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2012年5月15日 (火)

快晴のGW、残雪の天狗岳、おまけにニュウ(4月28-29日山行記録(1))

出張も早いものであと2日。体調は今日もおなかの調子はよくないものの、まぁ普通には動けてます。今夜はプライベートで友人に会っていて、いつものように日本式の居酒屋で楽しく飲んでました。まぁ落ち着けた一日です。

さて、昨日もみんなが気を使って早く帰れといってくれたので、何とか書き上げた天狗岳の山行記録をアップします。もう2週間以上前の山行です。

まず、コースとコースタイムは以下。
28日:唐沢鉱泉6:35-枯尾の峰分岐7:54-第1展望台9:03-第2展望台9:56-10:47西天狗岳11:18-11:38東天狗岳11:56-13:19黒百合ヒュッテ
29日:黒百合ヒュッテ6:13-7:33ニュウ8:13-黒百合ヒュッテ9:22-唐沢渋ノ湯分岐9:53-10:56唐沢鉱泉

Tengu_map2  

 28日(青線)
 29日(赤線)

 

 

 

 

※GPSデータではありません。(手書きです。)

ここのところ忙しかったし、このあとも予定が何かと続くので、少しゆっくりと山を楽しみたいと思って北八ヶ岳の天狗岳を一泊で登ってきた。登山口としては渋ノ湯、白駒池も考えたが、唐沢鉱泉を選んだ。西尾根から天狗に登りたかったというルート上の理由が一番だが、唐沢鉱泉に入ってみたかったこともある。ちなみに唐沢鉱泉の駐車場は無料だというメリットもある。(渋ノ湯は1,000円/日)

4月27日夜移動。GW前夜にもかかわらず順調に流れて予定通り唐沢鉱泉の駐車場着。20台くらい停められるのだろうか? 奥行きが狭いのでちょっと停めにくい駐車場だ。途中降った雨もすっかり上がって、今は星も見えている。天気予報通り。明日の天気を期待しつつ車内で仮眠 z z z

○4月28日(土)晴れ

もっとゆっくり出発するつもりだったのだが、周りが騒がしくなってきたので、起きて準備を始める。6時35分、唐沢鉱泉の駐車場を出発。この時点で車は既に5、6台。唐沢鉱泉の入り口で登山届を出す。少し行ったところにしゃくなげ橋というのがあり、ここが登山口だ。

樹林帯の軽い登りを歩き出して少しすると、残雪というよりは凍結していてすべりそうで少し怖い。ほどなく単独行の若い?男性が後ろから来たので、躊躇なく道を譲る。その男性はダブルストックだったがアイゼンをつけていなかったこともあり、きまま仙人ももうしばらく慎重に登っていく。そうするともうひとり同年代くらいの単独行の男性が追いついてきた。またまた先に行ってもらったが、少し前に行ったあたりでこれはアイゼンが入りますねとアイゼンを付け始めた。もちろんきまま仙人も同意して一緒にアイゼン装着。

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 凍った登山道

 

 

多少岩や土が出ていたりはあったが、アイゼンはつけて正解。今回は侮っていないので12本歯のものを持参。さすがに緩やかな氷の斜面は何の問題もなし。ちなみに今回のコース、きまま仙人は6本歯程度の軽アイゼンで行くことは勧めない。西尾根からでないなら6本歯でも何とかなる(実際黒百合ヒュッテでは6本歯の登山者もかなり多かった。)かもしれないが、それでも前歯のある10本歯以上のものの方がいいと思う。

意識的にゆっくりなペースで登る。ザックの重量は13キロほど、スタートとしてはそれほど重いわけではない。徐々に雪が多くなり、柔らかな雪を踏みしめながら登る。少なくとも前に2人先行してもらっていることもあり、トレースも明瞭、テープなどもあり道に迷う心配もない。すぐに暑くなってきたくらいだが、快適な条件だ。時折雪の深いところがあるものの、まずまず順調に8時少し前に稜線の枯尾の峰との分岐の標識に到着。このあたりは雪もなく小休止。山シャツを脱いで長袖のアンダーシャツに冬山用のアウターを直接着てスタート。

ここから尾根道なのだが、 緩やかな雪の登りが気持ちいい。が、徐々に雪が深く、深く、深く、、、時折落とし穴のようにずぼっといくことがあり、これがなかなか疲れる。左手側木々が切れたところでは蓼科山の頭が見えはじめた。登るにつれ姿を現していく。1時間近く歩いたところで見晴らしのいいところに出るとすぐに第一展望台である。ここからは南八ヶ岳の山々も望める。硫黄岳の粗らしいが緩いピークに赤岳、阿弥陀岳の尖峰の先がはっきり確認できる。手前(じゃま?なの)は峰ノ松目か。ここでひと休みしておにぎりでエネルギー補給。&日焼け止めを塗り直し。

しかし今のきまま仙人には、ここからがなかなかタフだった。緩やかながら上り下りもあり、今までよりも雪がずっと深くなる。歩きにくい。いつ沈む(落とし穴に落ちる)かと思うと神経も使う。ずぼっといった後、元に戻すのが疲れる。片足全体はまってしまうと身動きとれないくらいだ。しかも冬山用のアウターはやっぱり暑かった。汗びっしょりになりながら進んだ。

徐々に高度を上げ、視界が開けてくると前方にやっと目指す西天狗岳が姿を見せた。いい山容だ。近い、というほどの感じではなかったが、俄然元気が出る。

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 西天狗岳

 

 

雪の深いところで、ルートを少し迷う。本当にこっちなの? 雪庇ではないのか?と思えるような雪のヤセ尾根を5mほど行く。トレースもあったし、結局は何の問題もなく通過できたのだが、ちょっとだけスリリングだった。ほどなく9時56分第二展望台到着。南アルプス、中央アルプスも確認できる。惜しいのは、やっぱり春山でクリア感がなく、ぼんやり連なっている。写真を撮って、水分補給をしただけで即出発。

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   雪庇のような痩せ尾根    第二展望台から南八を望む

一旦コルまで下って、いよいよ最後西天狗まで登り返す。結構体力は使っていたが、一歩一歩ゆっくりと登っていく。森林限界を超え、さらに登っていくと雪がなくなる。標高差で残り50m位のところか。アイゼンを外して手で持ち、ゆっくりゆっくり登って行った。正直結構きつかった。10時47分、想定よりも快調に2,646m西天狗岳山頂登頂!

