2年越しのリベンジ、強風と大展望の爺ヶ岳南尾根(4月28日山行記録(1))
念のため今回もコースとコースタイムを再掲しておく。
扇沢爺ヶ岳登山口5:33-八ツ見ベンチ6:14-ジャンクションピーク9:01-10:38爺ヶ岳南峰10:52-11:32昼食12:02-ジャンクションピーク12:18-八ツ見ベンチ13:56-14:49扇沢爺ヶ岳登山口
○4月28日(日)曇りのち晴れ
メンバー:大竹さん、武ちゃん、イチ、きまま仙人
前夜は8時就寝。今朝は4時起きの4時半出。天気予報もまずまず。不安は残るものの大竹リーダー登頂を決断!
5時頃扇沢の登山口に着く。道を渡った真ん前の駐車場こそ空いていなかったが、橋を渡ったところはまだ数台は余裕があった。駐車場は一面雪で真っ白。前夜降ったのかもしれない。ここで初めの事件発生! 奥の空いたスペースに停めようと進むと、ガクン。 車の左前輪が溝にはまってしまった。(脱輪事件) 雪で溝がよく見えなかったためだ。 運転手の イチ 以外外に出て、他の登山者にも手伝ってもらって前から押しながらバック、、、、何とか無事脱出できてひと安心。JAFでも呼ぶ羽目になっていたらと思うとラッキーでした。
他にも準備をしているパーティー多数。きまま仙人らも準備をして5時半前には出発(扇沢登山口登山届ポスト5時33分)。日陰になっていることもありまだまだ薄暗い。登山口には長々と手書きの注意書きの看板が。昨年もきまま仙人らは行き先を変更したが、ここで死亡事故が起こっている。安易な登山者も多いのだろう。順番はこの日も同じ、先頭大竹さんのあとを武ちゃん、イチ、きまま仙人と続く。
扇沢の登山口から一面の雪 手書きで細かな注意書きが
アイゼンは付けず大竹さん以外はストックで歩き始める。大竹さんは燕岳の時と同じ渋くて長い木製のピッケル。ちなみに今回イチの新兵器はダブルストック。昨日の京ヶ倉山行でも使っていたが、これがどうもトレッキング(ウォーキング?)用ではあるが山用ではないようだ。2段式(長さの調節が1か所)であまり短くならないので使わない時が不便。先のゴムも団子のような球に近く、先端付近のわっか(リング、雪輪)がない。このストック、後々話題を提供してくれることに。
雪は深いところもあったが、つぼ足で問題なし。わかんをザックに付けているパーティもいたが、この日に限り爺ヶ岳往復にはわかんは必要なかった。雪は新雪のようできれい。どちらかというと歩きやすい雪だった。先行グループのおかげで踏み跡もしっかりあったし、テープなどもあり、ルート自体はまずまずはっきりしている方だと思います。歩きだすと身体も温まり、寒いということもなく、スタートはまずまず順調。ただ鼻水が、、、
雪は深いがトレースもあり歩きやすい 稜線から出る朝日に向かって
柏原新道は夏に何度か通っているとはいえ、無積雪期とは印象は全く別の道。稜線から朝日が顔を出すのを見ながら雪山を登っていく。40分ほど歩いた6時14分、八ッ見ベンチ着。が、展望はさえず八ヶ岳は確認できない。ここで初めの休憩。イチや武ちゃんはここで朝飯のおにぎり。きまま仙人は昨夜もたっぷり食べていたので、今ひとつ空腹感がなく小さなパンをひとつのみ。
八ッ見ベンチから少し行くと南尾根への取付き(看板有)。おそらくここから柏原新道と分かれるのではと思われる。延々と尾根筋の樹林帯を登る。ときどきずぼっと踏み抜くような箇所があるが、前を行く重量のある武ちゃんが大丈夫だったところを通ればほぼ平気。
ここから南尾根ルート 朝日に輝く雪面がいい
