紅葉真っ盛り、錦秋の栗駒山(10月6日山行記録(1))
栗駒山は、前回2000年の夏に登って以来2度目となる。特に紅葉が有名なので、前々からぜひ一度この季節に来たいと思っていた。いくつかのコースはあるが、今回も最もポピュラーな北側須川温泉からのコースとした。標高差も小さく、急登もほとんどなく、コースタイムも短い。山屋としては花や紅葉がなければ、少し物足らないコースともいえる。
金曜夜、早く東京を出たとはいえ、須川温泉に着いたのはすでに深夜の2時を大きく回っていた。星もない曇った夜で、明日の天気に不安を覚えつつ就寝 z z z
○10月6日(土) 曇り
周りの登山客の音で、目が覚めた。やっぱり空は冴えない状態で、ややどんよりと曇っている。とりあえずトイレを済まして様子を見ると、大型バスでのツアー登山客もぞろぞろ。やはりこの時期の栗駒山は人気だ。夜には気が付かなかったが、周囲も既に色付き始めているし、栗駒山もガスもなくくっきりと見えている。少なくとも視界は大丈夫だ。そういえば、前回登った時は山頂はガスの中で展望無し。
コースタイムは4時間もないし、ゆっくり寝て9時くらいに出発でもいいかな、と思っていたくらいだが、周りに引っ張られてじっとしておれず、6時49分予定より早く歩き始める。須川温泉は既に1,100mを越える高地、秋山のひんやり感があり、少し肌寒い感じもしたが、歩き始めると心地いい。温泉地らしくほのかに硫黄の匂いがする。
須川温泉からも栗駒山が
望めた(左奥)
しばらくは石畳のような整備された道を行く。黄色く色づき始めた木々が季節を感じる。ムシカリ(オオカメノキ)の葉が赤く色づき、赤い実もたくさんついていた。木々は人くらいの高さのものが多く、思ったよりも周囲の山々も見える。まだこの時には焼石岳がどれかも知らなかった。
色づくムシカリ
黄色の黄葉が美しい
20分ほど歩くと名残ヶ原だ。平らな原っぱに木道がまっすぐに伸び、その先にはなだらかな山容の栗駒山が見えるのがいい。紅葉で少し赤く色づいているのが期待感を持たせる。ただ曇っていて陽が射さず、心なしか色がくすんだように見えるか。苔花台の分岐で産沼(自然観察路)方面を別け、昭和湖方面に向かう。このあたりから再び硫黄の匂いが強くなり、左側は火山性の裸地の涸沢だ。ロープで立ち入りの制限がされるなど道も整備されている。右側には秋らしいススキやもう終わりのエゾリンドウが。振り返ると焼石連峰がよく見える。
名残ヶ原
木道の先に栗駒山
振り返ると焼石連峰
右は火山性の涸沢
緩やかに30分ほど登ると、7時46分昭和湖着。この湖は乳白色で、ややエメラルドグリーンがかった湖水が特徴的。前回もこの色にインパクトを受けたことを思い出した。何とこの昭和湖にはトイレまであった。ハイカーでも来やすい山だ。休憩にはベストなのだが、人も多かったので写真を撮っただけでスルー。
昭和湖手前からの栗駒山、登るにつれ色合いが変わる
乳白色の昭和湖
ここから稜線までが少し急な登りになる。気のせいか他の山に比べると、道を譲らないなどマナーを知らない登山者(いやハイカー?)が多いような。昭和湖から天狗平までは、黄葉の木々も多く、赤、黄、緑の3色の斑から上部に行けばいくほど赤みが増していく。いいグラデーションだ。登るにつれ確実に紅葉が進み、赤が勝っていく。山の色が赤くなっていくのだ。紅葉の時期としては、山頂部はほぼベストといっていいだろう。
赤・黄・緑の斑の紅葉が美しい
ただ惜しいのは、遠目にはすごくきれいなのだが、ひとつひとつの木を見ると葉は汚いものが多いのだ。むしろきれいなのはほとんどなかった。黒い斑があったり、葉の形が汚かったり、近くでは鮮やかでなかったり。。。。アップの写真を撮ろうという木が少ないのだ。曇りだということも多少あったかもしれないが。期待していた燃えるような赤、鮮やかな赤ではなかったのはちょっと残念。やや赤茶系、オレンジ系のちょっと渋い感じの紅葉といった方がいいかな。それでもすごくきれいな紅葉だった。
稜線はもうすぐ
8時26分ひと汗かいて天狗平着。西側や南側の展望が一気に広がる。ここまで来ると山頂も近い。天狗平は秣岳(まぐさだけ)への天馬尾根コースや湯浜温泉へのコース(湯浜コース)の分岐点でもある。そのため秣岳への稜線や、湯浜温泉方面へのなだらかな広がりが一望できていい。稜線に出たことで少し風が冷たい。時折ややガスもかかる。このあたりからはハイマツヤシャクナゲも多くなり、赤と緑の斑模様が最高だ。まさに錦秋、錦繍。緩やかな尾根を紅葉を堪能しながら登っていく。同じような写真ばかりなのだが、何枚も何枚もシャッターを切る。そのせいか意外に時間を要した。
天狗平付近からの山頂
天狗平付近からの山頂
途中の岩は天狗岩
山頂付近から天馬尾根コースを望む
今日はここまで、後半に続く。
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