今いちなS級（Sクラス）

昨日食事でパッポン通りあたりに行った際に、久しぶりに偽物時計屋で遊んでみた。

雑誌などでは、パッポン通りも偽物時計のいいものが探せる場所になっている。バンコクにはたまに来るものの、露店の時計屋さんをからかって見せてもらうなんてほんと久々で、結構楽しかった。

きっかけは往きに「社長、Sクラスの時計あるよ。」という客引き。なぜか日本人に対しては「社長！」という呼びかけがよく使われる。　声をかけられたときは食事前だったので無視して通り過ぎたが、帰りにアルコールの気分良さもあり見せてもらうことに。ちなみにきまま仙人は（実際は資料として少し欲しい気もするが、）偽物は絶対に買わない。買うことは偽物ビジネスを応援することと同義だからだ。

まず店に並んでいるものをざっと眺めたが、正直よくできていると思えるものは一本もない。ブランド的にはロレックス、オメガが多かったが、ブライトリングやパネライ、ブルガリ、カルティエなんかが目に付いた。しかも軽い。ブレスもケースもちゃちいし、クロノグラフなどもクロノグラフの機能は動かない（３針のムーブだから）からだろう。。

こんなのしかないの？Sクラスはどれ？と聞くと、おもむろに棚の下の箱から２つ出してきた。オメガのトランスオーシャン（３針）のオレンジベゼルとブラックベゼル。さすがにSクラスといって出してきただけに、棚の上に並んでいるものと比べると質感はいい。重量感もある。が、なんか変だぞ？　ケースはしっかりしていて、エッジも立っている。本物と比べると「？」を付けざるを得ないが、サイドのヘアラインも努力の跡が感じられる出来。ただS級というには決定的に文字盤の質感が悪かった。というよりこんな文字盤タイプあるのかな？と首をひねるようなギョーシェもどきのパターンが入ったもの。これが何か変だぞ？という一番の原因。もうひとつHeエスケープバルブが本物よりも小さく、いかにも真似て付けましたという感じ。ちなみに値段は３０００バーツ（約８０００円）。もちろん風防はサファイヤではない。　もっといいものはないのかといういといくらだったら買うか？と値段交渉に入ってきた。安くても買う気はないので、このレベルでは買わないといって店を後にした。

最近は明確に意思表示をしたら、さほどしつこく言われなくなった気がする。この点は見せてもらいやすくなったなぁ。同僚もいたので、２件３件とまわったりはしなかったが、今回見たものはS級としては期待外れだった。でもやり取りなども含めかなり楽しめたなぁ。