間40分。それを1時間02分で歩いた。またまた速い! 往路は走っていないし、それほど飛ばしたわけでも急いだわけでもない(たしかに風もあったのでさっさとは歩いたし、立ち止まるような時間は少なかった。)。写真を撮るために立ち止まった時間も含まれる。山ノ神土-東仙波-川又分岐間のエアリアのコースタイムはさすがに(それぞれの区間が)長すぎるように思う。これでは計画を立てる上で参考にならないどころか、良くない計画を作ってしまいかねない。きまま仙人も5時出ではなく6時出で充分だったと思った。エアリアに騙された感じ。昭文社の方、ここは安全サイドの時間設定などという安易な言い訳をせず、より正確な情報をお願いしたいと思う。
川又分岐
川又分岐から二瀬分岐の間で、1ヶ所わかりにくいところがあった。地図を見ると水場があるらしく、きまま仙人もテープをしっかり追っていたつもりだったが、その水場への小径に入ったようだ。テープのマークが見つからなくなったことと、山頂が近いはずなのに標高が上がっていかないことに何かおかしいぞと。少し戻って周りを確認すると、上の方に赤いテープが見つかった。細い道がついている分、ちょっと間違いやすい。ロスはせいぜい数分か。
二瀬分岐で秩父湖からのルートと一緒になり、東側に入っていく。途中千代蔵休ン場といういい感じのところがある。切り株が椅子のよう。昔、甲州側と秩父側の交流(物々交換や商い)がこの道を通じて行われており、ちょうど中間付近のここで千代蔵さんが休憩に使っていたことから付けられた名前らしい(民宿みはらしのおかぁさんの話)。緩やかになってから苔むした倒木の間を縫って少し行くと、9時13分、2036m和名倉山山頂到着。
千代蔵休ン場
苔むした倒木
山頂は樹林帯の中で展望はまったくない。三角点はあるが、比較的緩やかなところにある頂上で、山頂らしさもあまりない。ただここまで距離が長い分、達成感と安堵感はあったかな。程なく昭島の方も到着。しばし2人で歓談。山頂からさらに東側に行くルートがあるようだった。仁田小屋登山口を指す標識がある。エアリアを見ても点線の登山道すらない。おそらく雲取林道のどこかかから登るバリエーションルートがあるのだろう。
9時35分、展望もないので下山することに。途中千代蔵休ン場付近で二瀬から来られた単独行の男性とすれ違う。ずっと登りの道で大変だったようだが、ルート自体は踏み跡がちゃんとあったとのこと。さらに二瀬分岐を越えてしばらく行くと3人組が登ってきた。思ったよりも人が来ない山かもと思っていただけに驚き。この後単独の男性3名とすれ違った。この日山中で会ったのは、きまま仙人以外計8名だけだった。
復路は往路を戻るだけなので、気楽に快調に。吹上ノ頭のあたりはやはり風が強い。でも心持ち往路よりは緩やかになってきたか? 東仙波からカバアノ頭への稜線がいい感じ。ルートはなさそうだが、歩いてみたい感じがする斜面だ。
吹上の頭付近から
正面は白岩山
雲取はガスの中
東仙波(中央右)からカバアノ頭(左)、右は西仙波
東仙波の手前でやや苦しかったが、順調に10時57分東仙波到着。ここまで戻ってくると、気分的にはかなり余裕。
東仙波から西仙波方面
(左)中央痩せ尾根の奥、樹林のピークが西仙波
(右)右が西仙波、左端がリンノ峰
天気回復の兆しも感じられなかったし、景色のいいところは風も相変わらず強いので、休憩時間が極端に短い。思った以上に早く下山。11時ちょうどに山ノ神土着。
苔むした切り株
針葉樹の樹林を
抜けていく
少し行った牛王院平から七ツ石尾根に入る。上部で3回ほど鹿よけの柵の扉を開けて通る。思いの外しっかりと紐でくくってあるので、意外と不便。ただ確かに柵内はシロバナヘビイチゴやミヤキンポウゲ?など少しだが高山植物が咲いていた。今回花が少なかったのは、ひとつは鹿害なのね。
鹿よけの柵
シロバナヘビイチゴ ミヤマキンポウゲ?
この尾根道、傾斜も緩やかでガタガタも少ない。かなり疲労も出てきているので、ゆっくり下る方が精神的に疲れる。水が流れるように?を意識して、ゆっくりジョグで下った。山靴なのでスピードはだせないが、この区間半分くらいは走ったかな。適度な下りで、なかなか快適。一気に高度を下げる。エアリアにはこの区間だけのコースタイムが設定されていなかったが、結構いいペースで降りたと思う。ちなみに山ノ神土-登山口間のエアリアのコースタイムは1時間30分、それを1時間弱で下ったことになる。まぁこの区間はジョグしたから速いのは当然か。ちなみにこのルート、途中で脇道なのか分岐が2ヵ所ほどある。標識はない。基本的にまっすぐを選択すれば問題ないが、どこに通じているのか少し気になる。
気持ちいい
ハイキングコース
トレラン問題なし
牛王院下で林道に出ると、再度標識がないか確認。やっぱりなかったことは昨日書いたとおり。その後も快調に、13時05分民宿みはらしの駐車場に到着。駐車料を払いにいったらお茶を勧められ、しばし民宿みはらしの気さくなおかぁさんと話し込む。お茶、お煎餅、スモモは無料のようだった。スモモが美味しかったので、ことわって2つもいただきました。
民宿のおかぁさんに聞いた話をひとつ。昨年秋(9月まだ雪の降る前)将監小屋にテント泊した男性が、和名倉山に向かったまま行方不明らしい。そして今日、ご遺族が山に入られたようだ(きまま仙人は会わなかったと思う。)。男性は犬を連れていたらしいが、犬だけ約ひと月後戻ってきたとのこと。その犬は怖い思いをしたのか、案内させようとしても山に入らないという。そんなに危ない山には思えなかったが、身が引き締まる思いがした。
帰路、大菩薩の湯(600円)で汗を流して、のーんびり帰宅した。
おしまい。
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