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2011年9月29日 (木)

時計コレクション (番外35) LIVING ON AIR HISTORY OF THE ATMOS CLOCK

今日紹介するのは、「LIVING ON AIR」副題として「HISTORY OF THE ATMOS CLOCK」。おそらくジャガー・ルクルト(JAEGER LECOULTRE)の販促用に作られた本ではないかと思われる。

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 LIVING ON AIR

 

 

「LIVING ON AIR」、日本語に訳すとしたら"空気で動く"くらいだろう。"MOVING" ではなく "LIVING" という語が当てられているところがATMOSらしい。ご存知無い方のために念のため書いておくと、ATMOSとは気温の変化による空気の膨張収縮でゼンマイを巻き上げて動くジャガー・ルクルトの時計だ。きまま仙人も時計コレクションNo.13で紹介した。

この本は1997年にジャガー・ルクルトによって(スイスで)作られたものだが、きまま仙人は2003年頃(だと思う)にそれまで日本に輸入していた商社の日本デスコの方からいただいた。もちろんすべて英語であり、英語のあまり得意でないきまま仙人は熟読し、理解できたとは言いがたい。著者はJEAN LEBIT、序文をローザンヌ大学教授のFRANCOIS JEQUIERという先生が書いている。

内容は、まず序文の後 "The forerunners"(先駆者達)という章がある。紀元前1世紀か2世紀頃のパピルスのイラスト?なんていう記述から始まり、17世紀の先駆者の話、1920年にのジャン・レオン・リュッター(JEAN-LEON REUTTER)による発明・開発(創造)。試作であるATMOS0などが触れられる。

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   ATMOS 0     発明者REUTTER

後半は"History of the ATMOS clock"というATMOSの製品としての歴史、歴代モデルが語られる。1930年の製品化から、ATOM Ⅰ~Ⅳ、特別モデルまで。キャリバー毎の説明などもあるが、正直わかりにくい。(英語というせいもあるかな。) ATMOSはスイスの国賓への贈答品にも使われていて、ATMOSが映っているチャーチルの事務室の写真などが掲載されている。

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     ATMOS 0とATMOS Ⅰの機構図

Appendixには製品のリストや特許のリストが付いている。

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 1933年の広告

 

 

ちなみに今回ネットでこの本を調べてみると、何とびっくり。アマゾンで200ドルの値が付いている。ハードカバーのSpecial Limited Edition(フランス語版)とのことだから、きまま仙人が持っているものとは別物ではあるが、ページ数(88頁)などから見ると内容は同じもののようだ。(英語Paperback版は現在購入不可)

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        歴代のATMOS

これだけ語ることができて、なおかつ今も製品として普通に販売されている時計はATMOSの他にないといっても過言ではないだろう。そんなATMOSユーザーにとっては、なんともうれしい一冊だ。日本語訳のものが存在するのかどうかは分からないが、貴重な本だと思う。

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