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2012年2月 8日 (水)

編笠山、想定外の深雪も記憶に残る厳冬期雪山デビュー(2月4日山行記録(後編))

2月4日編笠山山行記録の後編。

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 樹氷の感じがいい

 

 

周辺を見て他に迂回できそうなルートを探すも、まったくなさそう。前方の枝に赤いテープが見える。ルートは間違っていない。きまま仙人、躊躇無く?撤退を決意。編笠山は夏季には登っているし、今日はどうも展望は期待できない。登頂したという達成感が得られないのは残念だが、やむを得ない。

周りの景色を眺め、写真を撮って下山に入ろうかと思ったときに、登ってくるYさんの姿が見えた。地獄に仏か?まずは相談してみよう。

状況を話して道を譲ると、Yさんはピッケルを使って雪を潰してラッセルを始めた。えっ、これで頂上まで行くつもり? いや、Yさんが頼もしく見えました。考えてみると、きまま仙人は夏山の雪渓で、登り方や滑落時の止め方などのピッケルの使い方を教えてもらったことはあります。が、ラッセルとかは教わったことが無い。

Yさんは誰も歩いていない登山道をラッセルしたくて編笠山を選んだようだ。が、一生懸命ラッセルしてもらっても進むペースは非常に遅い。途中できまま仙人がラッセルを交代。ここから2人の単独行登山者がパーティーを組むことに。それから何度交代しただろう。ゆっくりではあるが、少しずつ山頂に近づいていった。正直言うと、何度も「諦めましょう」という言葉が喉に出かかったが、Yさんがいただけに言えなかった。ただ2人とも山頂に立ちたいという気持ちは強かったと思う。

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 人跡のないまっさらの雪を行く

 

 

ラッセルしていないときは、ゆっくり周りを見る余裕もある。針葉樹はエビのような樹氷になっていて、冬の高山であることを感じる。山頂に近づき、斜面が緩やかになるにつれ、風が強くなり、雪が舞うようになる。少しづつ埋まるのではなく、雪面に立てるようになってくる。13時44分、悪戦苦闘の末、やっとの思いで編笠山山頂(標識)到着。あまりの強風で話もできず、握手をして登頂を祝した後は逃げるように風を避けられる木の影に。

結局Yさんと合流してからも1時間半くらいかかったことになる。いや~かかった。押手川からだと3時間42分(夏山コースタイム1時間20分)。これが冬山か。 お互いテルモスの温かい飲み物でひと息つく。山頂は落ち着かないので、まずは風のないところまで降りることに。予定ではともに青年小屋から迂回して帰るつもりだったが、青年小屋の方も深雪と思われ、時間的に見ても登ったルートを戻る方が安全だということで一致。記念写真だけ撮って、14時ちょうど下山に入った。

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 悪戦苦闘の末の登頂

 

 

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 強風の山頂

 

 

山頂で普通に立っていただけなのに、まずきまま仙人が強風でバランスを崩し、足がスムーズに運べず真横に転倒。やっちまいました。降りようとすると、、、えっ?どっち? 危うく別方向に。続いて、元の方向に戻ろうと歩き出したYさんが転倒。登りで体力を使い切ったのか、2人とも足元がおぼつかない。それでも少し下ると、風は一気に弱くなってひと安心。

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 ラッセルしたところを下る

 

 

しばらくはきまま仙人が前。さすがに下りは体力的には楽。このあたりから両足ともに靴の中に雪が入ったのか濡れだした。ヤバイ。でも感覚が麻痺しているのか辛いわけでもない。快調に下るが、そのうちにだんだん空腹に。たしかに途中ちょこちょこと口にしているとはいえ、既に15時近くになったというのに食べている量は少ない。予定だと青年小屋でラーメンでも作ろうかと思っていたくらいだったのだが。押手川まではあと少しかと思ったが、きまま仙人耐え切れずフラットな場所でブレイクを申し出た。バナナや菓子をほおばり、まだ少しあたたかいコーヒーを一杯。

ここで先頭をYさんに任せる。というのもきまま仙人は、ここでピッケルを収納し、ストックを出したため時間がかかったのだ。さらにしばらく林間を下って、15時12分押手川到着。ここからだとコース的にはもう安心。ただまだ2時間以上はかかると思われるので、そう余裕はない。ここで2人ともアイゼンを外す。その方が早く降りられると判断。

ここからもYさんが先。いや~アイゼンをはずしてからのYさんは快調だった。きまま仙人付いていくのに余裕なし。おかげで15時39分雲海着。安全を期すため、富士見平らの方に降りるのではなく、観音平へ。雲海からは2人とも少し余裕ができて、結構話しながら降りました。今までの山のキャリアなどなど。小屋などで人と話すことは多くても、初対面の登山者と一緒に前後して話しながら歩くという経験もなかなかないかな。

16時6分観音平着&小休止。16時23分富士見平着&写真撮影。富士山はまだ見えていましたが、南アルプスは鳳凰山が少し見えただけ。残念ながら甲斐駒の姿はガスの中でした。最後は林道を観音平口の駐車場まで。途中、たくさんの鹿を目撃。我々を不審者だと警戒していたのでしょうか? ここへ来てきまま仙人、初めてコンパスを拾得していたことを思い出す。やっぱりYさんのでした。あと、林道ももう入口までもう少しというところで、ふと気づいて振り返ると犬を連れた女の子が。えっ、どこから出てきたの? 入口のところで挨拶をして聞いてみましたが、よくわからず。散歩に林道に入ったようでした。

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 富士見平からの富士山

 

 

薄暗くなり始めた5時18分、無事駐車場に帰還。大変でしたが、振り返って考えると楽しい充実の1日でした。Yさんとは固く握手をしてお互い感謝。成り行きで山行のパートナーになりましたが、名残惜しくもここで解散。出発から戻るまで、山中で会ったのはYさんと犬の散歩の女の子だけ。今日編笠山に登ったのはYさんと2人だけだったと思います。ネットにもいろいろ山行記録あった(この時期のも)し、知名度のある山なのに意外。

ちなみに今回の忘れ物とは、日焼け止め、ランニング用GPS以外にエマージェンシーセット(エマージェンシーバッグ(ツエルトは持ってました。)、車のスペアキー、保険証、替靴紐など)、バンダナかな。まぁ大半は問題ないものでした。

少しだけこの時期の雪山がわかった気がするので、次は雲取か天狗あたりを登ろうと思います。

おしまい。

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