エル・グレコ展
昨日ちょっと上野に行く用事ができたので、ついでに都美術館のエル・グレコ展を見てきた。大作「無原罪のお宿り」(サンタ・クルス美術館寄託)を見るだけでも行く価値あったなぁ。
ちなみに別スペースで東京藝大の卒業作品展をやっていたので、ちらっとのぞいてみた。中には何じゃこれっていう作品もありましたが、エネルギーやチャレンジを感じるものが多かったですね。もう少しゆっくり見たかったなぁ。
正直キリスト教文化に疎いきまま仙人にとっては、時間があれば行ってもいいかな、くらいに考えていた展覧会だった。が、TVで取り上げられているのをみたり、日経の最終面で紹介されているのを読んだりしていると、これは見ておきたいと思うように。まだまだ会期は残っていたが、ついでがあったので、行きたくなった。
まず有名な画家とはいえ、エル・グレコというスペイン人作家の作品を、ここまでまとめて見るのは初めてだった。まずそういう点で貴重な機会だ。解説もしっかりつけられていて、なかなか面白かった。
まず前半の肖像。きまま仙人には興味の薄い画題だが、エル・グレコという作家を知る上では必要だろう。けっしてきれいな顔に描いているわけではないが、たしかに生きているかのような存在感はある。
見どころはやはり宗教画。印象に残るのはまず大胆な構図、特に縦に引き伸ばされたデフォルメは、当時としては斬新だ。初めにも書いたが、「無原罪のお宿り」は圧巻。これだけでも行く価値はあると思う。次に表情。「十字架のキリスト」や「悔悛するマグダラのマリア」などの表情も印象深い。
無原罪のお宿り
悔悛するマグダラのマリア
もう一つ上げるとしたら色。マントや衣装の赤(ちょっとエンジか紫がかった)や青は、エル・グレコらしい色だ。
見ていて楽しいというより、勉強になったというか、エル・グレコという画家を少しは知ることができた展覧会だった。
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