編笠山、想定外の深雪も記憶に残る厳冬期雪山デビュー(2月4日山行記録(前編))
指先の感覚や、足の皮がむけたのは日に日によくなってきているが、今朝起きたら。ついに鼻の皮が雪焼けでむけてきてしまった。社会人として、ちょっと格好悪い顔になってきてしまったなぁ。。。今回実は忘れ物が多く、日焼け止めもそのひとつだった。
ではでは、その2月4日の編笠山山行記録に入ります。
コースとコースタイムは以下。(ちなみにランニング用のGPSも忘れたので、歩いたコースがプロットできていません。)
観音平口(駐車場)6:55-富士見平7:53-観音平8:10-雲海9:01-押手川9:48-(11:50思案12:10頃)-13:44編笠山14:00-押手川15:12-雲海15:39-観音平16:06-富士見平16:23-17:18観音平口
赤丸が観音平口の駐車場
天気予報は快晴、これは行かなくては! と、八ヶ岳連峰の南端編笠山(2,524m)に登ってきた。厳冬期の2月に2,500mを越える高山に登るのは、初めてだ(と思う)。
○2月4日(土) 晴れのち曇
夏は登山口の駐車場での仮眠が多いのだが、この季節だけに早朝出発にした。3時過ぎに起床。熱いコーヒーをテルモスに入れて、出発したのは3時半を少しまわったくらい。途中快調に高速を走り、わずか2時間、まだ暗い5時40分頃には、観音平口の駐車場に到着した。しばし仮眠。
あまり時間を記憶していないが、その後1台の青い車が到着、おそらく6時半くらいだろうか、グリーン系のアウターを着た男性の登山者が一人出発して行った。ラッキーだ、踏みあとがあるだけで心強い。
少ししてきまま仙人も準備をはじめ、十分明るくなった7時前に出発。少し風があるのか、木々の上部がゆっくりゆれている。が、歩くのには十分快適。冬季はここから観音平までの林道は車通行止めとなる。約4キロ、1時間の林道歩きからスタート。歩き始めは、轍で舗装面が所どころ出ているもののほぼ白い道。両側の木立は高く、時折正面にはこれから登る編笠山らしき山が見える。気になるのは陽が射したり曇ったり、山頂部が見えたりガスっぽくなったり。それでもこのときはまだすばらしい展望への期待が大きかった。
山頂はどんより
と、シルバーコンパスが落ちているのに気づいた。まだ落とされてからそんなに時間が経っていないような感じだったので、先行者がおとしたのかな?とポケットへ。
登るにつれ道はほぼ雪の白い道に変わる。何度か大きくジグザグを切って上がると富士見平に着いた。名前の通り富士山が美しい。少し逆光ぎみか。南側には南アルプスが近い。鳳凰三山や甲斐駒がきれいに見えた。よっしゃ~! 甲斐駒はやっぱりカッコいい。
南アルプス
この富士見平からも雲海に繋がる登山道が付いているが、まずは観音平へと林道を進む。延命水を過ごし、ほどなく8時10分、観音平到着。ここからいよいよ山道だ。ここからストックを使用。緩やかな登りからなので、まだまだ楽チン。静かな凛とした雪の森をゆっくりと登っていく。林間のせいか風もなく、歩くとむしろ暖かいくらい。雪も深くはない。快適だ。前方に編笠?(それとも手前のピーク?)、後方に南アルプスが見えているのだが、木々に邪魔されてよく見えない。9時を少し回ったところで、快調に雲海に到着。小休止。パンを半分かじってエネルギー補給。雲海は東側が開けていて景色がいいのだが、このときは少しどんよりした感じだった。
観音平登山口 編笠山が望める
さらに先を目指す。たまに雪の深いところや急なところもあるが、ルートを示すテープもしっかり付いているし、先行者の踏みあともあるので、問題なし。雪山は登山道を単調にするように思う。こういう林間で変化が少ないと、どこも似たような景色に見える。遭難しやすくなる一因かも知れない。プロトレックの標高を目安に登る。お日様は出たり隠れたり。陽が射すと木漏れ日の感じがいい。が、ちょっと焼けそう。
標高2,000mを越えて、先行者が休んでいるのが見えた、と思ったら9時48分押手川に到着。夏山コースタイムを余裕で上回るペースだ。快調快調。
ここで先行者(以後Yさん)としばし立ち話。グリーン系のアウターはノースフェイス製で、何ときまま仙人のもの(赤)と色違い。東京都内(車は多摩ナンバー)から来られた方だ。このときはまだ、たまたま休憩の時に立ち話をする程度の登山者でしかなかったのだが。。。
押手川から編笠山の山頂まで、夏山コースタイムで1時間20分。最後はそこそこ急な登りになるので、きまま仙人はここからアイゼンを付けることにした。先日も触れたが、エキスパートオブジャパンの12本爪アイゼン。まだまだ無くても大丈夫そうだったが、新品なので早めに試してみたかった。手袋になれないこともあり、素手になって装着。このときひとつミス。今回は革の重登山靴、歩くにつれて足首部の締め方が少しゆるくなってきていた。まぁ登りだからこのくらいで良いだろうと締めなおさずにアイゼン装着。結果、深雪のところで、雪が靴の中に入る要因に。これも経験。アイゼンは思っていたよりも重くなく、前歯もそれほど邪魔な感じもなく、非常に快適。
徐々に雪は深くなってくる。靴が完全に埋まるような場所もある。快調に登って行くと、Yさんが休憩していた。ひと声掛けて、ここからきまま仙人が前を行くことに。ずっと踏みあとを付けてもらってきたので、少しは代わらないと悪いし。足跡のない山道を進むのはある種快感。気持ちがいい。間違いやすそうな所があるわけではないが、テープを見逃さないように登っていく。すべてが順調で、この調子だと余裕で午前中には山頂に着くかな?何て。
徐々に雪が深くなってくる
雪は多くなっていくが、単調な登りが徐々に辛くなってくる。標高は確実に高くなっていく。標識のところで登山道が右手に大きく曲がると、少し樹林帯を抜けた感じで最後の急登になる。ここを登りきれば山頂だ。が、ここから一歩一歩が新雪を踏みしめてツボ足状態。さすがに今までよりも時間がかかる。雪が膝くらいまで来るようになり。時々ズボッと踏み抜くような感じでバランスをくずしたり。でもまだ楽しかった。ハイマツが足元にあるのがわかったりする。木の枝が張り出しているところでは、通過時に触れると枝の雪を被るハメに。徐々に腰くらいまで。膝を使いながら道を作っていく。これでも十分ラッセルの部類だろう。
が、ここで壁に! 張り出した枝の下を這うように抜けたあと、身動きが取れないような新雪にぶつかった。普通の登り方では前に進まない。ここだけを抜ければ先は行ける、という感じでもない。この感じだと先週末の登頂者はいなかったのでは?と思わせる。山頂はまだ見えていないものの、もう少しという感じはある。プロトレックの標高計からすると、おそらく標高差で100mも無いだろう。振り返ると富士山も南アルプスもガスで見えない。
ストックを畳み、ピッケルに持ち返る。気分を一新して前進を試みる。。。。。が、が、が、1,2メートルも進まないうちに、これでは無理だ! 時刻は12時少し前。ちょっとスペースを作って、小休止。途方にくれてしまった。
このあたりで進むことができず途方にくれてしまう。。。
ちょっと長くなったので後半に続く。
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