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2011年12月21日 (水)

時計コレクション (番外40) 伊豆高原からくり時計博物館

今回は久しぶりの博物館の紹介。伊豆高原にある「からくり時計博物館」を紹介したい。既に書いたように17日の箱根山行のあと、足を伸ばして久しぶりに訪問してきた。

場所は静岡県伊東市大室高原3-452。伊豆高原駅からも近くはないので、車でなければ少しアクセスがしにくい。きまま仙人は今回3度目の訪問になる。今回わざわざ行かなくてもブログに紹介するくらいはできたのだが、写真もなかったし、不確かな記憶で書くのも嫌だったので、もう一度再訪したいと思っていた。今回行ってよかったことは、知りたかったことが少しわかったことだ。

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きまま仙人が今回この「からくり時計博物館」に着いたのは16時過ぎ。扉を開けて入ってみると電気が消えている。一瞬、えっ?休館? と思ったが、博物館のおじさんが出てきて、親切に対応してくれた。したがって完全に貸し切り状態。商売として大丈夫なのかなぁ? 数少ない時計の博物館のひとつだけに、ぜひなくならないで欲しいものだ。

この博物館は、名前の通り「からくり時計」が狭い館内いっぱいに展示してある。「からくり時計」といっても普通の市販品で、梟やベティちゃんの目が振り子に合わせて動いたり、オートマタといって良いのか文字盤の絵の一部が動いたり、ブランコの振り子が揺れたり、鳩時計やかっこう時計などである。機構を見せるというより、面白い動きを見せてくれる博物館だ。

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 チケット・栞

 

 

そういう性質上、きまま仙人が訪れたときも、おじさんが結構たくさんの時計を動かしてくれた。ゼンマイは巻いてあったようで、振り子をちょんと棒で突いて動かすのだ。あれだけの数の機械式の時計がコチコチコチコチ動くだけでも時計好きには楽しい場所だ。腕時計は回りに同じような時計好きもいるし、都内のショップなどでもある程度見れる。世界の時計博などのイベントもある。(もちろん所有品もある。) が、クロックとなるとなかなかここまでの数を一度に見られる場所はない。特に動いているものとなると。 クロックは保管場所も面倒だし、動かすにしても掛時計はめんどくさい。個人が集めるには腕時計の方がはるかに楽だ。

またこの博物館にあるものは、意外と他の博物館では(こんなに多くは)見られない。和時計やだるま時計、八角時計、スリゲルの時計はほんの少ししかないが、動きのユニークな時計をこんなに集めた博物館は、やはりここが一番ではないかと思う。日本製(きまま仙人はほとんど名前を聞いたこともないようなメーカーがほとんど)が多いが、スイス製の懐中時計のミステリーウォッチなどもあった。

きまま仙人がこの博物館で見たいのは、貴重な高級品ではなく、当時普通に販売されていた、一般の人が使っていた面白い時計だろう。これは売れたのかなぁ?と思うような受け狙い的なものもあるが、振り子や時打ち、アラームに合わせたユニークな動きは見ていて楽しい。梟(熊やゴリラ何かもありますが、)の目が動くタイプの小さいものが欲しくなりました。

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 これが目印

 

 

貸しきり状態だったこともあり、おじさんと和やかに雑談。そこで、実家にあるドイツ製のカッコウ時計のことを聞いてみる。iPhoneで写真も見てもらった。そうしたところ、おじさんが古い資料を探してくれて、何と1931年の吉田時計の販売目録に似たタイプの掲載(写真ではなく絵)があるのが見つかった。掲載されていたものは同じような「すっぱい葡萄」と思われるキツネや鳥、ブドウのレリーフがあり、文字盤の感じも似ている。違いは掲載品は2羽鳴きでオルゴール付きの高級品のようだ。(当時の価格70.00円) 今のいくらくらいの値段なのだろう。 メーカーはロンバッハ製。おそらく同時期に吉田時計が輸入販売していたものだろうとのこと。値段は掲載品よりはかなり安いと思われるので、50円くらいか? ロンバッハ製という横書きの文字が右から左に書かれていることや、銭の部分(円の小数点以下)の記載があることなど時代を感じさせる。

どういう経緯で祖父がこの時計を手に入れたのかは今となっては藪の中だが、新たなことが少しわかり、本当に来た甲斐があった。

近くに行かれる方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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コメント

はじめまして。99年に、当時の彼女とこの博物館を訪れました。僕が行った時も他にお客さんがいなくて、僕らと40代くらいの女性職員が一人だけで、貸切状態でした。博物館の経営が心配になりましたが、今でも残ってるようで、安心^-^僕が行った時は時計の劣化を防ぐためという理由で展示されている時計が少なかったような気がします。代わりに、館内のテレビモニターでからくり時計が動いている映像が流されてました。
当時の彼女とは別れましたが、この博物館に行ったことはいい思い出です。いつか、カミさんと行きたいと思います(もちろん、元カノと行ったことは内緒)。

投稿: 桃山 | 2012年10月 8日 (月) 14時54分

コメントありがとうございます。
お客さんがたくさん入っているようには思えないので、たしかに心配です。
でもなくなってほしくない博物館ですね。

投稿: きまま仙人 | 2012年10月15日 (月) 19時38分

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