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2011年12月27日 (火)

最後の証人 柚月裕子著

柚月裕子さんの「最後の証人」を読んだ。最後まで面白く一気に読んだ。また加害者が罪に問われないという理不尽さ、そのやりきれない想いを抱える子供を失った被害者の心情は、胸が熱くなる思いがした。登場人物の背景や心情描写は読み応えがある。が、賛否両論あるだろうなぁ。。。と思わずにはいられない作品だと思う。

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柚月裕子さんの作品は「臨床心理」以来2作品目。作品としては、本作の方がよくできていると思う。子供を失った親の心情、加害者が信号無視、飲酒運転であったにもかかわらずもみ消されてしまったというやるせなさ。夫婦愛。また検察官真生と弁護士佐方の心理描写や現在に至るエピソードなどもしっかり書けていると思った。

賛否両論あるだろうなぁ、というのは次の2点。まず読者の先入観を利用した捻り(敢えてトリックとは書かない。)は、本というメディアであるからこそ成立するが、法廷の全員が自明に見ている事実を読者にミスリードするやり方は、反則といわれても仕方ないだろう。きまま仙人もまんまと引っかかった口だが、この部分の納得感は無かった。これを許せるかどうかがまずひとつ目のポイント。

2つ目は法廷での証人尋問のシーン。きまま仙人のように裁判や法廷のことを詳しく知らない者が読んでも正直違和感はあった。特に検察官真生の証人尋問が。きまま仙人も詳しい方ではないので、ここでは細かい指摘ではなく違和感があったとだけ書いておきたい。法廷サスペンスというには臨場感、リアルさが伝わってこなかった。何か変だぞという引っ掛かりを持ちながら読んだ。

しかし安っぽい2時間ドラマよりははるかに面白い。また息子を失った両親と同じような憤りや、じ~んと来るような切ない想いを感じられた。それだけに惜しいなぁと思う作品だった。

このブログの臨床心理のコメントで、奏馬さんから「「検事の本懐」は骨太で読み応えあった」と勧めてもらっています。文庫本が出たら読んでみようかな。

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