ここで2つめの事件が。武ちゃん流血事件! 大竹さんが振り返ると武ちゃんの顔面に流血が、、、それもプロレスラーが額を切った時のような血の筋が。一同びっくり。。。しかし当の武ちゃん、自分では気が付かず平然としていた。どうも木の枝でも当って切れただけのようだ。見かけよりも軽傷でひと安心。残念ながら写真を撮り忘れ。
西側、爺から針ノ木、蓮華に続く稜線は見えているものの、針ノ木岳のピークはガスの中。下に目をやると扇沢駅が小さくなっていく。
今回きまま仙人は手袋だけは侮った。2年前の燕岳の時は軍手のようなものだけで十分だった。今回は化繊の手袋の上に夏秋雨用とでもいうような手袋を重ねて着用。手の甲側は防水性だが、手のひら側は革製だ。極力濡らさないように、雪面に手をつかないように気を付けて登る。使わなくても持ってくるべきだった。(もしくは適当なものを購入すべきだった。) しかしどこかで濡らしてしまったのか、徐々にきまま仙人の右手がピンチに。親指と人差し指の感覚が明らかに変。手袋の中でグー・パーを繰り返したり、左手でこすったりして凍傷にならないように。まだまだ先が長いだけにやや不安に。
リーダー大竹さんのコントロールで、ほぼ1時間毎に休憩。2度目か3度目の休憩時に大竹さんから、「靴とか手袋とか異常のある人はいませんか?」と、、、きまま仙人申告せず。(言い訳はあるが、まぁ結果オーライでほめられたことではない。)
しかし、下山後わかったことだが、イチの手袋もきまま仙人同様に雪山用ではなかった。大竹さんはザックの中には別のちゃんとしたものを持っていたらしいが、やはり手は冷たくなっていたらしい。武ちゃんも?。。。イチに至っては靴も冷たかったとのこと。いや~この時期の北アルプスは侮ってはいけない。今回はつくづくそう思った、反省。ただ誰も異常を訴えないというのは、根性があるのか見栄があるのか、または一種のリスキーシフトか?
登るにつれ横風が強くなってくる。顔が冷たい。フードをかぶって凌ぐ。樹林帯の中でこれだから、吹きざらしのところに出たらどうなるのだろう。ただ東側の空は青く、明るくなってきている。天気予報どおり、全体的には回復に向かっていることは間違いないと思うのだが。。。途中からサングラスに替えるが、樹林帯の間は目も日焼けもさほど気にならなかった。
ジャンクションピークに向けて尾根筋を登る
2000mを越えたあたりから、きまま仙人が徐々に苦しくなる。いかん、心臓がバクバクしだした。ジョグにしろ山にしろ、最近たまにこういうことがある。大抵はペースを少し落とすと問題ない。写真を撮っている間に遅れた分を取り戻すのに、ペースを上げるのが辛い。。。徐々に写真を撮る余裕がなくなっていく。
かなり高度があがり、ガスが少しあるものの岩小屋沢岳ははっきり見えている。ガスで見えなかった針ノ木岳も今は見えている。稜線がだんだん同じ高さに近づいてくる。振り返ると遠くに槍穂が見えた。一気に元気がでる。やっぱり槍が見えるとうれしい。周りの木々が心なしか低くなっていき、青い青い空から陽が射す。暑くなってきた。時折少し風が穏やかになるときも。しかし、期待感とは裏腹にまた強く安定しない、、、、
左のピークが岩小屋沢岳
雪の急斜面を青空に向かって登りきると、眼前が一気に開け、やっと爺ヶ岳がそのすっきりとした姿を見せた。9時01分、ジャンクションピークに到着だ。迫力ある姿に息をのむ。既に大勢の登山者が休憩していた。ただ山頂部は見えたりガスに少し隠れたり。稜線は風で飛雪が舞っているのが見える。元気は出たが、ここからが今日の山行の修行の始まりだった。
急な雪の斜面を
空に向かって登る
やっと爺ヶ岳が見えた
ガスか飛雪か!
つづく。。。
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