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2012年5月 9日 (水)

アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎著

バンコク2日目。ひと晩ゆっくり寝て、昨日のヨレヨレからはやっと脱出。今回はいつもより少し滞在が長いので、長期滞在型のホテルにしてみました。(ちいさなキッチンが部屋にあり、共同のランドリーなんかもある。少し事務所から遠いが安い。) 思ったよりも朝食は悪くない。いつものところと遜色なしかな。

さて、今日は休養日に書いていた書感をひとつアップします。伊坂幸太郎さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」

久しぶりに伊坂氏の奇抜なストーリー展開と軽快な語り口が恋しくなってこの本を手に取った。ネットでの評判も悪くなかったし。

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今回も何度もそんな馬鹿なとは思ったが、最後には広げた風呂敷を見事に畳んでしまうところはさすがだ。楽しく一気に読ませてもらった。

とは言いながらストーリーの出来としては、ラッシュライフや重力ピエロの方が上かなと思うし、面白さだけだと陽気なギャングが、、、のシリーズの方が楽しい。伊坂氏の作品としてはまぁ普通かな。さすがに何冊も読んでいると、少々辛口になるかもしれない。それでもこの作品もなかなかうまくできているなぁと感心してしまう。

この小説も伊坂氏の得意?とする複数の時間での複数の物語が交差し、最後に関連がはっきりして決着するパターンだ。具体的には本人たちが現在になかなか登場しない2年前のドルジや琴美、それに河崎や麗子さんが絡んだはなしと、現在の主人公椎名の周辺で河崎や麗子さんが絡んで起こっていく話。

伊坂氏の作品の場合、お約束として受け入れないといけないとは思いつつ、引っかかる点も多い。たとえば椎名が本屋襲撃に何故か付き合ってしまう点や、琴美が動物虐待のメンバーらからの脅迫の留守電を簡単に消してしまう点など。ちょっとそれはないだろうとは思う。また動物虐待のメンバーらがエスカレートして次に人(それも大人)を襲うというのも方法を含めて違和感があった。河崎の死についても納得できない疑問は残る。

しかし伊坂小説を楽しむためには、そういう細かなことはあまり気にしてはいけないのだろう。細かい点をそのまま受け入れたら、予想もしない奇想天外な展開を素直に楽しめる。それに気にせず読ませてしまうだけの文章の軽快さがすばらしい。

今回の登場人物は、みんなひと癖あり、場合によっては嫌な奴らだ。琴美の河崎へのつっかかりもかわいげがないし、主人公は優柔不断、麗子さんも他人に関心がないし、河崎やドルジはある意味道徳的にむちゃくちゃ。動物虐待の犯人たちに至っては論外。終わり方も決してハッピーエンドではない。

でも、こんな個性的な登場人物たちの奇抜な展開の話が、不思議とちゃんと納得感を持ってまとめられていく手腕はすごい。後味が決していいわけではないが、不満な終わり方ではないのだ。

やはり時々読みたくなる伊坂氏らしい作品だと思う。

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