プーシキン美術館展 フランス絵画300年
展覧会の構成は以下、
第1章 17-18世紀 古典主義、ロココ
第2章 19世紀前半 新古典主義、ロマン主義、自然主義
第3章 19世紀後半 印象主義、ポスト印象主義
第4章 20世紀 フォーヴィズム、キュビズム、エコール・ド・パリ
こういう展覧会は幅広い年代、主義の絵画が見られて、それはそれで面白い。もちろん1人の作家やxxx派といったテーマを絞った展覧会もより深く知ることができていいのだが、こういう展覧会は1枚1枚の名画と単純に対峙できるのがいい。
きまま仙人も第1章の古典主義の絵を見始めたときは、前半はちょっと退屈かも、、、と思ったくらい。おまけに絵の劣化のためか照明がやや暗い。絵は仕方ないにしても、タイトルや解説が読みにくかったのは考えてもらいたい。
が、見ていくと退屈どころかやっぱりいい絵はすばらしい。肌の感じや衣服や装飾品のディテールの描写など見入ってしまう。
前半で印象に残ったものを上げると、まずフランソワ・ブーシェの「ユピテルとカリスト」。肌の質感、透明感のある雰囲気、バランスのいい構図、、、ロココの傑作だ。どういう場面かということや、ユピテルの象徴である鷲が書き込まれている、、、なんていうのも重要かもしれないが、そんなことがわからなくても見とれてしまう。魅力的な1枚だった。
次にアングルの「聖杯の前の聖母」。何とも言えない表情が印象的なマリア様。暗闇の中、視線を下方の聖杯に向けた表情が浮かび上がっている。手の感じや、聖杯の上にコイン?が立っているような、不思議な場面が奇妙でもあり面白い。
後半に入り、印象派以降は一気に楽に見ることができる。ゴッホの「医師の肖像」やセザンヌの「パイプをくわえた男」などもよかったですが、やはり本展のポスターにも使われているルノアールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」は一見の価値あり。ルノアールの作品の中でもいい出来の1枚だと思います。ルノアールらしい明るさや華やかさが、十二分に感じられる1枚です。実際戻ってきて2度見して長時間眺めてました。
最後にアンリ・ルソーの「詩人に霊感を与えるミューズ」。原田マハさんの「楽園のカンヴァス」の中では、バーゼル市立美術館所蔵の同名の作品がでてきますが、思わずこれだぁ!と思ってしまいました。帰宅後調べてみると、花や木、細部は違いますが、構図も衣装も持ち物も同じなんですね。小説のことも思い出させてくれる興味深い1枚でした。
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