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   頂上直前で西尾根を振り返る    西天狗から東天狗を望む 

緩やかなピークは雪に覆われていた。雪のないところまで移動し、岩に腰を下ろして休憩。パンでエネルギー補給。360度の大展望だ。南には南八の山々、その右手に南アルプスが連なる。おそらくあれが北岳、甲斐駒、仙丈か。その右奥には中央アルプス、さらに右奥には北アルプス。ただ遠目には山の同定まではっきりできるほどクリアではなかった。さらに北八の蓼科や中山、東天狗への稜線が連なる。もう最高! 考えてみると唐沢鉱泉をスタートしたすぐ後に2人に抜かれたものの、あとは西天狗山頂まで誰にも会わない静かな山旅だった。(西天狗山頂には先に1組(ご夫婦?)、あと東天狗側から続々と人が到着)

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  西天狗山頂から南八を望む、左から硫黄、赤岳、阿弥陀岳

東天狗の頂上付近も雪のない部分を登りそうだったし、アイゼンなしで行こうか?とも少し迷ったが、西天狗からの下り部分は少しだけ急だったので、安全のためにアイゼンを付けてスタート。ピッケルを使っている人もいたが、まぁ今日の状況ならアイゼン&ストックで十分だ。

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   西天狗の下り、少し急坂   南アルプス、北岳、甲斐駒、仙丈

登り返して東天狗岳登頂。こちらの方が人が多い。やはり西尾根を使う人は少ないようで、東天狗だけ登って、西天狗まで行かない人もいるのかもしれない。標高はわずかに西天狗の方が高いのだが。東側のピークだけあって、東天狗からは遠目に浅間山や奥秩父の山々が見える。富士山はどこだ? 残念ながら富士山は硫黄岳に隠れているようだ。西天狗とは展望が違うところが楽しい。ここでもパンをかじりながらゆっくりする。少し風が出てきたので思い出したようにテルモスのお茶を飲む。ん、まだ十分暖かい。でも考えてみるとテルモスの暖かいお茶を飲んだのはこの時だけだった。今回の天気ならいらなかったなぁ。軽量化になったのに。

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 左奥蓼科山、右に
 黒百合Hの屋根も、、、

 

 

時間はたっぷりあるし、まだまだゆっくりしていたかったのだが、風が強くなってきて寒くなってきたので下山することにした。下山路は予定通り天狗の奥庭、すり鉢池側のルートにした。(中山峠へのルートではなく。) きまま仙人はこちらのルートの方が楽しいのではないかと思うのだが、雪のない岩場も多く、何度か(3度?)アイゼンを付けたり外したりした。雪の残り方が中途半端な部分があり、夏ルートも雪上もどちらも少し危険?というところが一ヶ所あったが、それ以外は危険と感じるところは特になかった。もう少し残雪が多い時期の方が歩きやすいように思える。岩、雪、針葉樹やシャクナゲたちが作る庭園は気持ちがいい。途中景色を楽しんだり、写真を撮ったりしながらの~んびりヒュッテまで下山した。13時19分黒百合ヒュッテ到着。

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   東天狗からの西天狗       天狗の庭

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 左:東、右:西天狗岳

 

 

黒百合ヒュッテの前のベンチには、ちょうど朝アイゼンを一緒に付けた方が休憩されていた。何と既に缶ビールを1本空けたとのこと。しばし2人で歓談。彼はこのまま下山して日帰りするという。時間的にはまだまだ余裕だ。 予約は夕食のみでお願いしていたのだが、場所的に日の出は期待できないし、時間的には余裕があるので久々(おそらく10年以上ぶり)に小屋の朝食をお願いしてみた。チェックインの後、ストーブの周りのテーブルは火器OKだったので、コーヒーを沸かして書棚に「」があったので読み始める。以前北岳山荘で停滞したときに読んだことを思い出す。今回は読んでいない10巻~13巻まで読んだ。やっぱり優しい気持ちになって面白い。ただ本を読んでいるとなかなか周りの人と話す機会が持てなくて思い返すとちょっと残念だったかな。

夕食はハンバーグ他。内容としてはまぁまぁいい方ではないだろうか? 面白かったのは、煮物が大皿で来て取り分けるのだが、取り皿がないのでどこに取ったものかと迷う点。ご飯の上というのもなぁ。もう一つはお茶は用意されているのに、湯呑みが出されず、ご飯を食べたあとお茶碗で飲んでくれとのこと。洗い物が減ることに協力するのはやぶさかではないが、どうなんだろう。夕食はワンバッチ、宿泊客はせいぜい数十人か。布団も多少重なっていたがひとり一枚という感じで場所が取れ、十分快適だった。きまま仙人は普通に大部屋だったが、個室もあるようだ。

食後はしばらく他の登山者と歓談して8時前には布団にもぐりこんだ。明日の天気を期待しつつ爆睡に入る。

つづく。。。

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