雨で霞沢岳回避、久々のテント泊徳本峠(7月14-15日山行記録)
雨であまりいいところなしでしたが、先週の徳本峠(とくごうとうげ、霞沢岳撤退)の山行記録をアップします。
天気予報が良くなかったので、最後まで行先(あるいは中止?)を迷ったが、最終的には徳本峠で一泊して、霞沢岳を目指すことにした。徳本峠小屋は狭くて要予約なので、本当に久しぶりにテント(エスパース1~2人用)を担いで行くことに。テント山行もここ数年行っていないし、エスパースを使うのも、1人でのテント山行もほとんど記憶にないくらい前。
結果的には日曜日は朝から雨。あっさり霞沢岳は諦めて、そのまま下山。改めて山行記録というほどのこともないのだが、久々の単独テント泊という意味では貴重な山行。一応備忘録としても残しておきたい。
コーストコースタイムは以下、
14日 上高地B.T.8:06-明神8:55-徳本峠分岐9:01-最後の水場10:23-霞沢岳分岐10:58-11:04徳本峠
15日 徳本峠8:25-霞沢岳分岐8:28-最後の水場8:40-徳本峠分岐9:26-明神9:30-10:10上高地B.T.
13日(金)仕事が終わってから車で東京を出発、3連休で渋滞が心配だったが、まずまず順調に沢渡着。駐車場で仮眠。
○7月14日(土)曇り一時雨
朝目が覚めると降ってはいないものの、どんよりした感じで、上の方はガスがかかっている。と思っていたらぱらぱらと小雨が。。。
正直すごく迷った。今日は温泉に入ってのんびりして、明日天気の良さそうな山を日帰りしようかとも。出発を予定より遅らせて、少し様子を見ていたところ雨は止んだ。明日は回復傾向なので、とにかく徳本峠まであがることにした。
バスで上高地へ。テントで重いザックを背負って8時6分ゆっくりと歩き始める。今回テント泊ということで、これまた久しぶりにミレーの65Lザックを使用。1泊だし軽量化したとはいえ、18キロくらいはある。今回天候に加え、特に重量は不安要素だった。いつも以上にペースを意識してゆっくり歩く。
さすがに河童橋からは穂高の山並みはガスの中。天気が良ければ、今日は明神見晴らしから槍見台まで往復してみようと思っていたが、沢渡を出る時点で既にパスすることに。とにかく徳本峠まで登ればいい。そう思うと時間がある分、気持ちに余裕はある。観光地に長居することもなく明神へ向かう。
上高地からのこの林道、あまり植物を探しながら歩いたりしない(特に下山時は)が、よく見るといろんなものが。ピンク色のこれは何かな?と思ってみたらショウキランだ。あまりきれいな個体ではなかったので、見逃してしまいそうな。きまま仙人が写真を撮っていると、これはなんだっけ?とおばさんグループが。たしかショウキランですと教えてあげると、そうだそうだと大騒ぎ。登山者のグループのようだったが、軽く引く。
その他には、センジュガンピ、黄色いサワギクなどが、目に入る。と、この緑の花は???、その時は名前を思い出せなかったが、クルマバツクバネソウが咲いていた。そこそこ珍しい。気持ちよく明神をスルーして、ほどなく9時過ぎに徳本峠の分岐に着いた。いよいよここからが初めて歩く道。
ショウキラン クルマバツクバネソウ サワギク
初めのうちはなだらかで車も通れそうな道。まぁ歩くうえでは楽だ。右側に白沢を見ながら進む。ミヤマカラマツやキツリフネなどが楽しませてくれる。休憩代わりに写真を撮りつつ歩く。サンカヨウは既に花がなく、黒い実になっていた。エンレイソウもそう。これらは葉を見ればわかる。葉の違うミヤマカラマツのようなこれは、、、帰宅後調べるとモミジカラマツだった。
ミヤマカラマツ キツリフネ サンカヨウの実
センジュガンピ ??? ???
