メトロポリタン美術館展
きまま仙人は基本絵画好き。2次元好きというか、彫刻や皿、壺はあまり観に行かない。今回は絵画、彫刻、皿、壺だけでなく、写真あり、タペストリーあり、家具あり、とバラエティーに富んでいた。製作時期もエジプトやメソポタミアの発掘品から1900年以降の比較的新しいものまで、幅広い時代のものが。それだけにおもちゃ箱からいろんなものを取りだしたような楽しさがあった。はじめは慣れるまで戸惑ったというか、退屈な感じもしたが。
並びも描かれた対象物別になっているので、いろんな時代のいろんな製作物が一緒に展示されているのも変わっていた。(ただ写真だけは一室にまとめられていた) 自然、自然の中の人々、動物、草花と庭、大地と空、水など(実際の各部屋のタイトルはもう少し細かくて長いがここでは省略)
絵画ではポスターにもなっているゴッホの糸杉は目的のひとつ。さすがにゴッホらしくていい。その他ゴッホはもう1点、ルノアールが2点、モネ、セザンヌ、ゴーギャンが1点ずつ。このあたりは見慣れた画家だが、やっぱり楽しめる。ただ名品ばかりではなかったかな。
あとドラクロワの「嵐の最中に眠るキリスト」は力強さというかダイナミックさというかインパクトがあった。もう1枚知らない作家だったが、マースデン・ハートリーの「カターディン山」は一瞬で引きつけられた。黒いベタな山に赤い丘、手前に青い池か湖。空も青いベタな空に単純化された形の雲。面白い絵だった。
絵画以外ではニューヨークの美術館だからか、ティファニーの作品が数点あった。改めてティファニーのガラスなどのアート製作のレベルの高さを感じた。下の「ハイビスカスとオウムの窓」などは本当に美しかった。
あと時計好きとしてはアストロラーベは外せない。1650年代のイランのイスラム暦のものらしい。古い実物を見る機会は少ないので、貴重だった。
ただこれだけ多岐にわたると、背景にある文化や書かれている対象についての知識のないものも多い。それだけに良さが十分わからなかったものもあったのも事実だ。
それでもこういう肩の力をまったく入れずに、面白そうなものだけをじっくり見る、そんな美術展はとても楽しかった。
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