歩きごたえのあるロングコース、3,000m峰をつなぐ仙塩尾根(8月4-8日山行記録(5))
双耳峰のもう一峰、塩見岳西峰(3047m)を経由して、いよいよ下山。まずは岩場を下っていく。地図上には危険マークがついているが、さほど危ないと思ったところはない。しいていうと、落石くらいか。団体さんの下側は気を付けた方がいいかも。途中赤い岩(ラジオラリヤ)が印象的。西峰を越えると人が一気に増えた気がする。やはり鳥倉から塩見岳を往復する人が多いのだ。(きまま仙人も11年前はそう)
赤い岩(ラジオラリヤ)
塩見小屋を越えると徐々に視界がなくなり、樹林帯に入っていく。一旦下ってから本谷山まで登り返す。これが結構長くてつらい。すれ違う登山者も多い。このあたりは安心といえば安心。ガスはますます濃くなっていき、午後に入ると展望は全くなくなってしまった。12時15分本谷山着。小休止をしていよいよ最後の一本。三伏山を越えて、小屋周辺にもお花畑がある。同じような種類が多かったようなので、早く休みたくてほとんどスルーした。13時18分快調に三伏峠小屋到着。とにかくホッとした。
塩見小屋付近から
塩見岳(左奥)を顧みる
小屋の前で休憩しながら他の登山者と歓談。どうしてるかなと思ってフランス人のことを聞いてみると、そのまま下山したとのこと。ここから鳥倉登山口までのコースタイムは約2時間だが、2時台のバスに乗れるだろうということで急いで下山したらしい。そうか彼は山頂での滞在時間も短かったが、今日の下山を考えていたのだ。会えると思っていただけにちょっと残念。
三伏峠の水場は少し遠い、往復で30分弱かかるようだ。でなければ飲料水は小屋で購入となる。夕方(3時過ぎ)にはポンプアップして蛇口からでるようだが、そのままで飲料は無理とのこと。小屋の人に煮沸してもだめですかと聞くと、自分たちも煮沸して使っているとのこと。1時間ほど横になって体を休めてからコーヒーを飲んで翌日用の水作り。
夕食は魚の甘露煮など。ただ残念なのはそばがでたこと。そばアレルギーのきまま仙人にとってはつらい。悪い夕食ではなかったが、やっぱりいい点数は付けられない。明日の天気も良さそう。あとは下山するだけだし、することもないので早めに就寝。
○8月8日(水)晴れ
今日は下山のみ。さすがに山中4泊なので、お風呂に入りたい気分が勝ってきている。周りに合わせて起床後、小屋前のベンチでモーニングコーヒー&朝食。予備食2食、非常食は使わなかったが、重い食料はほぼなくなった。パンがかなり余ったかな。水も少ないのでザックは軽くなった。小屋前からも塩見岳が良く見えている。で、ブログを更新。
朝の塩見岳
早すぎるが6時2分小屋を出発。10分割したx/10という標識があり、目安になる。ところどころから本谷山や遠く仙丈岳、甲斐駒ヶ岳が見える。あそこから歩いてきたんだ。ちょっと感慨深い。
仙丈岳(左)と
甲斐駒ヶ岳(右奥)
中央アルプス
整備されたいい道だが、ところどころ木の橋のようなところが、大丈夫?という不安な気にさせる。
整備された道 やや不安な木の橋
途中水場のところでOさんを追い越したが、Oさんテントを持っているのに早い。こちらもついついペースが上がる。ケガをしても馬鹿みたいだし、花の写真を撮るタイミングで抜いてもらった。でもそのおかげもあり、7時26分、快調に鳥倉登山口に下山。
ゴゼンタチバナ トリカブト ヨツバヒヨドリ
ゴールの鳥倉登山口
祝杯代わりにOさんに日本酒を少々いただいたが、さすがに日本酒は飲めなかった。着替えをして、コーヒーを入れて、ひと息。あとは日向の岩の上で靴を脱いで乾かしたり、、、
9時10分のバスに乗ったのは結局3名。Oさんと長野から来たという女性、そしてきまま仙人。(別に途中道の駅から5名ほど乗ってきた) 途中からの乗客と長野からの女性は伊那大島の駅で下車。ちなみに伊那大島の駅前には何もない。Oさんときまま仙人は、道の駅での休憩時に新宿までの高速バスを予約。(混んでいるようで残席3席といわれた。) バスの終点の松川I.C.でタクシーを呼び松川温泉清流苑で汗を流す。この清流苑は超おすすめ。400円で時間制限なし。露天、桶風呂、サウナ、水風呂、ジャグジー、薬湯など豊富。畳の休憩室もある。休憩室のテラスからは南アルプスが一望できる。またプールやパターゴルフ、テニスなどもできるらしい。宿泊も可。
そして館内のレストランで2人で祝杯! 生ビール、冷奴、サラダ、そして松川のご当地丼ごぼとん丼。ごぼとん丼とは松川町でりんごをエサに育った「まつかわりんご黒豚」と地元産「ゴボウ」がのった丼。いやなかなかおいしかったです。Oさん本当にありがとうございました。2人で本当に楽しかったです。
ごぼうと豚の
ごぼとん丼
あとは再びタクシーで松川I.C.まで戻り、高速バスで寝て帰りました。渋滞で多少遅れましたが、まずまず快適でした。どうかと思うのは高速バス代が新宿まで3,870円、タクシーが2キロほどで1,280円(配車料含)。タクシー高すぎ! 今回Oさんと半分ずつで済んだけど、駅や松川I.C.(高速バスのバス停)とのアクセスはもう少し考えてほしいな。
仙塩尾根は歩きごたえのあるロングコースでしたが、踏破した達成感もあり、仙丈岳や塩見岳からの大展望ありと、充実した山行でした。残念だったのは3日目の雨と間ノ岳をパスしたことでしょうか。正直言って、一般的には北岳、間ノ岳、塩見岳を縦走するコースの方がお勧めではあります。が、塩見に向かって仙塩尾根を縦走するというこのコースを仙丈から(あるいは仙丈へ)歩くというのは玄人受けする、一度は歩いてみたいいいコースだと思いました。
最後にOさん、Wさん、その他山行中に出会った方々、本当にありがとうございました。感謝をして、この山行記録を締めくくりたいと思います。
おしまい。
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