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2012年6月14日 (木)

楽園のカンヴァス 原田マハ著

友人との本の交換会?でいただいてきたもので、ハードカバーの本にもかかわらず通勤時に読み切ってしまった。伝説のコレクターが所有するルソーの絵の真贋をめぐる美術ミステリー。勧めてくれた奴もきまま仙人も絵画好き。いや絵画好きにはたまらない面白い一冊でした。

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このような小説は、きまま仙人には初めてでした。ストーリーが面白い上に、ルソーという画家について、ピカソがルソーから受けた影響、絵画展の裏側などなど絵画好きのツボにはまるような内容が詰まっていて素晴らしい。途中からは一気読みでした。

この物語は2000年MoMAにあるルソー晩年の大作「夢」をルソー展の企画者たちが借りようとしたところ、MoMAのチーフ・キュレーターティム・ブラウンが大原美術館の一監視員早川織絵を交渉相手に指名ししてきたことから始まります。ティムと織絵の過去に何があったのか? 17年前の1983年、バーゼルに住む伝説の老コレクターバイラーが所有するルソーの「夢」とほぼ同じ構図、タッチの絵「夢をみた」の真贋判定で争った話が展開されていきます。新作の発見か?はたまた贋作か? しかも「夢をみた」の下にはブルーピカソ(青の時代のピカソの作品)が描かれているかもしれないと。2人の背後には有名キュレーターやオークション関係者、はたまたインターポールまでが、、、少し強引ではありましたが、ちゃんと意外な結末も用意されてました。とても面白かったです。

たしかに真贋判定の方法や2人の研究者(ティム・ブラウンと早川織絵)の背後の人たちの一部には違和感があるところもありました。講評(の内容)については多少不満もあります。資料の各章末のアルファベットにしても謎ときには違和感が。ブルーピカソはどうだったの?については謎のまま。でも、そういう点を割り切れるだけ、この小説のストーリーは面白かった。そして読後感もいい終わり方でした。

この小説の登場人物やイベントは、かなり具体的なイメージでかかれています。大原美術館やMoMA、バーゼル市立美術館は実名で出てきますし、伝説のコレクターバイラーはエルンスト・バイエラーがモデルだなと思っていたら、巻末の"協力"にちゃんとバイエラー財団と書かれてありました。ただエルンスト・バイエラーが亡くなったのは2010年ですが、生まれは1921年。ということはルソーとの接触は不可能でしたね。(ルソーが亡くなったのが1910年) MoMAの「夢」やバーゼル市立美術館の「詩人に霊感を与えるミューズ」など実際の作品が重要な位置づけで出てきます。そういう点もリアリティを出しているとも思いますし、あの絵は見たことあるぞ的な絵画好きの心をくすぐる点も多々あります。

きまま仙人はルソーが特に好きというほどではないです。とはいえ独特の画風、奇妙とも思える密林、インパクトのある人、動物、花などは、ひと目でルソーとわかり、引き付けられてしまう。これからルソーを見る機会があったら、きっとこの本のことやこの本に書かれていたヤドヴィガやピカソとの交流を思い出すと思う。ルソーに対しての理解が深まったところはあると思うし、より親近感を持つようになりました。そういう意味でも絵を見るときの楽しみもひとつ増えた気がします。

最後にバーゼルというのは(バーゼルフェアがあるので)時計好きにはぜひ行きたいところのひとつ。もし行く機会があれば、ぜひ市立美術館も立ち寄りたいものだ。

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コメント

ブルー・ピカソはどうなの?かは、確かにすっきりしなかったな。だけど結構おもしろかっただろう(^0^)!他にも同じような絵画ミステリーを探しているけど見つからないんだよ。殺人事件になっちゃうからね。もしいいのが見つかったら教えて下さい。よろしく!!! まつあき

投稿: | 2012年6月18日 (月) 12時39分

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