« 台風の爪あと | トップページ | NBAヒート優勝 »

2012年6月21日 (木)

時計コレクション (番外45) 戦後の国産腕時計 セイコー/タカノ

今回紹介する本は、長尾善夫・木村好孝著の「戦後の国産腕時計 セイコー/タカノ」です。

トンボ本といわれるあまりにも有名な「国産腕時計①~⑫」(⑩タカノ/リコーは未発刊)の元となった貴重な一冊といってもいいと思います。 この本は1994年5月にトンボ出版から発刊されました。その後1996年6月から国産腕時計が順次発売されていきます。この「戦後の、、、」は当然絶版です。ただすごく古い幻の?本という印象がありますが、まだ20年も経っていない本なんですね。

B31_seikotakano_01  

 

 

 

前半のセイコーのパートを長尾善夫氏が、後半のタカノのパートを木村好孝氏が担当されて書かれています。「国産腕時計」の⑩タカノ/リコーは未だに未発刊であり、今後も発売されそうな状況ではありません。そういう意味では、現時点では唯一のタカノ研究本といっていい貴重な本といえます。

きまま仙人は、この本をぜひ手に入れたいと思っていましたが、一時期はヤフオクでも2万円前後(定価は2,200円(3%消費税込))と、非常に高値で取引されていました。そのためなかなか落札できずにいました。最近は少し価格も落ち着いてきて、きまま仙人は今年になって1万円ほどで落札し、念願かなってやっと手にすることができました。それでも1万円、いや~驚き高値です。ちなみにきまま仙人は、落札して手元に届いて初めて実物を見ました。

B31_seikotakano_02

B31_seikotakano_03

 

 

 

 

     クラウンクロノ     尾錠についての記述も

大きさは「国産腕時計」(B5版56-72ページ)よりもやや小さいA5版、やや分厚い254ページにびっしりと文章が詰まっており、「国産腕時計」よりも写真が少なく読みごたえがあります。内容的には現物主義で、かなり調査をされた上で書かれています。(但し男性用のみ) 何よりお二人の想いというか、熱い情熱を感じる部分が多いのも、時計好きとしてはたまらないところです。

B31_seikotakano_04

 

 各モデルのムーブ
 白黒なのが惜しい

 

 

国産腕時計については、戦後の復興期がメーカーにも最も資料が残っていない時期で、現物調査の結果書かれてある内容には重みも説得力もあります。ただ、現存するものにはガッチャ(複数の時計の使える部品からひとつに組みなおしたもの)などもあり、オリジナルについては薮の中ということもあるのが、戦後の国産腕時計の難しくもあり、面白いところでもあります。

目次を以下に挙げておきます。
第一部 セイコー
 I 服部時計店 創立から第二次世界対戦終了まで
 II 戦後の腕時計(手巻き式)
 III その他の腕時計
 IV 腕時計の外観
 V 腕時計の購入に際して
 VI 私の好きな腕時計
 VII 付録
 VIII 参考文献

第二部 タカノ
 I 創業者・高野小太郎の誕生からリコー時計株式会社の初期まで
 II ラコー社について
 III 製品紹介
 IV 腕時計の外観
 V 私の思い出に残る腕時計
 VI 付録
 VII 参考文献

番外8で紹介した「国産時計博物館」の内容にも(特にタカノのところは)参考にしたと思えるところが多々あります。特にタカノのコレクタにとってはぜひとも所有しておきたい本ではないでしょうか。

B31_seikotakano_05

B31_seikotakano_06

 

 

 

 

     はじめのラコー型    名品シャトー型

セイコーに関しては、会社自体が現存しているわけですから、所有している資料とともにきちんと整理した本を出してもらえれば、時計好きは必ず購入するのに、、、と思ってしまいます。

セイコー、タカノの腕時計に興味がある方は、ぜひ手に入れるために、地道にオークションにトライし続けてみてはいかがかと。。。

|

« 台風の爪あと | トップページ | NBAヒート優勝 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 時計コレクション (番外45) 戦後の国産腕時計 セイコー/タカノ:

« 台風の爪あと | トップページ | NBAヒート優勝 »