新緑、可憐な花々、岩場鎖場に好展望、秀麗な豊後富士・由布岳(5月5日山行記録(2))
この由布岳、御鉢めぐりといっても綺麗な円形の火口ではない。アップダウンもそこそこある。それでも時間、体力的にもまだまだ余裕があったので、躊躇なく御鉢めぐりをすることに。8時42分、西峰をあとに。しばらくは高度感のある稜線歩きのような感じで北側に下っていく。気持ちいい。下に見える岩稜帯を歩いている人が見える。結構下るんだ。 15分ほど下ったところがコル。
はじめは快適な稜線歩き 眼下の竜の背のような処を登る
ここからしばらくがちょっと楽しい岩稜帯歩き。昨日の大崩山に比べると全然余裕で楽しめる。ある程度岩場が歩ける人なら、今日の天気で危ないと思うようなところはほとんどなかった。ただ少し暑い。
これから岩稜帯に入る 西峰を見上げて
このあたりガイドブックによるとミヤマキリシマが多いようだが、花はおろか蕾すらまったくなかった。以前阿蘇の仙酔峡で見たときはGWといっても花がちらほら咲き始めていた。今年は花の開花が早いようなのになぜ? 蕾くらい少しはあってもいいのに。
このお鉢めぐりは進むにつれ景色ががらっと変わっていくのが面白い。ただ暑さもあり、このあたりの登りから徐々にきまま仙人に余裕がなくなる。正直GW前後半で5山行目。運転も車中泊もあり疲れもなかったわけではない。少しペースを落として、心臓の音を感じながらマイペースで登る。
登ってきた岩稜帯 分岐付近のピークに登り返す
お鉢めぐりの途中、東登山道分岐手前から、東峰(左)と西峰(右)
9時27分東登山道分岐。とりあえず東峰へ向かう。最後は少し心臓バクバクという感じだったが、ゆっくり進んで9時38分東峰(1582m)到着。
山頂には大勢の登山客がいた。おにぎりを食べながら小休止。風が心地よく最高の天気だった。うっすらと南西に九重連山、南には祖母山から傾山への山並みが。残念ながら写真ではよくわからないくらいかすかにしか見えない。東にはすぐ近くに鶴見岳。少し南側、うっすらと別府湾が見えた。それ以外は土地勘がないのでなかなかわからない。秋冬に登れば、もっとクリアに見えるのだろうなぁ。
高崎山の
左は別府湾
このままマタエに下って、朝登った正面登山道を下ると楽ちんだが、少々かったるい。分岐まで引き返して東登山道を下ることにする。が、この東登山道については情報不足だった。上部は鎖、ロープ、ハシゴのオンパレード。知っていれば逆回りの方が良かったのではないかと思う。
10時5分、東峰を出発。分岐から東登山道を下る。急だが道自体はしっかり整備されている。視界も開け高度感のある下りだ。下から登ってくる登山者がつらそうだ。登りの方が通りやすいと思うが、タフな登りではある。おまけにこの時間陽射しが暑い。一度はもうロープやハシゴも終わりかとストックをだしたが、すぐにまた長いロープ。登ってくる登山者に聞いてみると、まだまだこういう調子とのことでストックを再び収納。それでもぐんぐん高度を下げ、徐々に樹林帯の中へと入っていく。
高度感のある
東登山道
下の小山は
日向岳
鎖がわかるかな?
ロープ、鎖(しかも長いのが多い)のオンパレード
またまた見慣れない花発見! 感じはショウジョウバカマなのだが、白っぽくて薄紫がかっている。少なくともショウジョウバカマもピンクや赤っぽいイメージとは全く異なる。花びらもやや丸っぽい。しかもショウジョウバカマの花が沢山まとまって咲いているような個体はみつからない。帰宅後調べるとツクシショウジョウバカマ(筑紫ショウジョウバカマ)といい九州にはこちらの方が多いとか。
ツクシショウジョウバカマ ミツバツチグリ
下に降りるにつれ、緑がきれいになる。青空と強い日差しに照らされた新緑はきれいだ。が、歩くのが暑くなってくる。
新緑がきれい
結局1時間ほど歩いた11時19分日向岳分岐着。結構長かった印象で、日向岳に登り返すのはパス。自然観察路を正面登山口へと戻った。この自然観察路思ったよりも登り下りがある。苔むしたいい感じのところや新緑がきれいなところ。またスミレやジロボウエンゴサク、上にはツツジなどの花も楽しめる。由布岳には登らないと思える家族連れやカップルも見受けられた。
ジロボウエンゴサク ミツバツツジ
遊歩道は苔むした感じのところも多い
12時15分、観光客で賑わっている正面登山口到着。無事怪我もなくGWの山行完了でーす。正直少しほっとしました。
何度でも
振り返りたい、、
何枚も
撮りたい、、、
帰路やまなみハイウェイの狭霧台というビュースポットから由布岳を撮影。たしかに西峰、東峰が双耳峰のように見える。
狭霧台からの
由布岳
この由布岳、アクセスもいいし、麓からの眺めもいい。由布院や別府の温泉も近い。登っても花、展望、鎖やロープ。いろんな人がいろんな楽しみのできるいい山だと思います。近くにこういう山があるといいですね。
下山後、渋滞の由布院を抜け、宝泉寺温泉へ。大した温泉街も土産物屋すらない温泉地ですが、いいお湯とのーんびりくつろげる感じが良かったです。きまま仙人は由布院も別府も泊まったことがないのですが、人の多いところよりは良かったかな。
このGW、前半は信州の京ヶ倉と爺ヶ岳南尾根、後半は九州の二百名山3座、英彦山、大崩山、由布岳。多少曇ったこともありましたが、5日ともいい天気に恵まれ本当にラッキーでした。日頃単独行が多いきまま仙人にとって、前後半ともパーティーだったことも楽しかったです。
たしかに日程的にハードな部分や、アクシデントも有り、正直かなり疲れましたが、本当に楽しい思い出深い山行になりました。
完
| 固定リンク
コメント