カール F.ブヘラ スペシャルトークショー その2
今回はブヘラの時計の魅力ということで、30分ほどのトークショーだった。ちなみにその前に、たまたま来日したというブヘラ副社長のDavid Vallataさんの挨拶。
ブヘラは日本ではそれほど知名度がないが、スイスでは有名な時計(きまま仙人のイメージではむしろ貴金属・宝飾品)の小売店。ロレックスをはじめほとんどの有名ブランドを多数販売してきた。ブヘラの時計は時計屋が作りたい時計を作っていると。実用的で視認性がよく、耐久性がある。
4つの要因から、ブヘラは時計屋が作りたいと思う時計を実現した
1.小売商としての造詣
2.時計メーカーとしてのノウハウ
3.強固な経営基盤
4.+スイス最強の時計・宝飾小売商
ペリフェラルローター
トラベルテックの24時間環の回転ボタン
中でもきまま仙人がなるほどと思ったのは、ブヘラがケースや針などの納入業者を優位に使える点。大抵こういう業者は大手のグループ傘下に入っている。ブヘラは時計屋としてグループの時計を大量に販売しているので、グループとしてなかなかブヘラの要求をノーと言えないとのこと。なるほど!
メカ的にはブヘラらしい機構として、パトラビのペリフェラルローターの自動巻機構とCDASという精度調整の機構を取り上げて説明してもらった。
ペリフェラルローターはセンター軸ではなく、周囲をリングが回転するローターだ。きまま仙人はすぐにシチズンのジェットローターを思い出した。(他にパテックなども同様のものを作ったことがある。) ペリフェラルローターは軸で固定されているわけではないので、衝撃で外れやすいという欠点(他に巻き上げ効率が悪いという欠点も)があったが、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)加工を施した受けとボールベアリングを採用することで解決しているという。しかも両方向巻き上げ。これによって裏スケから手巻きのようなスッキリしたムーブが望めるし、空いたスペースに他の機構を組み込むことができる。実物もなかなか魅力的だった。
CDASというのは緩急針のヒゲゼンマイを止めてある頭の部分が重いため、衝撃のときにズレやすいという欠点を、楔を噛ますような機構で固定するというもの。まぁなるほどという感じ。
次にパトラビ トラベルテック(下右)の24時間表示の回転式インナーベゼルの操作機構。10時位置のプッシュボタンで1時間ずつ回転するのだが、ボタンに切り替えのリングがあり、回転方向を切り替えられるのだ。左右どちらの回転も、ボタンの操作感もたしかに小気味いい。しかも説明されるまで何で?と思っていたが、ブヘラはこの機構こそ(ムーブ以上に)見せたかったのだろう。この時計は裏スケで無いタイプの方が多いのにサイドスケルトンになっていて、この機構が覗けるようになっている。これはきまま仙人好み。
実際に手に取って見た感じでは、それぞれ仕上げも悪くないし、しっかり作っている感じに好感が持てた。ビックデートやパワーリザーブ、先ほどの両方向回転の24時間環やクロノのレトログラード時積算計、パトラビ エボテック カレンダー(下左)の週表示・回転ディスク永久秒表示などなど、ひと捻りしているところがすごくいい。マネロのシリーズのパーペチュアルカレンダー フライバッククロノ ムーンフェイズ(下中央)のもものもいい感じだった。価格的にはステンのモデルならがんばったら買えなくもないくらいの価格帯というのが悩ましいか。
この3本は特にいい
左がペリフェラルローター
あとレディースについても触れておこう。宝飾店だけあって、おしゃれなケースデザインに綺麗にダイヤが入っているものなどは、なかなか人気が出そうな気がした。マザーオブパールの文字盤は目盛りも秒針もない2針で、すごくスッキリしていて綺麗だった。まぁレディースが欲しいわけではないが。。。
ブヘラを知れて、広田さんやブティックの方、時計好きの方々と楽しい話ができて、とてもいいイベントだった。ブヘラはプロモーションをうまくやれば、日本でそこそこ成功するのではないだろうか?
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