2年越しのリベンジ、強風と大展望の爺ヶ岳南尾根(4月28日山行記録(2))
ジャンクションピークは柏原新道からの支稜が南東側からの南尾根と合流するところだ。完全に森林限界を越え、いよいよ白銀の別世界。ジャンクションピークには人が大勢いたこともあり、休憩を取らずそのまま先へ進む。しばらく少しなだらかなところを越えるといよいよ頂上への登りとなる。
まさに雪山を進む
残り標高差約350m。南峰山頂部は見えたりガスで隠れたり。強風で雪が舞っているのが見える。右寄り(東側)雪面は雪庇のあるところも。北アルプスの稜線に立っていることに高揚感を覚える。まだアイゼンを付けていないし、他の登山者と同じように左寄り(西側)のガレ場の道を登る。強風のためか雪があまり積もっていない。あるいは雪がほとんどないところもある。
稜線はすごい強風
ゆっくりだが少しずつ高度を上げていく。幸い右手は復活してきていた。ひと安心。顔以外は寒いということはない。ところが断続的に横、いや左前から殴りつけるような強風。呼吸しにくかったり、バランスを崩したり、立っているのが精いっぱいの時も。思うようにペースが上がらない。フードの中のサングラスが曇る。まさに試練、修行。
ガレ場をアイゼンなしで
登る
休憩を1本入れる。強風の中、立ったまま休むのも落ち着かない。振り返るとジャンクションピークを見下ろす感じで、高度を上げていることが実感できる。高度感の感じられるいい眺めだ。遠くの槍穂連峰も大きくなってきた。風は非常に強いが天気は良くなってきている。左前方、ついに剣岳がそのギザギザの姿を見せた。夏とは印象が違うので、はじめは自信が持てず大竹さんに確認したほど。これだけの展望を見れたから、もうここから引き返して山頂に立てなくてもいいかな、強風にのって悪魔の声がささやく。誰か(言うとしたらイチしかいないが)が「登頂を諦めて引き返そう」とか、「ジャンクションピークで待っている」とか言ったら、きまま仙人も同調したかも。それほどきまま仙人もいっぱいいっぱいだった。
頂上が近くなり、大竹さんからアイゼンを付けようという指示。このとき武ちゃんのアイゼン大ボケ事件発生。装着後歩き始めようとしたら、武ちゃんのアイゼンがポロリ。どうも付け方をまるっきり間違えたらしい。武ちゃんらしからぬ、いや武ちゃんらしいミス。
アイゼン装着に苦戦
だんだん山頂が近づいてきたことはわかるが、山頂がどこなのかはわからない。しかし、、、きまま仙人の心臓バクバクが再び。パンやゼリー食、飴など補給をしてはいたが、シャリバテの感もややある。イチに追いつくのがきついときも。後ろから来た人に道を譲ると、その人も遅くて間が空いたり。。。ただ前の3人も強風やすれ違いのために止まるので、何とか追いつく。
ゆっくり一歩一歩登った。GPSの標高が山頂に近づいてきて、もう少しだとわかっていながらイチとの差が徐々に開いていく。それでもやっと、10時38分爺ヶ岳南峰(2660m)山頂着。大竹さんとハグするもまったく余裕なし。が、目の前に広がる大パノラマは、そんな疲れを吹き飛ばすに十分な圧巻な眺めだった。今日初めて見る双耳峰の鹿島槍はやはり格好いい。立山から剣岳、毛勝三山へもきれいに見えている。雪の北アルプスは夏に比べて谷や尾根のシャープさはないが、真っ白な峰々は濃い青の空とのコントラストがすごい。蓮華岳はどっしりと大きいし、針ノ木岳もくっきり見えている。その右、立山との間の奥には薬師岳も。東側には四阿山や浅間山も。
今日はここまでにして、少し大展望の写真を紹介します。
俊鋭な剣岳
立山
槍穂連峰もばっちり
左の白峰は大天井
双耳峰の鹿島槍
針ノ木の右奥には
薬師岳
爺ヶ岳中峰、
北峰(左)
つづく。。。
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