少し傾斜が急になり、高度を上げるにつれやや周囲が明るくなってくる。道は整備されていて歩きやすい。ガスの中の樹林帯歩きは、先週の櫛形山に似ているなと思った。気温はいい感じだが、湿度が高い分だけ蒸し暑い。しんどいわけではないが、やたら汗が出る。ゴゼンタチバナやマイズルソウ、その他にも名前も知らない花がたくさん。帰宅後調べるとオオバミゾホオズキ、ヤマトユキザサなど。その他は調査中。
樹林帯を行く
ヤマトユキザサ オオバミゾホオズキ モミジカラマツ
10時23分、最後の水場着。ここはテント場から水を汲みに来ると往復で30分くらいかかる。ザックにはほぼ2L(水+お茶)が残っていたが、プラティパス(ペチャンコにできるポリタン)と空のペットボトルにさらに2L補給。雨のせいか少しだけ濁りがあるのが気になる。ここからは明日の分も含めて4L担いで登ったわけだ。さすがに20キロを超えただろう。しかし、ザックもパッキングもよかったのか、それほど重いとは感じなく登れた。この日ちゃんとした休憩はここの水場のみ。
順調に10時58分、稜線到着。11時4分徳本峠についた。コースタイムを余裕で上回っていることにちょっとだけ自信が持てたかな。やはり穂高・明神の稜線はガスの中。ただ、南東側の小嵩沢山はきれいに見えていた。まずはテントの場所の確保。この天気だし回復時の展望よりも風が強くなることを恐れ、奥のスペースを選択。しかも大きい方の入り口の先は出入りに支障ないスペースの先に木がある。結果的にはなかなかいい選択で、まずまず使い勝手良く、強風の不安なく快適に過ごせた。
きまま仙人のエスパース 徳本峠小屋
展望台まで45秒の標識 穂高はガスの中 小嵩沢山
食事(バナナ+パン+コーヒー)を取った後、45秒の展望台に行ってみる。サンダルで。そうそう、今回軽量化のために犠牲にしたものも多いが、サンダルは持参。やはりテント(特に天気の悪いとき)はサンダルは必需品。残念ながら稜線の展望はなかったが、明神岳の裾野は望めた。あとこのあたりの花もなかなかいい。特にマイズルソウはこんなに密に群生してきれいに咲いているのも久々だった。
マイズルソウの群落 ゴゼンタチバナ ???
午後は降ったり止んだり。ほとんどテントにいて、正直時間を持て余した。小屋と違ってテントで天気が悪いと、他の人と話をする機会がほとんどない。一人でぜいたくな時間を過ごせたともいえるが、ちょっと寂しかったかな。ただ文庫本を一冊入れていったのは大正解で、読み切れはしなかったが、ゆっくり読書に耽ることができた。
夕食はレトルトカレーに焼き鳥の缶詰、ミニトマト、キウイ。本当は最近の山用の乾燥食品を2つほど試してみようと思っていたのだが、当然自宅にストックはなく。金曜日の帰宅途中にららぽーとのゼビオで買おうと思ったら、ひとつも置いていない! 大失敗で調達できず、簡単な楽なカレーになってしまったわけ。まぁ普通に美味しかったが、特にコメントすることもなし。
雨音をきにしつつ、20時過ぎには眠りにつく Z Z Z
○7月15日(日)雨
夜間、何度か目が覚めたが、雨は時折激しく降る。ん~本当に回復に向かっているんだろうか? 不安。起床の予定時間4時30分(出発予定5時)になっても小雨にもならない。正直この時点で、霞沢岳をほぼ諦めかけていた。午後回復する可能性がないわけではないが、せめて穂高の一角や焼岳が見えてくれないと行く意味半減。きまま仙人はまだ霞沢岳に登ったことがないので、ピークハントとしては魅かれるものがあるが、それだけでは、、、
結局しばらく様子を見ることに。途中やや小降りになったタイミングもあったが、7時半のの時点でギブアップを決めた。明らかに予報(土曜日朝時点)とは異なっているし、山の上の天気は予報だけではわからないので、いつ止むのかも見込みが立たないからだ。と決めたら早く下山して温泉につかりたくなった。というわけで小降りになった8時前にテント撤収を開始。小雨はパラパラしていたが、思いの外気にならずにスムーズに撤収できた。パッキングは少し雑になったが、こういう時は大きなザックは楽。
8時25分、若干の空しさ、いや不完全燃焼感を抱えながら下山開始。テントが濡れて思うなっているとはいえ、さすがに食料は減ったし、水も1Lのみとした。雨具も着たし、重量はさほど感じず、これなら下りも大丈夫。
カメラも濡れるのでザックに入れた。ストックを出して慎重に、かつ急がず。昨日登った道を快調に下る。約1時間で徳本峠分岐に出、あとは林道(遊歩道)を上高地へ。登山者ではないハイカー達が並んで傘をさして歩くのが邪魔になって仕方ない。雨でも上高地から明神の間は多くの観光客がいた。途中休憩もせず、快調に10時10分、上高地バスターミナルに到着。今回の山行も無事終了。まずはひと安心。
沢渡大橋に停めてあった車に戻って、そのまま温泉「しもまき」(500円)に行く。小じんまりとした木の湯船ひとつのシンプルな温泉だったが、きまま仙人貸切だったのとほのかな硫黄の匂いが温泉らしくてよかった。とにかくさっぱり。温泉から出てもまだ雨、傘をさして車に戻る。結局雨が止んだのは、昼頃だったか。ただ松本あたりまで戻ると、空は青空、山も稜線が見え始めていた。もう一日粘るんだったかなぁ。。。
登頂、展望という点では残念な山行になりましたが、多くの花の他、久々の単独テント山行はなかなか楽しいものでした。ちょっとだけ自信もできたし、またテントで出かけてもいいかな、なんていう気にもなりました。そういう意味では、転機となるかもしれない印象に残る山行になったと思います。
おしまい。
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